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ルフィ名言特別編Vol.89「おれは決して、お前を撃たねェ!!!!(Dr.ヒルルク)」

物語と名言

雪崩に襲われた麓の村では、民を守り犠牲になって雪に埋まったドルトンを助け出すが、既に心臓は止まっていた。

そして、ついに城にワポルが戻ってくる。Dr.くれはは、その報せを聞いても驚かない。城の前に現れたワポルは、ドラム王国復活を高らかに宣言するが、城のてっぺんに桜柄のドクロの旗が掲げられていた。ワポルに対しDr.くれはは、

「この城はね・・・、ヒルルクの墓にしたんだ。出ていきな、この国から!!
 ・・・もうドラムは滅んだんだよ・・・!!!」

一笑に伏すワポルを見つけたルフィは、迷うことなくワポルに拳を向ける。

そして6年前、ヤブ医者Dr.ヒルルクが、医療活動をしていた。病気で苦しんでいる人の所へ押しかけては、患者からは拒否され、守備隊を呼びに出た患者の家族を麻酔銃で撃つ始末。患者に施した注射も、効かないどころか失神させていた。守備隊が駆けつけると、窓を割って逃げ出す、人を助けたいが医療ちしきのないヤブ医者だった。

Dr.くれはとは知り合いだがウマは合わず、「おれはいずれ、医学でこの国を救ってみせる!!」とヒルルクが言うと、「おやおや、国を滅ぼすの間違いだろうっ!!」と返される始末。この国に医者は、"イッシー20"とこの二人しかおらず、国によって「医者狩り」が行われていた。そこに追ってきた守備隊が現れ、逃げ帰ったヒルルクは、山でトナカイの群れを追い出され、人里からも終われ、銃で撃たれて傷ついたチョッパーと出会った。

助けようとするヒルルクだったが、銃が見えた瞬間、人に襲われた恐怖が蘇り、チョッパーはヒルルクを殴り倒し、その場を後にする。傷だらけになったヒルルクは、

「・・・あの野郎が・・・ふざけやがって・・・!!
 おれを誰だと思ってやがる・・・!!」

と立ち上がり、「おいっ!待て!!」とチョッパを呼び止めて言った、今回の名セリフ。

「おれは決して、お前を撃たねェ!!!!」

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                  出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

その姿は、雪が降る中素っ裸でガチガチに震えていた。

「おれの名は!!!Dr.ヒルルク!!!医者だ!!!!」

その姿に、チョッパーは呆然としていた。

ヒルルクの住処で目を覚ましたチョッパーは、枕元に置いてあったパンを食べながら号泣する。初めて優しさに触れた瞬間だった。


名言の意味

今回の名言は、私の中でトップ5に入るほど好きな名セリフです。このシリーズを取り上げる上で、一番取り上げたかった名セリフではあるのですが、この名セリフが一番効果を発揮するのは、もう少し後になります。しかし、物語の展開上、ここで取り上げなければいけないので、取り上げました。

Dr.ヒルルクは、まさにヤブ医者で、治療を施しても効果が出ないならまだしも、逆に悪化させたり、悪化させる医療を押し付けておいて治療費を踏んだくる、見方によっては悪人かもしれません。しかし、Dr.くれはは、ヤブではあっても、一人の医者とは認めていました。それも後になって明かされますが、ヒルルクが、人を救いたいのは本当の思いです。それも後で明かされるのでその時に語りたいとは思いますが、ヒルルクは吐血したりして、ヒルルク自身も病気を患っていました。

それでも、人を助けたいという思いや、「医学でこの国を救う」という思いは本物です。しかし、誰も助けることができない中で、初めて助けたのが、チョッパーという化物だったのも不思議なものです。また、「救う」ということが、どういうことなのかも考えさせられることにもなります。

トナカイからも人からも追い出され、誰からも受けたことのない優しさをヒルルクから受けたチョッパーは、初めて心を許すことができました。それは、何発殴られて血だらけになっても、チョッパーの恐怖を察したヒルルクのノーガードフルチン姿になったことが、チョッパーの心を動かしました。ヒルルクのこの姿と名言が、ドラム編ではとても重要なシーンでもあるので、今後の名言でも、ちょいちょいこの名言のリンクが登場することになると思うので、その時々に思い出していただければと思います(笑)

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