不動産投資でFIREしたいなら東京を脱出した方が良い理由
最近FIREが話題だ。
不動産投資界隈でもFIREする人がどんどん増えている。
早い人だと30代前半でFIREできている。
40代になってもまだ勤め人を辞められない僕としては羨ましい限りだ。
不動産投資でFIREする場合は、『どこに住んでいるか』によって難易度が異なる。
結論から述べると、地方に住んでいる方がFIREしやすい。大都市に住んでいる場合はFIREの難易度が高い。
特に東京に住んでいる人は一番FIRE難易度が高いだろう。
今回は、なぜ住んでいるエリアによってFIRE難易度が異なるのかについて考察してみたい。
不動産投資は地産地消
基本的に不動産投資は自分の住んでいるエリアで物件を買い増していくのがセオリーだ。
スルガショックの前の融資ジャブジャブだった時は投資家の居住地域と関係なく日本各地に物件を購入している人も多かったが、今は難しい。
全国規模で融資を出してくれる都市銀行が今では不動産投資への融資を絞っている。
一昔前は東京の投資家が三井住友銀行から融資を引いて札幌の一棟マンションを購入するなんてことが簡単にできたのだが、今の融資状況では難しい。
今でも積極的に不動産に融資しているのは地銀、信金といった特定地域に根ざしている金融機関である。
それらの金融機関は基本的に営業エリアが決められている。
営業エリア以外での融資は基本的に行っていない。
そのため、そのような地銀や信金から融資を受けたいと思うならば、自分が金融機関の営業エリアに住んでおり、物件もその営業エリアの中にある必要がある。
つまり地産地消型の不動産投資を行わざるを得ない。
地方に住んでいる投資家は地方で物件を購入することになるし、東京に住んでいる投資家は東京近郊で物件を購入することになる。
地方だとFIREしやすい理由
まず地方に住んでいる方が不動産投資でFIREしやすい理由は、地方投資の特徴に現れている。
基本的に東京を代表とする大都市に比べて地方は土地価格が安い。
特に日本一土地が高い東京と地方を比べると土地の坪単価は全然違う。
東京では坪300万円のエリアも珍しくないが、地方に行けば坪10万円を下回る土地も普通にある。
東京の土地価格は地方の30倍することも珍しくない。
一方で東京の家賃が地方の30倍するかというとそこまでの乖離はない。
東京の家賃は地方より2~3倍ていど高いに過ぎない。
そのため、土地は安いが家賃水準が相対的に高い地方では物件の利回りが高くなる。
今だと東京だと新築アパートの利回りが6%程度であるが、地方だと10%以上ある場合も珍しくない。
金融機関の金利や融資期間は東京も地方も大差ないため、地方物件は利回りが高い分、それだけ運営時のキャッシュフローが大きくなる。
この運営時のキャッシュフローが大きいという点が地方でFIREしやすい最大の理由だ。
更に土地が安い地方では物件の建物割合が大きくなる。
つまりそれだけ減価償却費の額が大きくなる。
減価償却費が大きくとれれば、会計上の利益を圧縮することができる。
つまり減価償却期間が終わるまでは支払う税金が少なくなる。
そのため、地方は税引き後のキャッシュフローの観点でも有利だ。
東京だとFIRE難易度が高くなる理由
次に東京のケースを考えてみたい。
東京に住みながら不動産投資でFIREするのは難易度が高い。
僕自身、東京に住みながら東京で不動産投資を行っているので実感している。
東京は地方と逆で土地は高いが家賃はそこまで高く取れないエリアだ。
つまり物件の利回りが低い。
利回りが低いということは、キャッシュフローの額も少ないということだ。
もちろん利回りが低いからといって、東京の不動産に価値がないわけではない。
土地が高い東京の物件は資産価値の観点で優れている。
建物の価値は年数と共に減少するが、土地の価値は減少しない。
むしろコロナ禍においては東京の土地価格は上昇している。
そのため、物件を売却する場合は、地方よりも東京の方が巨額の売却益を得られる可能性が高い。
ただし、FIREの原資は基本的に物件の売却益ではなく、運営時のキャッシュフローだ。
東京でいくら土地価値が高い物件を購入したとしても、利回りが低ければキャッシュフローは少ない。
つまりFIREには貢献しない。
おまけに土地が高いということは物件の建物比率が低いということを意味する。
地方とは逆で東京の物件においては減価償却費は少ない。
そのため、支払う税金の額も大きくなる。
税引き後のキャッシュフローがますます少なくなるということを意味する。
東京の物件だけを購入し、FIREするために必要なキャッシュフローを獲得するのはなかなか難しい。
更に東京はそもそもの生活費が高いという欠点もある。
東京では収益不動産も高いが、実需用のマンション・戸建の価格も同じ用に高い。
特にマンション価格の上昇には目を見張るものがある。
東京の新築マンションの平均価格はとうとう1億円を超えてしまった。
地方に比べると東京の住居費は異常なほど高い。
それに加えて東京は教育費も高い。
東京では中学受験が一般的である。
僕には二人の息子がいるのだが、長男は中学受験を経て私立中学に入っている。
まず中学受験自体にお金がかかる。
地方の人はびっくりするかもしれないが、塾代だけで毎月5~10万円ほどかかる。
特に小学6年生の時は塾代だけで毎月10万円。
受験直前期に家庭教師を頼んだりしたらプラス10万円。
ピークの月は合計で20万円以上の出費がある場合も珍しくない。
小学4年~6年の塾代だけでざっと合計300万円くらいかかる。
私立中学に入学してからも油断できない。
長男の私立中学の学費は毎月10万円以上かかっている。
この毎月の学費に加えて修学旅行の積立や寄付金の納付が必要だ。
このように東京は地方に比べて住居費や教育費がバカ高い。
物件そのものから得られるキャッシュフローが少ない上に、生活費がバカ高いとなればFIREはますます遠のくのがご理解いただけるであろう。
FIREを優先するのであれば、地方に移住するのもアリ
今まで説明してきたように東京でFIREするのは難易度が高い。
物件のキャッシュフローだけでバカ高い生活費を賄うためには、少なくとも3億円以上の借金を背負う覚悟が必要だ。
FIREを優先するのであれば、東京から地方へ移住するという選択肢もぜんぜんアリだと思う。
最近ではテレワークを許可する企業も増えてきた。
週に1~2回しか都心のオフィスに出社する必要がないのであれば、東京を離れて土地が安い埼玉、千葉、神奈川に引っ越すのは充分可能である。
新幹線通勤をするのであれば栃木県宇都宮や那須に引っ越しても良いだろう。
そして、地元で物件を購入していけば東京に住んでいるよりも随分早くFIREすることも可能になる。
僕みたいに子供が私立中学に入ってしまうと遠方への引っ越しはできなくなる。
FIREを目指しているなら子供が生まれる前か、小さなうちに東京を脱出するほうが良いだろう。
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