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芋の産声🍟

マクドナルドのポテトが出来上がった時の音が厨房の奥から聞こえてくると、何ともソワソワしてしまう。おっ生まれたなと思う。芋の産声である。
紙の容器にザーッと入れられた生まれたてのポテトから立ち昇る湯気を目の当たりにして「湯気が出ている」と現象をそのまま言ってしまうほどの前後不覚感。あぁ、羨ましいと思う。俺もそんな血迷いごとに何もかもほったらかしにして身を委ねたいと思う。
と同時になになに、冷え冷えでしなしなのポテトの美味さも忘れてはいないぞと芋に向かってアーメンする。しなしなのポテトを振ってみる。まるで鞭じゃないか。アイダホの農場で鞭打ちされる芋娘を想う。ポテトとはヤングにはヤングの、オールドにはオールドの旨味というものがある。いつどのタイミングで食べたって美味い。そういうふうに出来ている。
塩加減が店舗によって異なるあたり、味の探求心をくすぐってきやがる。芋ってきやがる。全国全世界のあらゆる店舗に足を運び、舌の鼓を芋で打ちたくもなるわけだ。きょうのランチは決まった。あの産声を聞きにいこう。ティロリティロリティロリティロリ

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