見出し画像

イン・トランジット

今朝はマンションの前をがががががごごとトリックを次々にキメながら駆け抜けていくスケボー少年たちのでかい笑い声で5時に飛び起きた。日曜の早朝にいい度胸してるじゃないかと腹を立てたが、あっさりと二度寝を決め込んでからはもうどんなふうに怒っていたか忘れてしまった。行儀のいいことばかりじゃ仕方ないもんなって笑ってやれ。不寛容が社会を殺すなら寛容さは治安を乱すだろうか? 少し疲れた。

フジロックの配信はナンバーガールだけ(あと平沢進も見てしまった)どうしても見たくって見た。客席が映るたびに不安になってやっぱりちょっとなと思い、すっきりしない気分で寝る。いらない断絶ばかり起こるけど、それみたことかと黙っていただけのくせに後ろ指をさす人間にはなりたくない。いつだって四方を他人の指に似せた銃口にぐるり囲まれている。お前はだれだ? わたしは、わたしは

接続を切れば静かになる。本を読みたかったがあまり頭にはいらない。2日に一度は頭が痛いし、水耕栽培を実践していた香菜はいつの間に枯れてしまった。最近気に入って買い置きしている、牛乳味のアイスキャンデーをかじると先端が溶け崩れていた。冷凍庫にものを詰めすぎているのかもしれない。

一歩も外に出てはならないという日がいつ来ても生き延びられるように、ことあるごとに水や保存食を買ってきては戸棚に溜め込んでいる。蝋燭やそれを持ち運ぶためのホルダー、サバイバルナイフ、ライター数本、非常用バッテリーも。死にたくないというよりは、生き延びるための行為を実践してみたいんだと思う。この調子じゃ当分そんな日は来なさそうだが。

先週はどしゃ降りのなかをバスで帰ったら楽しかった。視界はいつもこのくらい曖昧でいい気がする。見えすぎるのも困りものだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?