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コツは「がんばらない」。食事が整う5つのコツー『整う食事』無料公開Part2

自粛明けでの出勤・登校や、リモートへの切り替えなどなど…コロナによるライフスタイルの変化で、生活リズムがつかめず食生活が乱れがち。。そんな方にお勧めしたいのが「スモールステップ食習慣」「たんぱく質リッチ」という食事法です。
 書籍「整う食事 たんぱく質リッチでムダ食い・肥えグセ・不安が消える!」の内容から数回にわたり、無理なく食事を整えるコツをお伝えします。無料公開Part2! Part1はこちらです。

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一生モノのブレない軸を手に入れよう

 お気に入りの洋服やお気に入りのメイクグッズ……あなたにとって様々なお気に入りの〇〇があるように、食事を整えるにも、「お気に入りの習慣」を増やしていくことが大切です。
 このスモールステップ食習慣は「誰かが決めた食事法に縛られず、窮屈な習慣は全部手放して、私の食事のスタイルは私が見つけて私が選ぶ」という想いのもと、生まれたメソッドです。
 順番通りにやる必要も、全部やる必要もありません。完璧主義がもっとも危険です。自分にとって心地よく、続けられそうな項目から取り入れてみましょう。
 痩せたい、不調を治したいという思いが強いと、あれもこれも、もっともっと、と頑張りすぎて、息切れをしたり、目的を見失うリスクも。頑張った経験は絶対無駄になりませんが、やみくもに繰り返すと自分を傷つけかねません。
 かつての私も、完璧にやりたいのにできないことに失望し、傷ついて、自分を責めてばかりいました。
 同じような悩みをもちながらも、忙しくてなかなか食生活
を変えられない……そんなかたでも「これならできる!」「やってみたい!」と実践できる内容が、このメソッドの土台になっています。

 1、2回で変化を感じなくても、3回、5回、10回と続けて習慣にすることで、確かな変化を感じるはずです。
 このメソッドの一番のメリットは、自分の中にブレない軸ができること。
 スモールステップを踏むことで、この先の変化にも柔軟に対応できるチカラも養われます。仕事の繁忙期や旅行中、体調を崩したときなど、いつもと違うものを食べることがありますよね。一時的に食生活が変わっても立て直せるスキルがつくのです。
 そのスキルは、あなたとあなたの大切な人を一生守ってくれる大きな支えになるでしょう。

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スモールステップ食習慣

今回は5つあるうちの①についてご紹介します。

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隠れ栄養不足を解消

 不調解消や体型コントロールには「隠れ栄養不足」の改善が欠かせません。
 まずは、今の食生活の「栄養の質を上げる」ために、次の5つのスモールステップ食習慣からできることを見つけましょう。外食、自炊どちらでも取り入れられる項目ばかりです。
「これならすぐできる!」という小さなアクションを、ひとつからでいいので始めてみてください。できることが徐々に増えていくはずです。

1.タンパク質リッチを心がける

 まず意識したい栄養素が「たんぱく質」。肉、魚、卵、大豆(納豆・豆腐・豆)、乳製品などのたんぱく質食材を、毎食手のひら一枚分とりましょう。これだけで自然と食生活が整います。ここでは簡単に、朝、昼、夜にできるコツをお伝えします。

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●朝食
・ 朝食の習慣があれば「手のひら一枚分」を目安にたんぱく質食材を追加しましょう。
・ 忙しくて朝食を抜いている人は、ゆで卵、ヨーグルトやチーズ、牛乳や豆乳などのたんぱく質食材一品から始めてみてください。

●昼食
・ 外食、自炊どちらでも、次のポイントでたんぱく質リッチなメニューを意識しましょう。
 □ 肉や魚などメインとなるメニューを選ぶ。
 □ サンドイッチならチキンやハム、ツナ入りを。
 □ おにぎりなら鮭やツナ、じゃこを。
 □ 卵スープや豆腐の味噌汁、豚汁などを付ければなおよし。
 □ うどんやパスタの場合は肉や魚介、卵が入っているものを選ぶ。

●夕食
・ メインは肉や魚にする。それにごはん、汁物、野菜の一品(おひたし、サラダなど)。これがベストスタイルですが、もう少し手を抜きたいときは、おかずとごはんが合わさった丼物や具だくさんの汁物、野菜の一品など調理不要なトマトやパプリカや水菜などの緑黄色野菜にしてもOK。手抜きをしても、栄養価は下がりません。外食や飲み会でもたんぱく質リッチは簡単に取り入れられます。

2.1食のごはんの量は握りこぶしひとつ分

 糖質オフが流行った影響か、ごはん=炭水化物=太ると思われがちです。
 しかし、糖質は3大栄養素のひとつ、かつ代表的なエネルギー源。「糖質はたんぱく質と合わせてとることで、体内の筋肉合成を促す」ということを証明する論文もあります。
 なかでも、ごはんはとても良質な糖質。適正量をおいしくとれば、筋肉や腸内環境を守ることができます。
 1食の適正量は、軽く握ったこぶしひとつ分を目安にしてください。女性の場合は150〜180グラムほどになります。
 ちなみにコンビニのおにぎりはひとつだいたい100グラムです。1日3回に分けてとるのが理想ですが、1日単位で考えても構いません。
 ランチがコンビニおにぎりの場合、おかずがたんぱく質リッチであればおにぎりはひとつでOK。おにぎりだけの場合は、たんぱく質の具を選んで、2個食べてもOKです。
 夕飯が遅いときは、ごはんの量を減らすか、思い切ってごはんは食べず、あっさりしたおかずだけにしましょう。寝る間際にたくさん食べると、胃腸の負担になり、いい睡眠がとれません。
 夕飯が遅くなる日は、あらかじめ朝と昼で多めにごはんを食べておく、あるいは、翌日の朝食のごはんを多めにする、など工夫するといいでしょう。
 くれぐれも神経質になりすぎないように。たまの外食では心のままに楽しんで、翌日控えるなど調整すれば大丈夫です。

3.プラスワン食材で食事の質を上げる

 たんぱく質に次いで意識しないと不足しやすいのが海藻、きのこ、根菜、旬の野菜の4つ。特に外食が多い人は、より不足しがちなので「プラスワン」することを心がけましょう。
 外食では旬の野菜を使ったメニューを選んでみる。
 サラダを買うなら海藻やきのこ、根菜が入っているものを選ぶ。
 味噌汁にカットわかめを入れる。
 しらすなどの小魚や缶詰、鮭フレークを常備してごはんやサラダ、あえものにプラスする。
 これだけでずいぶんバランスがよくなります。

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4.おやつを味方にする

 「間食は太るのでは?」と気になる人もいるかもしれませんが、大丈夫。
 おやつは食事でとりきれない栄養素を補う役割があり、栄養不足の解消にはむしろ味方になってくれます。消化器官が未発達の幼児期には、10時と15時の2回のおやつタイムがあります。これは必要な栄養素を3回の食事でカバーできないから。大人である私たちも、おやつから栄養を補えばいいのです。
 大切なのは、量と質。そこさえ気をつければ、隠れ栄養不足が解消されて、太りにくく、疲れにくいカラダに変わっていきます。
 同じカロリーでも、その栄養の質を意識しましょう。

● ナッツ
 とくに栄養価が高いのがアーモンド。含まれる栄養素の量と種類はナッツの中でもダントツで、ビタミンEや食物繊維
が豊富。カルシウムをとれる小魚アーモンドもいいですね。
 クルミは体内で生成できない必須脂肪酸のαリノレン酸を、カシューナッツはビタミンB1や亜鉛を多く含みます。
 ということで、多種類の栄養素をとれるミックスナッツがベスト。一回の目安量は、片手一握りで約30グラム(約180カロリー)。

基本的には油不使用の素焼きで無塩タイプがおすすめです。発汗量の多い夏や運動後には、塩つきがいいでしょう。
 ナッツは酸化すると含まれている油分が劣化するので、保存する際はきちんと密閉してください。湿気ると、味も風味も落ちるのでおいしく食べられません。チャックつきや小分けパックを選びましょう。

● チーズ、無糖ヨーグルト 
 たんぱく質やカルシウムが豊富で、メンタルや眠りを整えるホルモンの材料となるアミノ酸が豊富です。

● フルーツ
 ビタミンやミネラル、食物繊維などを摂取できます。
 旬のものを選べば、その季節に必要な栄養を補えます。皮も食べられる果物は、よく洗ってから皮ごと食べるのがおすすめです。
 砂糖不使用で無添加のドライフルーツやフルーツをトッピングした無糖ヨーグルトなどもいいでしょう。

● プリンもOK!
 砂糖が入っていますが、主な材料は牛乳と卵なので、たんぱく質を補えます。裏面の原材料表示を見て、シンプルな材料のものを選びましょう。

● シャーベットよりアイスクリームを選ぶ 
 脂質はアイスクリームのほうが多いのですが、たんぱく質リッチと血糖値の急上昇を防ぐという意味では、シャーベットよりおすすめです。
 シャーベットの材料は水と砂糖で、食べると血糖値が急上昇します。一方で、アイスクリームはたんぱく質が入っているため、急上昇しにくいのです。
 ヘルシーにしたいときは、無糖ヨーグルトとバニラアイスをミックスしてもおいしいですよ。

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著者
豊永彩子 
米国NTI 認定栄養コンサルタント。
管理栄養士としての10 年以上のキャリアを通し、個別カウンセリング、セミナーなどこれまでに1,000 名以上の女性のサポートを行う。働く女性への実態調査・研究に携わりながら、個別カウンセリングやセミナー、オンラインサロン運営も手がける。自身の大幅な体質改善をきっかけに、食習慣は根底にあるその人の「体質」はもちろん「思考や性格」が 影響していることに気づき、ホリスティック栄養学・食行動学理論・思考と脳のメカニズムなどの必要性を痛感。日々頑張る女性が自身の可能性を引き出し、輝くためのノウハウとして「スモールステップ食習慣」を考案。過度なダイエットやストイックな食生活を手放し、生涯食生活を楽しみ大切な人を守れるスキルを身につけられるよう食・栄養・身体のメカニズムなど幅広い視点での提案や指導を行う。フリーの管理栄養士として2018 年より本格的に活動を開始。現在はNHK あさイチ、Tarzan、日本経済新聞等、多数のメディアにも出演・掲載され、健康関連商品のプロデュースや企業向けセミナー・栄養指導研修など活動の幅は多岐に渡る。
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本書イラスト・Sara Gally
本書ライティング・茅島奈緒美


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