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営業マンが営業を受けるようになって感じた10のこと

「営業はアートである」

という話を聞いたことがある。
当時は附に落ちない部分もあったが、今になってそれが身に染みている。

(詳しくはこちらを読むとよき)

私は営業を10年以上やってきて、今は企画、マーケティング的な立場で仕事をしている。
立場上、様々なツールやアウトソースの導入を検討しており、多くの営業の方とお会いする機会がある。

そこで気づいた。
自分が当たり前だと思っていた営業が、あまりにもできていない人が多いということに。

営業の人って自分が営業を受ける機会少ないんじゃないかな。
だからこそ、自分が感じた10のことを記しておきたい。

初動の速さ

問い合わせをしたときの初動の速さによって、印象が大きく変わる。
当然、問い合わせした時の温度感は高い状態なので、早くアプローチして欲しいし、それができるだけで好印象。

逆に遅いと、それ以降のやり取りに関しても、対応が遅いんじゃないか、と思ってしまう。

アイスブレイク

営業を受ける側になって驚いたのは、商談の入り方が様々であること。
アイスブレイクなしに、本題を切り出してくることもある。
自分自身、雑談がそんなに好きな方でないので、長々と話されても困るのだが、やはり初対面、関係構築できていない状態では、なかなか話しにくいというのもある。

いきなりヒアリングされまくる、というのもあり、それはすごく嫌な気分になる。
とりあえず、あなただれ?ってのが知りたい。

適度に空気を作ってから、商談して欲しい。

顧客の情報収集

事前準備が大事というのは、営業の時に学んできたが、調べればすぐ分かるような情報をヒアリングしてくる人もいる。
いや、それくらい調べてこいや、と。

既存顧客なのに、大して調べてないケースもある。
メディアに取り上げられて一般の人も知っているような自社のニュースを把握していない営業さんがいて、冷めたことがある。

製品知識の深さ

営業だから細かい運用が知らないというのはよくあること。
自分もそうだったから。

だけど、私は製品を使う立場として検討するので、細かい運用も気になってしまう。
使ってみてから、やりたいことができなかった、想定と違ったでは、社内での立場も危うくなる。

だからこそ、CS出身、もしくはその製品のユーザーだった営業の人とかと会うと、明らかに製品知識が違い、信頼感が一気に増したということがあった。
どんなによい営業でも、結局使うのは製品なので、製品への信頼感が増すようなトークをして欲しい。

顧客のビジネス理解

顧客のビジネスをろくに理解せず、通り一遍の提案をしてくるケースがある。
そんなものはすぐに分かる。いつも同じトークしてるんだろうなと。
もっと顧客のことを考えて提案して欲しい。
こんな事例ありますよ、っていう検討外れな提案されても、信頼度下がるだけである。

分からなければヒアリングして欲しいし、仮説を持って聞いて欲しい気持ち。

オンライン面談の活用

オンライン商談は前職でやっていたが、実際受けてみてもそこまで支障はなかった。
こちらとしても、ちょっと話聞きたいけど、来てもらうほどではないな、という温度感の時に、手軽に聞けるという心理的ハードルの低さもある。

ただ、関係構築という点では、やはり距離の遠さを感じるので、使いどころなんだろうなと思う。

追客

一度商談を終えて、継続的にコミュニケーションを取ってくる人って本当に少ない。(もちろん意図的に切られているケースはあると思うが、それは置いておいても)

すぐすぐではなくても、検討を続けていることはよくあるので、
継続的な情報提供は嬉しい。
いざ本格的に検討する際に、その会社のことが頭に浮かぶ可能性は高い。

ただ、短期的に成果を出したいという営業の気持ちもすごく分かるので、
ここができるかできないかが、差になるんだろうなとは感じる。

組織の意思決定の構造理解

私は決定権はないが、ツールの導入検討、選定をするという立場である。
ということは、私自身が導入したいと思っていても、組織の論理で覆ることはよくある。
それを理解せずに、企業としての意思決定の温度感を勘違いされているケースがある。

営業やっていた者としては、意思決定者かどうか、どういう意思決定プロセスか、をヒアリングしてもらった上で、ヨミにあげて欲しい(笑)

検討時期をせまれるか

いつ意思決定するのか、それを確認せずに、流してしまう人もいる。
ちゃんと意思決定を迫っているか、これは営業で聞く際には勇気がいることだ。
ただ、受ける側になってみて、聞かれたとしても、そんなに嫌な感じはしない(そこまでの信頼関係があった上で、だが)。
時期を決めた方が検討する側もそれまでに検討しようという気持ちになる。

握りが大事。

非対面コミュニケーション

導入を検討する際、営業マンから以外にも情報収集し検討を進める。
非対面では何で検討しているか。

通り一遍のメルマガは大して読まない。
だけど、検討する際に自社メディアに情報が沢山あると信頼度が増す。
twitterも有効だろうし、イベント、セミナーでも触発される。

営業マンがそういった外部情報も含めて、奥行きを持って提案できているか、というとそこまでできている人はほぼいない。
例えば、MAの必要性を訴える際に、今は営業マンからでなく、インターネットで情報を調べる時代だから、MAは必要なんです、というトークがある。
であるならば、それを踏まえた、営業ストーリーを立てて、提案して欲しいという気持ちである。


上記のものは、営業では基本的なところなんだろうと思うが、
ちゃんとできている人は意外と少ない。
営業を受ける側になって気づくことができた。
これらを心から理解していたら、もっと自分も営業成績残せたことだろう。

科学しにくい所作の積み重ねで、人の心を動かしていく。
まさにアートであり、それができる人間の価値は、AI時代になっても、変わらないか、むしろ上がっていくものなのでは。

営業成績を伸ばしたいと思ったら、
他社の営業を受けてみるのもおすすめである。

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