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第4夜【第二担当シーン】

第一回目の担当シーンが終了し、リテークは監督からコックピット内のケーラの受ける衝撃をもっと派手目に以外もなく、メカ作監からギラドーガのプロポーションニュアンスをこんな感じに1カットまでで、特に問題はなかったのかな?と思い、第二回目の原画打ち合わせに赴いた。

シーンは、アルパアジールからファンネルが射出され、それが編隊を織りなしνガンダムに向かい、アムロが迎撃、アルパを構ってられるかと素通りしようとする所にビーム攻撃がマシンガンのように降り注ぐという展開だった。

その時は方南町の仕事が忙しく、レイアウトも思い切りラフな物しかできず提出した。もう第一回のシーンで自分という原画マンがどんな絵を描いてくるかは理解されてるだろうという判断だった。それが悪かったのか?
戻しレイアウトは監督の赤鉛筆暴言が殴り書きされていた。
「仙場!いいかげんにしろ!」「コンテの秒数伸ばすんじゃねーぞ!」…etc。

・・・ショックと憤り・・・

監督の気持ちは解る。ただ自分もガンダム好きではあったので、少々?アングルなどをコンテと変えてみた。
特にコンテで「νガンダムから粒子弾か何かが出て、アルパのビームを弾きながら回避する」と、あったのだが…。
自分としては「ご都合主義からの脱却がガンダムなんじゃないのか?」という思いで、ファースト劇場版でのガンダム大気圏突破法を模して、股間が開き粒子ガスを前面に射出して盾に跳ね返り、νガンダムを包むバリヤーとなってアルパのビームが弾かれるという演技にしたかったのだ。

紆余曲折あったようだ…。
通常、東映、東京ムービーなど、演出家修正、作画監督修正は、黄、赤、青色などの修正用紙があるのだが、サンライズは黄色一色しかなく誰の指示かが?カオスだ。

監督は「ふざけるな!」に続き…
「いや待て?これやるか?……Aに戻るという事も…?」
(自分・そうそう、思い出してくれました?それがガンダムだと思います)
それに返答する形で助監督の「やりましょう!」というメモ。
(自分・やったね!)
しかしO作画監督が全身から粒子弾を発射する1枚ラフを入れて、
監督の「これで行く!」という字面に決着…。
(自分・ガビ~ンorz)

「この秒数で全身から粒子弾発射したって見えないし、どっから発射してんだよ…!?モチベーションダダ下がりだが。そいつは、とりあえず置いておいて他のレイアウト修正とやれるカットから原画作業にかかる事とした。

こういうのは幾多、経験済みだ。プロゴルファー猿2劇場版でも担当シーンのレイアウト提出(自分は提案のつもり)で、かなり変更した。
西村監督は激怒していたのかもしれない返事だったが、ただ1カット、
崩壊前に、ダム全景がみえる遠景描写カット追加提案の承認を得た。
30提案して1でも採用されれば「やったね!」と感じられる。

逆シャアに戻り、アルパの横位置からファンネルが射出される、
それまでの兵器とは異なるよう長い噴射炎の尾を引き編隊を織りなし向かう…こんな作業をしてる時に、サンライズのUプロデューサーから電話がかかってきた。

「仙波さんにお願いがあるのですが、メカの作画監督を手伝ってもらえませんか?今あるレイアウトはすべて引き上げるので…是非、早くお願いしたい」との事だった。
あの監督の赤鉛筆大暴言の嵐と正反対のお話に聞こえた。
「何が何やら…」。

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