録画しなかったことを後悔するほどの作品に出会えた幸福

毎週録画しているドラマ『海のはじまり』の特別編が放送された。

正直、ここ何話かはリアルタイムで観えていなかったので、録画も溜まっていた。

そんな中放送された特別編。これが、想像以上に最高だった。。。

―――恋のおしまい。

おしまいってそういう意味の終わりか、と観れば心が切なく、なのにどこか甘酸っぱい、そんな作品だった。

シングルマザーゆえの、次の恋に進むことを躊躇してしまう状況と感情をあれほどにありのまま、そしてドラマチックに描いた作品を今まで見たことがあっただろうか。

もちろん私は同じ立場ではないけど、まったく違う状況で、似たような感情を抱いたことがあった。

まさに、これ以上進むと自分自身がつらくなるのを分かっているから踏みとどまりたいというあの感情だ。

❝次の恋があるおしまい❞と、❝もう次はないおしまい❞。どちら側もが描かれていて、さらに切なかった。

それと、100均のマニキュアを描写に使っていたのが妙にリアルで、個人的には大好きだったなぁ

たしかに、気合いを入れたいときは足先まで気にしてしまうものかも。

オシャレって案外、お金をそんなに掛けなくてもできる時代はきてる、たぶん。

「あの人のためにこれをしてあげたい」
そう思えたらそれはもう恋なのか、とこれまでの人生を軽く振り返りそうにもなった。

そして観終えた瞬間にふと思ったのは、
オトナになるのは残酷だけど、そんな感情すら、人間らしくて悪くはないのかもということ。

そんな風に思わせてくれてしまうドラマって、やっぱりスゴい。

なにより、この特別編が入ることで、今後視聴者がより感情移入できること間違いなしで、本当に神回なのではと感心してしまった。

「私、この作品くり返し観たい…！」

そう、思ったのに。

まさかの録画できていなかった。。。

これまでの回は全てできているのに、、なぜ？よりによって？！

ショックはかなりデカかった。

というのも、私は無類のドラマ好きで、ほとんどのドラマを録画し、好きすぎて消せない作品はDVDにダビングしてファイリング、保管しているからである。

かなり落ち込んだけど、でも、久しぶりにこの感情になったような気がした。

くり返し観たいと思えるような作品に出会った、
つまりはそれだけ自分の心が動かされた瞬間があったということ。
これってとても幸せなことだ。

もうダビングはできないけど、この時抱いた私の感情だって同じものは二度とないはず。
だからこうして、残しておこう。

（完）