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契約更新とここまでの仕事のついて

4月に転職してから5か月が経とうとしている。そんな折、会社から契約更新の話があった。この会社は入社してからの1年間は、半年ごとの更新という決まりになっている。そのため、半年が経とうとしているこの時期が、契約更新の話があるタイミングである。責任者との話の中での冒頭で、契約をどうするかの問いかけがあり、継続して働いてほしいという要請があった。僕としてはむろん、断る理由もなく当然の成り行きとして契約更新の話を受託した。むしろ、こちらか願い出たくらいである。

今の会社のこの仕事を希望し、応募するにあたって、その書類作成にはかなりの時間と労力を費やした。具体的には、自分はどのような経験を有していて、どういう知識や技術をもっているのか、ということはもちろん、自分はどういう人間(職業人としての志向性)で、これからどういうことをしたいと思っているのか(人間としての自分自身のあり方)みたいなことを表現した。それが一人よがりの文章にならないように、創意工夫と試行錯誤を繰り返し、読み手に伝わるような書類作成を目指した。

そのような努力の甲斐もあって、おかげ様で採用をいただき、今年の4月から勤務するようになった。職種は以前から希望していた、「キャリア支援者」である。その仕事をここまでしてきた中で、いろいろ分かった部分と分からない部分がある。まず、わかってきたこととして、多くの人と何度も面談を繰り返していくうちに見えてきたことがある。それは、「この人はすぐに就職が決まるな」と直感的にわかることである。初回面談で話を聴いた際に、その受け答えや態度、姿勢などを見て、「この人に職を紹介するとすぐに決まるかもしれない」と何となくでも感じることがある。そういう人には、実際に職を紹介し、面接を受けるとすぐに内定がでる。つまり、その人とと話をしたときに、面接を受ける準備のための準備の土台が形成されているということがわかるようになってきた。一方では、何度か話をしても、「この人はまだ、面接の準備ができていないな」とか「実際に就職してもいろいろ問題が出そうだ」という場合もある。誰もかれも、同じようにみるのではなく、その人の、今の状態がどうなのか、そして応募の準備ができそうか、就職したらできるだけ長くその仕事に定着できるか、ということが少しずつでも見えてきた。そのようなことが分かってきたことは、自分にとって大きな収穫である。

他方、この仕事をするようになって分からないことが分かってきた。それは、人の話を聴く中でその話の内容はもちろん、その人が今、置かれている状況や感情、これからどうしたいのかということに共感し、理解を示すことはできそうである。しかし、それが、すべて正しいかと言えばそうとは言いっ切れない。要するに、その人特有の認知の歪みみたいなものがあるからだ。そのようなことをどのように相手に示し、どう理解を促していけばいいのか、それに伴っていかにして、その人自身が主体的に能動的に物事に取り組めるようにできるか、ということがまだ完全には理解できていない。つまり、キャリアカウンセリングでの受容や共感ということはできるが、キャリアコンサルティングでの働きかけの部分、すなわち、判断と意思決定の部分での支援がまだ十分にできていない自分なりの印象である。

まあ、それでも現職についてからまだ半年も経っていない。そんなにすぐに、そのようなことができるようになる簡単な仕事ではない。一朝一夕の単純な仕事ではないことは百も承知である。これからさらに、努力を継続していくしかない。

さて、先述の契約の話の際に、責任者から言われたことがある。僕がこの仕事を志向するようになったのは、簡単に言えば心理学を学ぶ中で、多くの人が何かしらの悩みや葛藤を抱いていること。それを多くの人が解決できる術を有していないことが分かったことで、そのような人の手助けをしたいと思うようになったことである。すなわち、多くの困っている人に対して、自分の経験はもちろん、自分がもっている知見や技術を、その困っている多くの人のために活用したいという志向からである。それを応募書類に記した。その書類を見た責任者は、「資格をもっていてもそれを使いたいと思わない人がいる。そのなかで、その資格や知見を困っている人のために活用したいという人にはぜひ、私たちの会社で働いてもらいたいと思った」と話された。僕はそれを聞いて、自分のやってきたことは間違っていなかった、今までの努力が報われたと思った。仕事は自分のためであるのは当然である。自分のためであるその仕事が、誰かのためになるということをこれからも肝に銘じて努力を続けていきたい。

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