『ゴスフォード・パーク』短評

『ゴスフォード・パーク』

2001年の作品。監督はロバート・アルトマン。
舞台は1931年のロンドン郊外のウィリアム卿邸。親族にハリウッドの映画製作者と俳優を交えてのパーティーが始まる。メイドや執事等の召し使いは多わらわ。その2日目の夜に事件が起きる、というのが大まかな流れ。

『バリー・リンドン』や『オネーギンの恋文』と同じく貴族の世界の話だ。イギリス映画の中でもこの階級の話は大好きである。この作品ではさらに下の階級である召し使いの世界も描いておりまずはその落差で楽しめる。

その上、オールスターキャストである。
マイケル・ガンボンやマギー・スミスのような大ベテランからクライブ・オーエンにケリー・マクドナルド、ライアン・フィリップといった新鋭まで勢揃い。おっと『奇跡の海』のエミリー・ワトソンもいました。

とまあこれだけでも楽しめるが…とにかく細かいねぇ。伏線があちらこちらにちりばめられたり、人間関係の微妙な空気を作ったり…。その中でも光っていたのが、ライアン・フィリップ。『クラッシュ』での熱血警官も良かったが今回は存在だけでも光っている。 

この作品での一応の主人公的な存在になるのはマギー・スミスのお付きの若いメイド役のケリー・マクドナルドになる。が……どうしたことかこれが『トレインスポッティング』で見られた魅力を感じない。なぜか?
理由は髪を短めにした真面目な少女という役柄が彼女にマッチしていなかったように思える。スカーレット・ヨハンセン辺りが一番合うかも。もしくはリンジー・ローハンか。イギリス・アイルランド人にこだわるならキーラ・ナイトレイでもよかったように思える。

イギリス貴族と召し使いの世界が一辺に楽しめるからいいかな。

評価:★★★★

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