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「zoom疲れ」とは? 〜なぜオンライン会議はこんなに疲れるのか〜

 オンライン会議だと自宅からだし、出席する負担も軽いはず...と考えてたら、「待てよ。なんかこっちの方がはるかに疲れる??」と思ったことはないだろうか。2本、3本と連続でこなそうものなら、疲労がピークに達する場合もあるほどだ。

 そう感じた人、その感覚はたぶん間違っていない。日本よりもはるかにリモートへの移行度が高い欧米諸国でも、実はそういう声はかなり出始めて、研究も進んでいる。

 ではなぜオンライン会議は、リアルの会議に比べてもこれほどに精神力を必要とし、私たちの体力を奪っていくのだろうか? 以下、順に原因を探っていきたい。

 

 まず、「物理的な移動や時間の空白がないこと」が大きい。

 30分、60分単位でミーティングを詰めてスケジューリングしてる場合でも、リアルのミーティングであれば移動、片付け、次のセッティングなどで何だかんだとバッファの時間がある。その際、次の会議室へと歩いて移動することも多いし、片付けなどで実はかなり体も動かしている。

 しかし、オンラインのミーティングでは、いくら連続してようがもうずっと椅子に座りっぱなしだ。律儀な人が集まるほどスタートも0分からきっかり始まったりするし、終わりも、終了時間までめいっぱい使うことも多い。次の会議への移動がないので、◯時59分までとか、ギリギリまで話ができてしまったりするのだ

 このスキマ時間や余裕時間のなさが、リアルであれば普通にあるはずの、リフレッシュや切り替えの機会を奪ってしまう


 次に、「個別作業でもミーティングでも、ずっと同じ姿勢でPCに向かう」状態になってるということも大きい。

 オフィスワークではPCでの作業と会議を交互にこなしていたような人は、自分の姿勢や座る場所を、仕事の切れ目といういいタイミングで変えることができていた。しかしリモートワークでは、作業も会議もずっと同じ場所、机に向かうずっと同じ姿勢だ。これだと当然ながら運動不足にもなるし、肩もこってしょうがない。

 しかも、普段はあまり意識していなかったはずだが、リアルの会議中というのは参加者は意外にいろんな動作をしている。ホワイトボードに板書、椅子をくるりと別の方向に向ける、顔をあげて全体を見るのとPCヘ向かう動作の繰り返し... それらの動作が、実は知らないうちにリフレッシュ効果を生んでいる。

 しかしオンライン会議では、「カメラにいい位置で映らねば」という意識(強迫観念?)から、ずっと同じ姿勢で固まったままになりがちだ。オンラインでのセッションを一つ終えるたびに、強烈に背中がこわばっているという経験はないだろうか?


 そして、さらに大きいのは、会議中は「全参加者分の個別ウインドウ」と対峙することになる状況だ。

 通常の会議であれば、たとえば10人くらい出席してたとしても、自分がしゃべっている時は他の参加者は「その他大勢」という感覚で一括りにできる。人々の顔は見えるが、個々の表情にまでそんなに意識を向けない。全体の「空気感」さえ、ひとまとめでつかんでいればだいたいは問題ない

 しかし、zoomで見える「たくさんの顔」と向き合うと、一人一人の表情や動作が非常に気になるという事態が発生する。あちこちにの顔に目を向けることになるし、さらに、資料の画面も見ながらになるので、視覚情報が多すぎてパンクしてしまう。

 大げさにいうと、人類の長い歴史の中でも、こういった形のコミュニケーションに、人間は慣れていないともいえる。本能的な限界、そのキャパシティを超えることを、無理やりやってるのかもしれないのだ。


 だから、もしあなたが上記のように、オンライン会議に疲れていると自覚しているのであれば、大きな発想の転換が必要だ。


 例えば、ミーティング時間は60分めいっぱい前提という設定はやめて、「ミーティング時間は50分」などと、あらかじめ決めておく。その10分間のブレイクタイムで、軽く体を動かしたりリフレッシュに務める。

 また、必ずしも、常時映像をONにしておく必要もないと思う。海外も交えて複数人で電話会議をする、というのは例えば外資などには昔から良くある習慣だが、映像は使わないことも多い。音声だけでも十分にコミュニケーションはできる。

 映像というツールが使えるからついつい表情も見たくなり、「映像はONにしてね」という全体の暗黙の了解や圧力(?)を感じるときもあるが、実務的な打ち合わせなどでは、顔よりも資料に目線を集中させた方がはるかに効率的なこともある。会議が続いた場合、たとえば「今回は映像OFFでいこう」と、リーダーが声をかけてもいいのではないか。


 リモートワークに体が慣れてないうちは、いろいろ大変なことも多い。家にいるからといって、決して楽ではないのだ。

 充実したリモートライフを送るためにも、気づいたことがあればいろいろと工夫していきたい。

 

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