弱気の女医

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10代、女性の「心臓がとまっちゃった」

「先生、今、救急外来に心臓が止まっちゃった女の子がいるからお願いね」 今日は救急車少ないな~ 病棟でゆっくり患者さんのカルテでも書いてるか~ と呑気に考えていたある日の午後。 上級医から不穏な連絡を受け、 あああああ今日も帰れないコースだ、と 頭の中で今夜の予定を潰しにかかりながら、 戦場に向かう兵士の気持ちで 全力ダッシュで救急外来に向かいました。 外来の扉を開けると、なんだか静か。 ん?いつもの怒号が飛び交ってないぞ? と不審に思いながら診療室に向かう。 そこには

    • 20代、男性、心肺停止

      「ホットライン。20代男性、心肺停止状態、バイスタンダー(現場に居合わせた人)あり。初期波形はVf(心室細動)。5分後到着。」 救急隊から救急車収容要請の依頼の電話が来ると、救急外来は一気にピリッとした緊張感に包まれます。 年齢で差別するわけではありませんが、特に若齢の患者さんの場合は救命率が高いため、 我々は緊張の中、期待と希望を少し胸に抱きます。 ちなみに、医療業界では60~70歳代も若い方に含まれます。 この男性は、朝、自宅のマンションから出勤する準備をしていた

      • 救急外来の現状。

        みなさん救急外来とはどのようなイメージをお持ちでしょうか。 長時間待たなければいけないところ。 性格のきつい看護師や態度の悪い医師がいるところ。 賛否両論、多種多様なご意見があると思います。 ひとつ、間違っていない確実なことは、 人の生死がそこにはあり、生き様、死に様、人間性が露骨に見えてくる そんな場所であることです。 これから私が今まで経験した様々なヒューマンドラマを、 少しフィクションを交えながら(個人情報を厳守するため) ほぼノンフィクションで お

        • こちら救急外来。

          ここは東北六県の南部に位置する、とある病院の救急外来です。 私はそこに勤務する弱気な女医です。 救急外来とはどんなところなのか、医師はどのような仕事をしているのか。 みなさんに、病院がもっと身近な存在に感じていただけるように、 自由気ままにお伝えしていければなあと考えています。 命を守る現場ではどのようかことが起きているのか。 笑いあり、涙あり。 いろんな人々の人生ドラマがそこにはあります。

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