見出し画像

最近は面白い記事がなかったので、あまり書いていなかったがちょっと気になる記事を見つけたので、久々に書いてみようと思いました。

協調型ロボットは人の作業の近くで一緒に作業をするロボットですが、思ったほど使えない事や価格が高いことなどもあり、普及がいまいちな状況だった。

しかし、コロナの影響で人との間を開ける事が義務付けられてきていることもあり、再び脚光を浴びだしているのも事実。


過度な導入が原因?

さて、気になる記事はAmazonで効率化のために導入を加速している協調型ロボットで事故が多発しているちことだ。

ちょっと詳細を見ていこう。

Amazonに言わせると、事故の報国を徹底させたからだと言うが、もし本当だったら今までも多くの事故が発生していたにも関わらず闇に葬っていたということになるが本当だろうか?

倉庫によっても状況は違うようであるが、2019年の作業者100人当りの事故件数は7.7件にも上っており、2016年対比で33%の増加になっているそうだ。

単純に年間10%増加していることになる。

更には特定倉庫ではこの5倍に当たる22件もの事故が発生しているらしい。

これは結構な事故発生率で、労働基準監督署は何も言わないのだろうか?と疑問に思う。

そもそもAmazonは2016年に8億ドル弱を投資してキバシステムを買収してアマゾンロボティクスに名称変更し、本格的なロボットの導入を開始。

現在20万台が稼働しているようだ。

1つの企業で20万台とは恐れ入る数値だと思う。

日本とは桁違いだね。


最大の原因はリスクアセスの問題ではないかな?

さてこれほどのロボットを導入しているAmazonですが、基本的には作業者の近くで作業を行う協調型ロボットが多いようだ。

しかも、記事によるとなかなか複雑で人間工学的にもあっていないような動作をさせているのではないかとなっている。

しかし、真の原因はそこではないと自分は考える。

大手企業ですからしっかりできていると思いがちですが、大企業になるほど意外と末端では徹底されていないことも多い。

自分が考えるには、協調型ロボットが原因で事故が発生するとなった場合、一番最初に疑うのはリスクアセスメント評価がちゃんとできているかと言うことですね。

産業用ロボットの場合には、危険防止のために柵で囲いますが協調型ロボットの場合には基本柵で囲いません。それは、協調型であるために最大の特徴を失ってしまうからです。


しかし、だからといって何もしなくても良いのか?

実際いは想定される課題やリスクを事前に検証して、人との背職が懸念される場合には対策を実施しなければいけない。仮に予測されなくても万が一に備えて予防はしなければいけない。

このリスクアセスメントを実施し、作業現場のリスクを排除し運用していくのがリスクマネージメントだ。

このリスクアセスメントにしてもリスクマネージメントにしても、その現場を預かる管理者の意識によって大きく左右される。

もし仮に管理者が、口頭指示だけで守れないのは作業者が悪いと判断してしまったら、何も対策をしないことになってしまう。

協調型ロボットでも殴られればかなり痛く、場合によっては大怪我になってします。

よくテレビなどでアメリカの作業現場のドラマとかを見ると、経営者が無駄なお金をかけたくないので、管理者任せになっている場合をよく見かける。

当然、任された管理者はめんどくさいから作業者に注意を促すだけで確実な物理的な対策などしない。

経営者と労働者の立場で、契約で成り立っているのでそういうものかもしれないが、あまりにも労働者が不利なように感じる場面も多い。

実際の社会とドラマの世界とは違うと思うが、このAmazonの事故原因を予測するとこのようにドラマのような事が起きているのではないかと予測されてもしかたがないだろう。

結局の所、作業者を守るのはリスクアセスメントとリスクマネージメントであり、経営者の義務でもある。これがしっかりできていないと、起こるべきして事故は起こると思われる。

Amazonの問題は、労働災害に対する意思の問題が事故発生に対して一番多いように感じる。

協調型ロボットだから安全だ、そんな考えは捨て共同で作業をする場合には、どんなリスクが潜んでいるのか徹底的に洗い出しをして対策をするべきだ。

人の命に関わる問題を発生させれば、企業生命を絶たれないとも限らないと思うのだが、Amazonほどの大企業になると関係ないのかな?

ロボットを操る人は、絶対にリスクアセスメントを怠ってはいけない。


じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。