コメント_2019-11-24_214959

やっぱり『服部』は事件だったわけで

UNICORNが好きだ。多分高1くらいからずっと好きだ。

当時長崎の片田舎に住んでいた私は、UNICORNが地元にライブに来てくれることだけを楽しみに生きてて(遠征とか、そういうお金は全くなかったので)、ABEDON(当時は阿部B)の『PATIPATI』切り抜きを段ボールに貼って補強し、ペンケースに入れて持ち歩いていた。当時のバンドブームの中でも異彩を放つ5人組だった。
で、『服部』という3枚目のアルバムが出たときのこと、私は16歳だったけど、よく覚えてる。

それまで民生やEBI君のルックスで売ってたようなところもあったユニコーンが、突如、ルックスをかなぐり捨てて、勝負に出た。ジャケットにはメンバーの顔はなく、どこぞの知らぬおっさん。入ってる曲もそれまでのメロディアスで甘い民生の声は最小限になり、初めて聞く曲調ばかり。

でもこれがもう震えるほど感動して、「大人ってなんて自由なんだ!!」「こびない姿勢かっけー!!」となったのよ。クリエイティブをすることに初めて憧れと衝撃を受けた、というやつかもしんない。

解散してからは民生のソロを応援していたけれど、再結成するって聞いた時の私の動揺は半端なかった。いっそ、見たり聞いたりするのをやめようとしたくらい。
当時の私は子育てで疲弊していて、とても音楽を聴いたりライブに行く気力も体力もなかったから。でも、再結成直後にはじめてTVで5人そろっている姿を見たとき、心の底から「生きてるといいことってあるんだなあ」と号泣したことを覚えてる。うん、生きてればいいことあるさ。だからSMAPファンのみんなも、いつか再結成するかもしれないから、希望を捨てないで。

そんなんでまた私のユニコーンファン熱が再開したのですが、今回読んだこの1冊。

これがまた、ありがたすぎる資料と(もう30年前なのによくとってるなあ~~!)メンバーの当時の回想録、レコーディングに参加した人々の裏話が収録されていて、泣ける。

私が16歳当時に感じた「大人って自由!」という精神がギュッと詰まっていて、私このエッセンスこそを、愛したんだと再確認した。
一生懸命ふざける大人、なりふり構わず最高を目指す大人。それがまぶしくてかっこよくて恋焦がれていたんだな…。

自分が編集者として本を作る上での遊び心やタイトルセンスや言葉選びや、ちょっと「外す」ことや、緩急をつける感じとか、ロゴの色彩感覚とかキャラの毒っぽさとか、もう影響受けまくってたなあ、と今ならわかる。ユニコーンはやっぱり愛しい。何がどうなろうと応援する。だって私の血肉を作ってくれたバンドだから。

好きなバンドの全メンバーが生きてくれてて、楽しそうに活動してるなんて、幸せだよなあ。他に、これに似た幸せを私は知らない。




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