【海皇水精鱗】妨害貫通力を重視する
はじめに
大会の優勝者のレシピを見ていると、手札誘発の採用枚数が12枚ととんでもなく多くなっている。手札誘発12枚構築では、デッキが40枚だとして初手5枚に手札誘発が1枚以上含まれる確率は約85%で、2枚以上含まれる確率は約47%ある。もはや先攻1ターン目ですら妨害抜きで展開をするのは不可能で、2妨害以上踏むことも現実的に多く対策が必要になる。
採用の多い手札誘発
適当にTwitterを眺めて調査しただけなので、結構適当に書いている。確定枠+エフェクトヴェーラーが多く、そこに枠が余ったら1枚他のカードを採用している印象がある。
確定枠
増殖するG
灰流うらら
無限泡影
自由枠
エフェクト・ヴェーラー
朔夜しぐれ
原始生命態ニビル
ドロール&ロックバード
このうち、増殖するGとドロール&ロックバードは対策が厳しい。増殖するGは灰流うららと墓穴の指名者、抹殺の指名者で対処したい。ドロール&ロックバードは諦めていい。
妨害対策案
灰流うららの対策案
対策案としては以下のものがある。
墓穴の指名者
抹殺の指名者
金満で謙虚な壺で貫通手段を引き込む
囮でうららを受けてからワンフォーワン
アザミナ出張
海皇精アビスラインから超古深海王シーラカンスを出す
墓穴の指名者、抹殺の指名者に関しては構築に必須なので特に触れない。金満で謙虚な壺も、貫通札を引けるため実質妨害貫通札になる。
他の初動で灰流うららを受けてからワンフォーワンで貫通するプランは、水精鱗の深影隊や海皇子ネプトアビスの同名ターン1のある効果で受けてしまうと貫通できなくなる点、墓地の水属性を増やしすぎると氷霊神ムーラングレイスが出ない点に注意が必要だが、構築に関係なく確実に入っているカードで妨害貫通できる。
アザミナ出張は、罪宝の欺きとモンスター1体で出せる背信聖徒シルヴィアを用いて灰流うららを無効にするプランである。
罪宝の欺きのサーチ効果に灰流うららを撃たれても、召喚権を使っていないまま灰流うららを使わせているので問題ない。
相性の悪い初動が特になく、墓地の水属性が多くなりすぎないように注意すればかなり相性がいい。
背信聖徒シルヴィアが水属性ではない点も、水縛りが成立する前に出せることや墓地の水属性を増やさない点で相性がいい。
ニビルカウント1追加してしまう点は注意が必要である。
海皇精アビスラインから超古深海王シーラカンスを経由して貫通を狙うプランは前記事で紹介しているが、海皇精ネプトアビス初動とは相性がいいものの、他の初動ではそもそも展開に海皇精アビスラインを使用するため、プランが崩れる。また、深海のディーヴァ初動では深海のディーヴァに灰流うららを撃たれて止まる。あまり強くないかもしれない。
無限泡影の対策案
囮で灰流うららを受けてからワンフォーワン
アザミナ出張
海皇精アビスラインからシーラカンスを出す
単に灰流うららからパターンが減っているだけだ。
エフェクトヴェーラー、朔夜しぐれの対策案
これは灰流うららと同様。
原始生命態ニビルにの対策案
深海のミンストレルを通す。
妨害対策案まとめ
汎用である墓穴の指名者、抹殺の指名者以外での妨害対策は、構築に必然入る部分ではワンフォーワン、なんとか枠を作って採用するもので言えば金満で謙虚な壺やアザミナ出張が現実味があると考えられる。
構築案
結局構築がまとまらないと意味がない。
解説
方針は以下のとおり。
アザミナ出張を採用する
アザミナ出張は手札消費が大きいため1枚初動を重視する
深海のディーヴァをフル採用する
金満で謙虚な壺を採用する
金満で謙虚な壺を採用したため、エクストラデッキを圧縮する
前回使用したトリシューラ2回パターンは採用しない
海皇龍神ポセイドラアビスを先攻展開では使用しないため、1枚で抑える
海皇龍神ポセイドラアビスを蘇生するためのアビスティングトリアイナを不採用とし、アビスケイルクラーケンに入れ替える
2ターン目のキルパターンをとりあえずアネモネジーランティスにした。
手札誘発は12枚採用する
エクストラデッキは9枚で抑えたので、あとは好きなカードで埋めよう。
1枚妨害を踏んだ上でニビルケアできる展開の確率を計算した結果、約59%とそこそこの善戦ができている。
ただし、金満で謙虚な壺で好きなカードを引ける前提だったり、罪宝の欺きのコストを用意できた上で墓地の水属性が増えすぎない前提だったり、ニビルカウントが背信聖徒シルヴィアで増えるためミンストレルが間に合わないパターンがあることを想定していなかったりするため、ここから少し確率が落ちるはずだ。
実際のところはおそらく50%程度と予想される。
ほぼ誤差なので1枚初動に限定した上で2妨害+ニビルケアができる確率も計算した結果、約26%となった。4回に1回はうらら+ヴェーラー+ニビルのような手札すら突破してしまうようである。
ただ、無限泡影に関しては墓穴の指名者が効かないので実際の確率はもう少し落ちるだろうが、それでもまぁ十分だと見ていいのではないだろうか。
ちなみに手札誘発12枚構築で初手5枚の中に手札誘発が3枚以上ある確率は約14%しかない。もはや仕方ないと割り切っていいレベルの確率だが、そんな相手の上振れ妨害すら処理できてしまう。それもほぼ汎用と出張ギミックだけで。
おわりに
ゼロ妨害前提での最大展開を考えるのは楽しい。特に前回ミンストレルで最も弱い札を隔離した上でムーラントリシュで残り全部除外する4ハンデスを思いついた時は、自分は悪魔なのかと思った。
ただ、どんなに理想的な展開を考えようとも、現実には妨害が山のように飛んで来る。展開が通らなければ当然勝てない。であれば、構築も展開も当然妨害を前提に考える必要がある。
これまでは現実的に展開の途中で妨害を踏んで妥協展開に落ち着く方向で考える必要があり、かなりモチベーションを削がれる展開ルートの開拓が必要だったが、アザミナ出張により最小構成であれば理想展開を無理やり通せる確率が格段に上がった。
結果として、メインギミックはさらなる圧縮を必要とし、デッキ枚数はついにちょうど半分の20枚が海皇水精鱗とは関係のないカードとなった。
デッキ構築の自由度は本当に低くなったね。