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ネガティブな気持ちをモチベーションにする方法

今回は、少し異質な本を紹介したい。
普通、成功者の本にはポジティブなモチベーションや前向きな言葉が描かれている。
それにより、逆境においても諦めないで立ち向かおうという話が多い。

しかし今回紹介する本は、ネガティブ満載、著者の人格にクエスチョンがつくような内容だ。
ここまでネガティブな力をガソリンに前進した人は少ないのではないだろうか?
ポジティブ思考だけじゃやってられない!
人間の心なんてもっと汚いのだから!
と思う人にはぜひ読んでほしい。

〜本題〜

今や彼をテレビで見かけない日は無い。
南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太さんは、お笑いだけでなく司会やMC業など八面六臂の活躍だ。

昔は非モテで陰湿なキャラの代表みたいな人だったが、特にここ数年は周囲への気遣いが窺える言動が多く、
どんなゲストとの会話も上手くまとめられる、超絶バランス型人間。
なんだか、いつのまにやらすっかり真人間になったようだった。
かつての、女性に対する偏見の押し付けっぷり、謎の聖女願望など、
あれはあれで非モテの代弁者として応援したくなる人だったのだが…

司会進行は上手いし、観ていて安心感があるし、テレビ局からしても非常に使いやすいのだろう。
(マイナーだが、不定期で放送されている『ねほりんぱほりん』という番組はぜひ一度観て頂きたい

そんなマルチお笑い芸人の山里さんが、自伝本を出されていることをご存知だろうか?
その名も
『天才はあきらめた』
だ。

https://www.amazon.co.jp/天才はあきらめた-朝日文庫-山里-亮太-ebook/dp/B07HKH4953/ref=mp_s_a_1_1?dchild=1&keywords=天才はあきらめた+山里亮太&qid=1589712965&sprefix=天才は&sr=8-1

自分はこの本を読むまでは、正直そこまで山里さんに興味はなかった。
たまにテレビで見かける赤眼鏡、という程度の認識だった。
しかしふとしたきっかけで本書を手に取り、読み進めていくうちにどんどん好きになったのだ。

詳細は省くが、山里さんは人生において、徹頭徹尾
『モテたい』
ということをモチベーションに行動されている。
それはもう、ちょっと騒がれたいとかのレベルではなく、定年前に時効ギリギリのヤマの犯人を追う刑事を彷彿とさせる、執念じみたものだ。

もう少し正確に言うと、
『何者かになりたい』
という大きな目標があり、そのための努力をサラッと出来る人になりたい
というのが根本にある。
そしてそんな人を天才と定義している。

しかし、自分が天才タイプではないことを早くから自覚していた山里さんは、
もっと手前の分かりやすいところに目標を設定した。
それが『芸人になってモテたい』ということだ。

大き過ぎる目標を設定すると、おそらくほとんどの人はどこかで諦めてしまう。
しかし、自分がギリギリ目指せそうなところに目標を設定し、日々の努力を惜しまないことで、山里さんは少しずつ前進をしていった。

とはいえ、養成所時代にはかなりダメ出しをされたり、辛酸を舐めてきたことが書かれている。
『あなたたちは売れない』なんてことも何回も言われていて、心が折れる要因はいくらでも挙げられている。
では、なぜそこまで努力が出来たのか

これには、本書を読み進めていく中で、主に2つの理由が読み取れる。
非モテゆえのモテへの執着、劣等感ゆえの妬み嫉みだ。

とにかく、天才であると思われたい。
モテたい。
自分に対して失礼な言葉を投げかけた人間は全員許さない。
いつか見返したい。

そのために山里さんが取った行動は、少々独特だ。
それは、自分が恨みを抱いた人をひたすらノートに書き連ねて罵倒する、ということだ。

これだけ聞くと、非常に執着心の強いヤバい人だ。
ここで終わっていたら、ここまで大成していなかっただろう。
しかし山里さんは、恨み辛みを書いたあとで、
『〇〇を見返すために絶対面白いネタを書く!寝るな!書け!』
という具体的なアクションに落とし込んでいた。

これにより、日々少しずつ前進をし、芸人として成功を収めているという話だ。
自分も愚痴や悲観だけで終わらせず、『この現状を打破するためにはどうしよう?』
というレベルまで落とし込むこと
を意識していきたい。

ただポジティブな言葉が並べられただけの自己啓発本には飽き飽きしているという人、
ゲテモノに手を出す感覚で一度本書を試してみてはいかがだろうか?
非常に人間臭い、しかし誰よりも努力家の山里さんには惹かれる部分が見つかるはずだ。

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