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クラシック系

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オペラ、コンサート、その他。
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記事一覧

【クラシック】混乱したような、混乱していないかのような、何かの話【オペラ】

 難しい季節、3月。人と会うとか会わないとか、あるいは今年某ウイルスで諸々中止になったりだとか。近頃書くのが追いついていないですが、オペラやコンサート自体に行っていないわけではなく。むしろ、4月からの生きる気力をチャージするために今月はけっこういろいろ行くつもりだったのです。  ですが今月はいくつものオペラ、コンサートが中止になってしまいました(◞‸◟) ①ジャナンドレア・ノセダ指揮 何を隠そうわたくし、ジャナンドレア・ノセダ・スキーでございまして(意訳:ジャナンドレア・

【新国オペラ】じつは初見な『蝶々夫人』【プッチーニ】

 noteの溜まりに溜まった下書きを見返していて俺まだ蝶々夫人の話してなかったん!!?!?となったので、此度は音楽は素晴らしいんだけれどもストーリーが\(^o^)/オオゥな『蝶々夫人』の話。今年の6月に観たオペラです(下書きを放置しすぎた顔)。  あらすじを超絶ざっくり。明治時代の長崎で米海軍士官ピンカートンが蝶々さん(15歳)を現地妻にするものの、事情を知らない蝶々さんはアメリカに帰国したピンカートンを3年待ち続ける(withじつはできてた子ども、とピンカートンが雇った女

【N響】ネーメ・ヤルヴィの音楽が想像以上に尊すぎた【動画:ベルリン・フィル】

 そろそろ改称したい今更祭り。5月にあれだけ感動したネーメ・ヤルヴィについてまだ書いてなかったことを思い出したので、今更と言わずにれっつらごー。 ・そもそもが釣られる案件 5月のN響はめちゃくちゃモチベが高かったんですが、なぜかというと、現在N響首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィの父ネーメ・ヤルヴィ指揮!!!  なお、曲目はシベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」、トゥビン「交響曲 第5番 ロ短調(1946)」、ブラームス「交響曲 第4番 ホ短調 作品98」でした。  公

【新国】地獄には落ちたけどそもそもの女癖が世紀末級で引く(現代っ子並感)な『ドン・ジョヴァンニ』【オペラ】

 これもまた #熟成下書き とは名ばかりの今更祭り。とはいえ、今更祭りという表現の適切でない感が半端ないので違う言い方を考えようとは思っています。  というわけで、5月に観た『ドン・ジョヴァンニ』の話。なんですが、この日はオペラ以外のところですごい日でした(当社比)。招待券で大学の友人=後輩一家が来ていて(キャストのなかにお友達がいるらしい)開演前にご両親ともご挨拶。終演後には大学の先生も見かけてしまったのでご挨拶。ご挨拶祭りすぎたというか、新国立劇場オペラパレスでよく知り合

【新国オペラ】フィレンツェが舞台の悲劇と喜劇ー『フィレンツェの悲劇』『ジャンニ・スキッキ』

 #熟成下書き と言えば聞こえはいいけどまあ実際のところ今更祭りだよなってのを開催したいと思います(というか、うっすら開催していたものが完全にシリーズ化できるほどに膨れ上がったという話)。というわけで、どちらかというともう7月ということのほうが怖いけど、今回は4月の新国立劇場アレクサンダー・ツェムリンスキー『フィレンツェの悲劇』(ドイツ語上演)、ジャコモ・プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』(イタリア語上演)をば。  今更祭りを開催しておきながらこんなことを言うのもアレなんです

【念願の】ロッシーニが聴きたすぎて日フィルの定期演奏会に行ってきた【《泥棒かささぎ》序曲】

 映画『君の名は。』を観て「前前前世」ひいてはRADWIMPSにハマる、くらいベタな展開で恐縮なのですが、映画『時計じかけのオレンジ』を観て「『泥棒かささぎ』序曲」ひいてはロッシーニにどハマりしまして、どーーーーしても生で聴きたいと思っていたので、日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会に行って参りました。  3月に(ずっと書きそびれていた顔)。いろいろあったんで。とか言い訳してる場合じゃないけど、わりと真面目に本気でいろんな記事ネタが溜まってるので、放出していきたいとは思

【N響】結局ラフマニノフのピアノ協奏曲とか聴くとテンション爆上げしちゃうくらいにはミーハー

 これはこれで書くのサボってたシリーズとでも申しましょうか、下書きのまま数ヶ月放置されたものです。ええ、まあタイトルの通り、かの有名なラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18」、そしてプロコフィエフ「交響曲 第6番 変ホ短調 作品111」を聴いて参りました。2月に。  指揮は、パーヴォ・ヤルヴィで、ピアノ(ソリスト)は、アレクサンダー・ガヴリリュク(※当初予定していたカティア・ブニアティシヴィリは健康上の理由で来日できず)です。  みんな大好きラフマニノフって感

【ピアニスト】アリス・沙良・オットさんが難病を公表された件【多発性硬化症】

 このことは公表当日からニュース記事で存じ上げてはいて、コンサートで聴いたことあるしなんならそのことnoteに書いてるし、機会があればまた聴きたいピアニストさんだからどこかしらの記事で触れるべきなんだろうとは思いつつ方向性が定まらずにここまできてしまいました。つらみ。ちなみに、以前聴いたときの話はこれ↓公式MVも載せてあります。  いやー、なんか、どんなことについてもそうなんですが騒ぐために騒ぐことはしたくないと申しますか、考察も言いたいこともなにもなくてただリアルタイムで

【新国オペラ】噂には聞いてたけど想像以上にエロかった『紫苑物語』【世界初演】

 新作ですね、世界初演ですね。ということで『紫苑物語』を観て参りました。オペラのいわゆる古典に属さない、日本人作曲の作品は『松風』以来かな?って感じなんですが今回は日本語上演(日本語・英語字幕付き)だったこともあり(『松風』はドイツ語上演)、様々な点で新鮮さを感じることができました。  じつは『紫苑物語』を観る予定はなかったんですが、家庭の事情ってやつで急遽新国立劇場に行くことになりました。行ってみて思い出したんですが(それは思い出したとは言わない)、関ジャニ∞安田章大さん

【N響】フランスみが深い...って思ったけどそのフランスみがなにかと言われると上手く説明できない【なぜか昨今のテレビ談議】

 今週末っていうか明日NHK交響楽団の定期公演があるのにぜんぜん前回のこと書いてなかったぜ。ということで、前回のプログラムは、ルーセル「バレエ組曲 バッカスとアリアーヌ 2番」、サン・サーンス「チェロ協奏曲 第1番 イ短調 作品33」、ベルリオーズ「ローマの謝肉祭 作品9」序曲、レスピーギ「交響詩 ローマの松」でした。  フランスみが深いな〜と思いながら聴いてたけど、当時のフランスのエリート作曲家たちが留学したのがローマで、そうしてフランスの音楽家を迎え入れることによってレス

【新国オペラ】『タンホイザー』観たら「ワーグナー」以外の語彙を失った【来シーズン公演ラインアップ】

 誠に素直に白状いたしますと、大変恐縮ながら、未だにワーグナーの良さというものがわからない。自分の教養レベルの問題か、感性の問題かはわからないのだが、少なくとも現時点ではその素晴らしさに気が付くことができていない。観には行くんです。ワーグナーだな、とも思うんです。ああワーグナーだな、あらすじで3行だった内容を30分かけて丁寧にやってるな、と思う段階まではきております。さて、問題はここから。  ワーグナーね。ハマる人はハマるところを見ていると、気長に聴き続ければそのうちわかるよ

【新国オペラ】「この世はすべて冗談」で一件落着な『ファルスタッフ』【バックステージツアー】

・オペラ『ファスルタッフ』  先日...と申しますかガンガン去年なんですが、新国立劇場で『ファルスタッフ』を観て参りました。  ストーリー、まあいろいろあらぁにゃといった塩梅なんですが、ものっそいざっくり言うと、ファルスタッフという非モテおじさんが資金援助してもらうことを目的に2人のご夫人にまるっきり同じ内容のラブレターを書いたんだけれどもそれがバレちゃって、テムズ川に投げ捨てられるとか心霊ドッキリ仕掛けられるとか若手芸人さん並みのラインナップで復讐されるものの、じつは愉

【N響】バッハ→イルミネーションという一連の流れのクリスマスみが深すぎる【青の洞窟】

 タイトルの通りですが、今回は主にバッハとイルミネーションの話。バッハと言っても、サカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』の話ではなく、誰でも名前くらいは知ってるはずのあのバッハ、ヨハン・セバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach・1685-1750)の話です。  そんなこんなで、12月のN響C定期はトーマス・ヘンゲルブロック(Thomas Hengelbrock)指揮によるバッハ三昧。「組曲 第4番 ニ長調 BWV1069」、シェーンベ

【オペラ】『カルメン』序曲は太鼓の達人スコアで再生できるのが一般人並感だと思ってる【新国】

 先日、新国立劇場にてオペラ『カルメン』を観て参りました。もうね、序曲とか有名すぎて太鼓の達人のスコアで脳内再生できるレベル。太鼓の達人と言っても「ふつう」レベルですが、冒頭からメロディが変わって「ドン・ドン・カッ・カッ、カッ・ドン・ドン」になるところとか、太鼓の達人のアプリで遊んだことのある人ならわりと誰でも脳内再生できるはず。  改めて全幕観てみると、スペイン感満載でありながらロマ(ジプシー)だったりするのでフランス語上演なのが印象的な『カルメン』。「C'est toi