「ナマケモノ物語」 其の弐 「ナマを訪ねて三千里」
ナマケモノと運命的な出会いを描いた「ナマケモノ物語」其の壱「出会い」を配信しました。
今回はその続きとなります。
ナマちゃんのその後
たまたま訪れた猫カフェで出会ったナマケモノのナマちゃん。しかし、翌日からお店は閉まったまま。事実上、閉店してしまいました。猫ちゃんたちは、スタッフさんや常連の方に引き取られたそうですが、ナマちゃんの行方はわからない・・・
どこに引き取られたのか。もう会えないのか。ナマちゃんの情報を調べると、手がかりはない。
そんな8月のある日、ナマちゃんがいたお店「猫の王様」の姉妹店で、同じく閉まってしまった「ヒステリックモンスター」の元スタッフさんから、ナマちゃんの画像を上げていた妻のツイートにコメントが入ったんです。
その方によると、やはりお店は閉めることになったことがわかりました。そして、肝心のナマちゃん情報が!
茨城にある「猛禽屋」に買い取られた、とのこと。
早速「猛禽屋」を調べてみると、Facebookで「ナマケモノ、入荷しました」というお知らせが!
日にち的にも、「これはナマちゃんではないか!?」と、思いました。
(後から気付きましたが、厳密に言えば、この子はナマちゃん無いと思われます。見比べると、鼻の形が違うし、顔の毛色も少し違うので。)
「いつかまた会える」なんて、何の保証もありません。元スタッフの方からも、「一般の方が購入したら、もう会えないでしょうね」と言われました。
「だったら、会いに行くしかないよね。明日行こう!」
と、後悔しないよう、急遽、茨城の牛久まで行くことに。
それは奇しくも、ナマちゃんも出会ってからちょうど1ヶ月経った、8月22日でした。
いざ牛久へ
ナマケモノは、よく寝るので、早めに行っても寝ているかもしれない。「猫の王様」で出会った時も、夕方に起き始めたので、猛禽屋に行く前に、寄り道をしました。
牛久と言えば、「牛久大仏」が有名です。お店からも近いということで、せっかく牛久に行くならと、「牛久大仏」を初めて見に行きました。
「牛久大仏」は、全高120mもある、世界で6番目に高い立像です。ブロンズ製で、1992年に完成された、まだ若い立像です。年下だったとは(^^;;
宗派は浄土真宗。奇しくも、うちの家系の宗派でした。
「牛久大仏」は、牛久浄園の中にあります。
入園料は、大人が800円ですが、コロナの影響で、像内のエレベーターは、休日は封鎖されていたので、拝観のみの500円で入園しました。
中は、まさに極楽浄土のように、綺麗な芝生が敷き詰められており、コキアが見事な赤で、彩りを添えていました。
そして、正面から見た牛久大仏は見事。
中には、本願荘厳の庭という、浄土をイメージした池があり、大きな鯉が餌を求めて水場に集まっていました。
猛暑の中、水の音が涼を与えてくれました。
順路に沿って、牛久大仏をぐるり。奥には、ふれあい動物コーナーがありましたが、これもコロナの影響で、中止していました。
帰り待ちは、桜並木になっており、春に来たら、それは綺麗なことでしょう。参拝に行く方は、春がおすすめです!
そして、その桜並木からは、こんな姿が見られます。
そう、かめはめ波です(笑)
若干手が離れていますが、場所によっては、牛久大仏の特大かめはめ波が拝めますよ(笑)
いざ、猛禽屋へ
牛久大仏を後にし、いよいよ「猛禽屋」へ。
グーグルマップを頼りに、向かいましたが、「猛禽屋」がある場所は、交通量の激しい、信号が少ない森の中にあったので、一度通り過ぎたものの、Uターンできる場所がなかなかない(^^;;
かなり行き過ぎてからUターンしましたが、ちゃんとした駐車場はなく、路肩に寄せて止めていた車の後ろに駐車。
ついに、お店の中へ。
「猛禽屋」さんは、その名の通り、猛禽類のフクロウや、珍しい動物の卸をしているお店でした。
お店というお店ではなく、猛禽類の牧場のような感じといえば伝わるでしょうか。広い敷地の中に、百匹を超えるフクロウや猛禽類の鳥達が、足を繋がれていました。
臭いも、動物臭が強く、自然の中。
「こんなところにナマちゃんはいるのか・・・。」
でも、自然に暮らすならこんな感じなのかな」と話して、鳥達の間より通って、ナマちゃんがいそうな奥へ。
奥には、折に入った珍しい生き物が。しかしナマケモノの姿はない。他の場所も見てみると、そこにはコツメカワウソが。
「か、可愛い!!」
ナマちゃんが見当たらない中で、少しの癒し。そして、スタッフさんに、ナマケモノがいるかを尋ねました。
「ここにはいないですよ。いるなら社長の家です。でも、北海道のフェアに行ってるので、今はいません」
つまり、ここにナマちゃんはおらず、会うことはできないということがわかりました。
せっかく掴んだ情報でしたが、タイミング悪く、会うことはできませんでした。もし、猛禽屋の社長がいたとしても、会えたかどうかはわかりません。待ったところで何が変わるわけではないので、猛禽屋を後にしました。
帰り際、入り口にいるインコに、少しだけ癒されながら。
後悔しない、納得した行動の果てに
牛久に行く前、「ナマちゃんに会えなかったらどうしよう?」と話していましたが、「それはそれで、諦めもつく。会えなくても、後悔しない為にも、行こう」と、納得のいく行動をすることにしました。
結果として、ナマちゃんには会えませんでしたが、おかげで初めて牛久大仏に行くことができました。そして、新たにコツメカワウソと出会うこともできました。
ナマちゃんに会いに行こうとしなければ、もしかしたら一生「牛久大仏」を見に行くことはなかったかもしれません。そして、新たな愛玩、コツメカワウソとも出会うことはなかったかもしれません。
ナマちゃんが、置き土産を用意してくれていたのではないか。もちろん、ナマちゃんに会えるに越したことはありませんが、会えないものは仕方ありません。
小さな「せいをおかげに」かもしれませんが、うまくいかないことがあっても、うまくいかないからこそ得られるものもある。結果だけを求めるのではなく、道中を楽しむからこそ、得られるものがあります。
まだ残されている!?「ナマチャンス」
ナマを訪ねて「三千里」とまではいきませんでしたが(笑)、結局は会えず終い。でも、まだ諦めたわけではないし、諦めるわけにはいきません。
その後も、猛禽屋さんの情報は逐一チェックをし、ナマちゃんに会えるチャンス、つまり、「ナマチャンス」を待ち構えていました。
というのも、猛禽屋さんは、直営で上野にアニマルカフェ「フクロウの巣カフェ」を運営しています。そこにもポッキーくんというナマケモノがいるのですが、ナマちゃんがお店に行く可能性に賭けました。
ナマちゃんは、すぐに噛もうとしてちょっと凶暴なので、お店で飼うことになりました。もしかしたら、お店で預かる可能性があるからです。ただ、ナマケモノは個人行動をする生き物なので、同じお店に2匹いるというのは、難しいのかもしれませんが・・・。
考えても仕方ありません。とにかく、新たな情報がないか、調べることしかできませんでした。そして、新たな展開と、新たな情報を手にすることになりますが、それはまた次回で!
「ナマケモノ物語」其の肆
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「ナマケモノ物語」其の淕
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