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ダメダメ人間の父は、貪欲に生きた

ダメダメの父は、

父は、90歳くらいまで生きた。

生き様は、ダメダメの腰抜けのお人好しのようで、
母の手に乗せられたようだった。

母が亡くなってからは、
早く迎えに来ないかなと口癖のように、寂しがっていた。

ダメダメの父は、何も出来ない。そして、早く早くと言ってた。

若い頃から、糖尿病を患っていて、薬を飲み続けてました。

そんな父
早く迎えに来て欲しいと言いながら、
薬はしっかり飲んで
タバコもお酒も薬が効かないから、
もう辞めた!

早く早く迎えに来てと言うならば、お酒もタバコも、好きなだけ、飲んだら良いのにね。

生きたいのね、しっかりしてた!

手相を見てくれ、
もう、90歳でしょ、十分生きたでしょと、
言っても、いくつまで生きられると、聞いてきた。

ひとりでも、貪欲に生きる気力は、しっかりしてた。

生きるとは、自分で決めて行くものと、貪欲な父を思い出します。

その生き様は、
残された私たちに、しっかりして生きろ!と見せてくれた。

入院してたときも、若くて、可愛い実習生さんにはよろしくねとニコニコして、
それほどでもない子には、挨拶もそこそこの、老いてもエロジジイぶりだったらしい。

農家でありながら、なんぞの役員をせっせと引き受けては、出掛けてばかりの、どうしようもない、ダメダメ人間。

夫婦仲は良くて、まあ、お見事でした。

お酒飲んで、ヘラヘラと楽しそうな人でしたね。

ダメダメ人間の父を、何となく好きでした。
どことなく、そんな血を引くのは悲しい。

誕生日を前に、
父を思い出した。

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