「マスクは子供の言語発達を遅らせる」というソーシャルメディア上の主張には文脈が欠落しています。

また #デマ吐き羆  君がヨタ記事を引っ張ってきていますけど、その全否定ですwww。

【和訳】
マスク着用義務化によって小児の言語発達の遅れが350%以上急増したというソーシャルメディア上の主張は、文脈から外れています。この主張は、フロリダのあるクリニックで目撃された紹介に端を発しています。ロイターの取材に応じた専門家は、マスクが子どもの言語発達の遅れを引き起こすことを確認する重要な証拠はまだないとしています。

誤解を招くメッセージの例は、Facebookの投稿(こちら)と(こちら)に見ることが出来ます。

同様の主張は、Twitter(こちら)と(こちら)でも見られます。

主張は、The National Pulseが発表したレポート(アーカイブはこちら→ archive.is/BlGpL )に言及しており、その見出しは、「レポート:マスク義務化により、子供の言葉の遅れが350%以上急増」となっています。この見出しは、それだけでネット上で共有され、文脈が欠落しています。

この記事は、West Palm Beach Florida News (WPBF)の報告書(こちら)にリンクしています。ノースパームビーチにあるSpeech and Learning Instituteのクリニックディレクターで言語聴覚士のJaclyn Theek氏はWPBFに対し、彼女のクリニックでは 「小児科医や親からの乳幼児の患者紹介が364%増加した。」と述べています。

Theek氏は、「このこと(マスキング)が、言語や言葉の遅れを引き起こしている可能性があると言う研究はまだありません。しかし、最も間違いなく、それが要因であると確信しています。」と述べています。

Speech and Learning Instituteの代表者は、ロイターのコメント要請に即答を避けています。

同様の逸話的証拠は、以前にも報告されています(こちら)。

米国言語聴覚協会(ASHA)の専門家(www.asha.org/about/)は、これまでのところ証拠はまだ明確な答えを示していないと述べています。

ASHAのClinical Issues in Speech-Language Pathology DirectorであるDiane Paul博士は、Eメールでロイターに対し、「現時点では、大人が子供に話しかける際にフェイスマスクを使用することが、典型的な発達段階にある幼児の言語発達を妨げたり遅らせたりするという証拠はありません。」と述べています。

Paul氏は、マスクの使用に関係なく、一部の子供は、言語と言語のマイルストーンに到達するのに時間がかかり、一部の子供は、言語聴覚士の助けが必要かもしれないと述べています。

Paul氏はまた、ソーシャルメディアに流れている主張には「研究上の根拠がなく、マスクが命を救っている時に、両親や家族に不必要な警戒心を抱かせる」とも述べています。更に、医師や研究者は、マスクが言語発達に与える長期的な影響についてまだ「分かっていない」とも述べています。

ASHAはまた、発話と発達の成果を向上させるための推奨事項を示しています(こちら)。このガイダンスには、話す前に子どもの注意を引くこと、メッセージが届いていないようであれば手や身振りを使って伝えること、などのヒントが含まれています。

米国小児科学会(AAP)の発達・行動小児科委員長であるPeter Smith博士は、この主張に対するASHAの評価に同意し、ロイターに対し電子メールで、「マスクが言語発達を遅らせるという主張を支持するデータはない 。」と述べています。

ASHAがロイターに送ってくれた記事(こちら)は、マスキングが子どもの言語や発達の遅れを引き起こす可能性があるという懸念に言及しています。それによると、心配はもっともだが、フェイスマスクが 「言語発達や社会的コミュニケーションを妨げる "ことを示唆する証拠はない」とのことです。

Paul氏は、いくつかの文化では、「大人が定期的に顔を覆っているが、子供の言語発達に有害な影響を与えることはない 」と述べています。

→例えば、イスラム教の方々ですと、子供が接するのは圧倒的に大人の女性ですけど、彼女達は家の中以外ではヒジャブで顔を隠されます。もしマスクの影響があるのならば、イスラムの子供達は昔から言葉の発達が遅かったでしょうけど、当たり前ですがそんなはことないですよね。

マイアミ大学の心理学者は、マスクをしていても、子供たちは 「彼らが触れている言語から恩恵を受けている 」ことを示唆する研究を行ないました。

そんな同大学が未就学児を対象に行った言語発達研究(こちら)でも、マスクは幼児の言語発達を妨げないという結論が出ています。この研究では、「生徒と先生がマスクをしていてもいなくても、子どもたちの言語を学び、生み出す能力に変化はなかった。」という結果が出ています。

パンデミック前とパンデミック中に調査を行った研究者は、「マスクを着用している時の方が、マスクを着用していない時よりも複雑な音声を発している 」ことを発見しました。

マスク着用による小児期の言語発達への潜在的なリスクとこれを軽減する方法を探るコメントや記事は、(こちら)、(こちら)、(こちら)で見ることが出来ます。

また、パンデミック(世界的大流行)が子供達にどのような悪影響を及ぼすかについては、(こちら)、(こちら)、(こちら)、(こちら)、(こちら)の記事もご覧頂けます。

評定

文脈が欠落しています。言語と子供の発達に関する全米の専門家によると、マスクが子供の言語と発達の遅れを引き起こすという主張を裏付ける具体的な証拠はまだないそうです。ソーシャルメディア上のスクリーンショットには、対照研究ではなく、あるクリニックへの紹介の見出しが掲載されています。

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