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SF小説の歴史を変えた「 三体 」に関する短文【 本の紹介 】

「 三体 」劉慈欣


読みながら思い出した、小松左京の「 果しなき流れの果に 」とか、山田正紀「 神狩り 」とか筒井康隆「 朝のガスパール 」とかはさておき、

作中の、始皇帝が、何千万の兵士をCPUの部品に仕立てコンピューター替わりに計算させるエピソードが、昨年、読んだ中国SF短編集の「 円 」だったことを思い出せず、実際のエピソードと勘違いしていたこと(←をい。。)には触れずに、


壮大すぎる三部作の序章の、あふれんばかりの感想を、加速器で収縮させパラボナアンテナから、「 三体 」に向けて送信しました。

送ったメッセージは、たったの十文字。
「 ものすごく面白かった 」


「 三体Ⅱ 黒暗森林 上 」

劉慈欽というロジカル/リリカル・モンスターが示した、新しい小説世界の魅力を文字に起こすことは、三体の××によって人類の××が脅かされるので、面壁者のように、心の中で思うだけにして、冬眠することにしました。

半世紀後に、下巻を読むのが楽しみでもあり恐ろしくもあるのです。


「 三体Ⅱ 黒暗森林 下 」

昨日、書店に並べられたベストセラーコーナーを眺めていた娘が、三体Ⅱを指差し、

あっ!パパが買った本だ!

と声をあげました。よく知っていたね。

続いて、となりの某人気アニメのノベライズ本を指して、

ヒミツのヤイバもあるよ!

間違えを訂正しようか逡巡した直後、目の前に、テキストが表れたのでした。

「 どちらの本もお嬢さんには、怖くないのですか? 」

店外の、青空のそのずっと向こうに煌めいているはずの無数の星の存在を感じながら、黒暗森林にも明るい光が満ちることを夢想したのでした。(完)

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