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GAFA新卒だった僕が最も評価を得たこと

最初に断っておく。このtips を実践することは誰にでも出来るし、おそらくどんな組織でも一定は有効で、実際にやっている人もいるはずだ。ただし、より効果を発揮しやすい組織と発揮しづらい組織はあると思われる。それと、一年くらい時間がかかるので辛抱が必要だ。

新卒のとき、僕は今で言うGAFA と呼ばれる会社のひとつで働いていた。そこで出会ったY先輩の教えの数々がベンチャーで働く今も活きているし、何より当時新卒一年間で僕の社内評価を劇的に高めてくれた。Y先輩は社内でも有名な優しい方だったが、僕を預かって新事業を任された途端に僕にだけ厳しくなった。毎朝の定例ミーティング。その日会話する予定の全クライアントに対して何をどんな意図でどういった順番で伝えるのかチェックされる。そこで口ごもると商談に出させてもらえない。小心者の僕はクライアントよりも上司よりも、先輩との朝のミーティングが怖かった。

GAFA は基本的に自主性を重んじる。よって、フレックス出社だったり出社時間が決められていても11時などという、着いたらすぐお昼ご飯というような時間に設定されている。しかし、Y先輩は自ら嗜むサーフィンの時間割で生活リズムが刻まれているため、まず8:00 に出社してミーティングをするのである。当然誰も来ていない。たまに前日飲み過ぎたどこかの部署の誰かが帰宅もせず会社に戻って居眠りをしているところに遭遇するくらいである。

「なんで自分だけこんな早くに来ないといけないんだろう」と何度も思ったし、何回か仮病でサボったりした。今思うと最低の新卒だったと思う。しかし、半年が経ち一年が経とうとする頃には仕事には慣れてきて、Y先輩の勘所もなんとなく掴めてきた。一人でクライアント獲得も出来たりと、結果が徐々に出始めてきた矢先Y先輩が会社を辞めた。正直、寂しさよりも開放感が10倍くらいは当時あったと思う。明日から存分に朝寝坊するぞ、と。

しかし、習慣とは恐ろしいものでいきなり10時に起きようと思っても6時半には目が覚めてしまう。結局そのまま先輩はいないのに毎日8時に出社し続けた。異変に気がついたのはそれから更に半年ほど経った頃であった。名前も知らない他部署の先輩やマネージャーからよく声をかけられる。「Yさんのところの新卒だよね。すごいよね、いつも朝早くに来て。」「Yさん、いなくなっちゃったけどあれだけストイックにやれたら上手くいくよ」などと。

全く予想していなかった展開だった。僕の担当していた領域は、かなり専門性の高い業種だったこともあり社内で正確に僕の仕事内容を把握している人間は少なかった。ましてや、顔を辛うじて知っている程度の先輩達や同僚はミリも内容は知らないはずなのである。なのにも関わらず、一年間みんなより3時間ほど早く出社するだけで評価が急騰していたという事実。冒頭で断った「効果を発揮しやすい組織」にGAFA は属していたのだろう。なぜならライフワークバランスやらクオリティオブライフやらを重視しそうで、根性やら姿勢やら熱意やらとは縁遠そうなイメージが社内外からついているからである。当時僕は何の計算もしていなかったが、組織カルチャーとの良い意味でのギャップを創出出来ると似たような効果が得られるのではないかなあと漠然と思ったのをよく覚えている。Y先輩には年に一度くらい今でも会う仲だが、大変優しい。でもあの頃も結局優しかったんだなと30歳を越えてやっと気付くのである。

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