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ルフィ名言特別編Vol.85「ガル。(親ラパーン)」

物語と名言

山の上にある城を目指すルフィ一行に、ラパーンの群が、雪崩を起こす。あまりの大規模な雪崩に逃げるしかなく、雪崩に乗ってラパーンはルフィ達を襲う。ナミの無事を最優先にする為戦えないルフィを、身を呈して守ったサンジのおかげでルフィ達は安全な所に避難したが、サンジは雪崩に飲み込まれてしまい、雪に潜って助けに行くルフィ。無事サンジを助け、埋まっていた親ラパーン一頭もついでに助け出した。

雪崩は麓の村をも襲いワポル達も飲み込まれるが、”バクバクの実”の能力によって難を逃れる。雪山に適応した”ホワイト・ウォーキー”に乗って、急いで城に向かうと、自分を吹き飛ばしたルフィに遭遇する。ナミとサンジを背負ったルフィに容赦無く襲いかかるワポル達。なんとか攻撃をかわすが、一対三の状況で追い込まれた所に、ラパーンがルフィを助けに入る。

人に懐くはずのないラパーンが助けに来て驚くワポル達だが、ラパーンがルフィに向けて言った、今回の名セリフ。

「ガル。」

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                  出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

ラパーンの群れがワポル達の道を塞ぎ、ルフィはナミとサンジを担いでえんとつ山を登る。


名言の意味

今回は、ちょっと変化球のような名言?という感じですが、触れずに入られませんでした。
ラパーンとは、白熊のように大きく俊敏で凶暴な肉食雪ウサギです。人に懐く事はなく、ルフィ一行は一切攻撃をしませんでしたが、ラパーンは攻撃し続けてきました。しびれを切らしてサンジが蹴り返したら、一気に群れで襲ってきて雪崩まで起こしましたが、それほどまでに凶暴なウサギです。

自分を襲い、雪崩まで起こし、殺されかけたにも関わらず、ルフィは、雪崩で雪に埋まった親ラパーンを助けようとする子ラパーンを見て、何も言わず、当たり前のように助け出しました。
ラパーンにどれほどの知能があるかはわかりませんが、ラパーンは、ルフィに助けられたお礼を返すように、ルフィの危機を助けました。

当たり前ではないけれど

さっきまで襲っていた相手で、人に懐かないラパーンがルフィを助けたという事にワポルも驚いていますが、それはやはり、一度も攻撃する事なく、当たり前のように親ラパーンをルフィが助けたからこそ、ラパーンはルフィを助けたのでしょう。助けるルフィもルフィで、ラパーンもラパーンです。

テレビで、閉じ込められた動物を助ける映像が流れたりしますが、大抵の動物は、助けられた後にササっと逃げてしまいますよね。動物の救出映像を見ると、いつも何を考えてるんだろうと思います。お礼を言うとか、恩返しをすると言うのは、人間特有のものかもしれませんが、ラパーンを通して見る事で、お礼を言う事や恩返しをするのは、とても当たり前のことなんだと感じますよね。助けるのだって当たり前。恩返しをするのも当たり前。本当は当たり前なものはありませんが、見返りも求めず、普通のこととしてするからこそ、価値は大きいんだと思います。

愛と憎しみ

ルフィは、襲われたことへの怒りや憎しみで行動するのではなく、ただ助けました。だからこそ、ラパーンもルフィの純粋な気持ちに応えたのではないかと思います。ルフィの行動が愛だとは言いませんが、憎しみからは憎しみしか生まれません。ルフィは、愛によって行動したとは思いませんが、ラパーンは、ルフィの行動に恩を感じ、お礼としてルフィを助けました。ラパーンには、愛のようなものを感じたのかもしれません。

愛による行動ではなくても、相手が愛を感じればそれは愛です。ただ、その行動の裏に、一片の憎しみもなかったのは事実です。大事なのは、愛を込めることよりも、憎しみをなくすことなのかもしれませんね。

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