起業の準備が整うギリギリまで、会社を辞めずに粘るメリット

 起業には勢いが大事だ。何も決めずにえいやっと始める起業もあるし、それで成功してきた人もたくさんいる。しかし、もし今あなたが会社勤めで、もし状況が許すのであれば、はやる気持ちをグッと抑え、「もう限界、これ以上は絶対に無理」というまさに起業前夜のところまで、今の会社に残り続ける選択をおすすめしたい。会社に在籍しながら、ギリギリまで起業に必要な準備を終えておくのである。

 事業モデルにもよるが、起業した直後〜半年くらいまでは、満足な売上や収入を得られないことも多い。その期間くらいはしのげるキャッシュを事前に用意していたとしても、お金が減っていく一方という状況は、精神的にとてもキツいものがある。また、会社をやめると、それまで普通に使えていたものが使えなくなる。会社のブランド、オフィスの設備や備品類、様々な人へのアクセス... 辞める前と、辞めた後ではまさにガラッと世界が変わってしまうのだ。

 だから、使えるものは、まだ前の会社に在職中に使いながら進められる方がいい。もちろん常識の範囲で、会社にも迷惑をかけないやり方でだ。しっかり仕事もやりきり、会社に最後まで貢献して利益をもたらすという前提で。安定的に給与が入ってくるというのも非常に大きい。会社に勤め続けるぶん時間は大きく取られるが、起業後にキャッシュフロー維持のため下請け的な仕事をするよりは、時間単価の効率が良いことも多い。


 会社に在職していても、起業の準備については実にいろいろなことができる。事業プランの作成のみならず、プロダクトのプロトタイプ作り、Webサイト構築、SNSなどを使った見込み客の獲得、営業リスト作成、投資家探しとプレゼンテーション、信頼できる仲間集め...  立ち上げ準備を完璧にこなし、 会社を退職したまさに翌日から、事業が一気に動き出すというのが究極の理想形だ。

 早く自由の身になってバリバリやってみたいという気持ちはあるだろう。まさにそれこそが、起業の大きな動機であることも多い。しかし、ここで、単なる勢いにまかせず、戦略的に自分の行動をコントロールできる人が、その後の起業でも成功することが多い。

 朝の時間、夜の時間、週末... 工夫すれば、時間はかなり作れる。自己のタイムマネジメントは、起業後の重要な要素でもある。この期間を、計画通り、理想通りに戦略的なやり方で進めることが、起業の成功への、まさに第一歩であるといえるだろう。


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