『オン・ザ・ロック』

『ブリングリング』や『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』など少女が主人公となるドラマが多いソフィア・コッポラ。本作はフランシス・フォード・コッポラの娘で40代である自身と境遇が近いラシダ・ジョーンズと『ロスト・イン・トランスレーション』のビル・マーレイを使ったコメディで、ビル・マーレイがいたから辛うじて見ていられたら作品と言っても過言ではない。

 

要は旦那を不審に思った妻が元プレイボーイの父親に相談して、その父親が引っ掻き回すというストーリー。ジム・ジャームッシュの『ブロークン・フラワーズ』の主演だったビル・マーレイを思い浮かべると父娘で無駄にニューヨークを駆けずり回る様子が滑稽で面白くはある。

 

娘LOVEな父親の暴走劇をビル・マーレイにやらせた作品だが、ビル・マーレイが出て来るまでとビル・マーレイが出ない間は平凡な夫婦の映画で、ビル・マーレイでもっている映画ではある。が、そのビル・マーレイが『ロスト・イン・トランスレーション』や『ブロークン・フラワーズ』にビル・マーレイでもっている映画ではある。が、そのビル・マーレイがメインではなく、どちらかと言うとローラ目線なので、ビル・マーレイ目線のストーリーだった『ロスト・イン・トランスレーション』や『ブロークン・フラワーズ』と比べると物足りない。

 

クインシー・ジョーンズの娘で40代半ばのラシダ・ジョーンズにソフィア・コッポラが自身に被せた映画とも見れなくもないが、そう捉えて見てもさほど面白さには繋がらず焼け石に水。ソフィア・コッポラ監督作品とビル・マーレイが気になる人だけ見ればいいかな。

 

 

評価:★★★

 

 

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