#labo.5 コマ割りを考えよう
いよいよ7月ですね~。東京は雨続きなので、スカッと夏らしい青空が待ち遠しいです。
さて、前回は「ネタの整理」に関してお話しましたが、
うまく身についたでしょうか?
今回は「コマ割りを考えよう!」です。
コマ割りとは、ページを分割する「割り方」のことですが、
これがいろんなパターンがありまして。
①4コマ
起承転結を4コマであらわしたもの。
新聞連載漫画なんかはこの形式が多いので一番読み慣れている方が多いかもしれません。
(出典:北欧女子オーサのニッポン再発見ローカル旅 オーサ・イェークストロム)
●メリット
・初心者でも4コマ目まで到達できれば作品が完成する!
・起承転結のリズムをつかむ感覚が鍛えられる
・4コマを連作にすることで、1つのネタをじっくりいろんな角度から描ける
②通常のコマ割り
1ページを何コマかに分割して、1エピソード数ページで構成するパターンです。
コミックと同じ形式なのでこちらも王道ですね。
(出典:「ナイフみたいにとがってら4 反抗期終わりかけ男子観察日記」月野まる)
●メリット
・コマに変化をつけることでダイナミックな展開や、キャラのアップ、引きなど構図の変化を生み出せる
・数ページで1話完結するので、物語の流れを作りやすい
③コマ割り1ページ完結
コマ割りなのですが、1ページで完結するバージョンです。
最近のコミックエッセイでは多く見かけられます。
(出典:「うちの猫がまた変なことしてる」 卵山玉子)
●メリット
・4コマに多少コマを足して構成できるので、4コマじゃ窮屈な人、でもコマ割で数ページに渡って描くのは難しそう、というネタに向いている
・ネタに緩急をつけられる
④24コマ展開
1エピソードを24コマ均等割りで描くパターンです。
最近の作品はこのパターンを多く見かけますし、私自身もこのタイプの作品を手掛けることが多いです。
(出典:「消えたママ友」 野原広子)
※実際はこのコマ割りでA4原稿用紙3枚分、つまり24コマで構成されます
●メリット
・カメラを定位置に据えた映画のような描写ができる
・一定のリズムが作りやすい
・コマ数が結構あるので展開や流れが生みやすい
いかがでしたでしょうか?
他にもいろんなコマ割パターンがありますが、主なものをあげてみました。
私が実際に作品を編集する際は、その作家さんの絵柄や物語の「たたずまい」を見て、コマ割りを相談することが多いです。
ダイナミックな絵は大胆なコマ割り、きちんとしたギャグは4コマ、静的な作品は24コマ、などです。
その作家さんに合ったコマ割りの方法は必ずありますので、描き手のかたはご自分がしっくりくるまで、いろんな割り方に挑戦してみるのもよいかと思います。
次回は、いよいよネーム編に入ります!
(7月中に更新予定)
コミックエッセイ編集者として会得したあれこれを、ここでシェアできればと思います。応援よろしくお願いいたします~!