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ジーンズ離れの時代だからこそ、ブランドとしてやるべきこと

〇〇離れを牽引するのはいつだって若者だ。「タバコ離れ」「車離れ」「活字離れ」などなど。若者からの反論として、「こういう話は基本的に若者に限った話ではなく、社会全体の風潮が変わったためだ」という意見もあるみたいだが、基本的に若者は標的にされやすく、前時代的だと感じるものから離れていくように思われている。

ただ、「最近の若者は…」というフレーズはもはや使い古されていて、その言葉を発することはもはやちょっと恥ずかしい。(そのフレーズを使うほとんどケースが、年齢による違いというよりは、個人の趣向の違いであることが多い気がする)が、ジェネレーションギャップはたしかにあるように思えるし、自分よりも若い人の言動を理解できない時は、わかりやすく性別とか年齢とかのレッテルを貼り付けて、「最近の若者は…」と一括りにした方が楽ではあるっていうこともわかる。 

どうやら「最近の若者」はジーンズからも離れていっているらしい。

若者のジーンズ離れの理由は? 売り上げが20年前の半分まで低迷する店も(AERA 2019/11/10)
ライトオンを苦しめる「若者のジーンズ離れ」(PRESIDENT 2019/11/5)

記事の主旨としては、ジーンズの量販店の売上高が一時期に比べると大幅に縮小しており、販売規模も減っている。その理由としては、ジーンズが低価格になったことや、今の若者のジーンズ離れがあげられている。

ファッションに疎い私は、そもそもジーンズ離れが起きていることなど知らなかったし、「最近の若者はジーンズを履いていないなあ」と思うほど、人の下半身を観察していなかった。

ただ、それほど疎い私でも、「ユニクロ"で"いい」時代から、「ユニクロ"が"いい」時代への変化は体感してきた。モノ消費からコト消費への趣向の変化のど真ん中にいるミレニアル世代の一員だ。そして、ジーンズ以外のボトムスの選択が、いつどこの店でもできることくらいわかる。 

(Photo by Henry & Co. on Unsplash)

ジーンズが売りづらい要素は探せばいくらでも出る。
しかし、そんな"若者がジーンズから離れている"時代に私たちはジーンズを売ろうとしているのだ。

ただ、私たちは「市場規模がこれだけあるから」とか、「今後これだけ伸びることがデータでわかっている」というようなことが理由でブランドを始めていない。単純に代表の祇園が、無類のジーンズ好きで、自分の納得のいく製品を作りたかったからブランドを始めたという理由の方が近い。

そして、その「好き」は、人に伝播していくものだ。
というより「好き」だからこそ、人に広がっていくのかもなあとも思う。 

私を例にとってしまい申し訳ないが、私はファッションひいては、ジーンズなんて全く興味がなかった。服にかけるお金は最小限に減らし、3,980円のジーンズを満足して履いていた。ジーンズの色落ちなど考えたこともなかった。履くたびに洗濯をしていた。国産ジーンズが世界から評価されていることもよく知らなかった。

しかし、代表の祇園と出会ってしまってから、幾度となくジーンズの魅力を熱く語られ、無知な私でも、少しづつ興味を持ち、自分でも調べ始めるようになった。一本のジーンズができるまでの工程や、国産ジーンズの歴史など、そこには自分の全く知らなかった世界があり、魅力にあふれていた。ジーンズの世界の奥深さに足を踏み入れてしまった。

まだまだわかっていない部分や解釈が間違っているところがあることは自覚している。ただし、ジーンズを販売するブランドのメンバーとして、その魅力を伝えたいという気持ちは十分にあるくらいには「好き」に変わった。

こうやって一人の人間をコロッと変えられるほど、「好き」という情熱には人を動かす力がある。だからこそ、ブランドとしてまず最初にやるべきことは、市場規模をはかることや、将来の伸びを予測することではない。

「好き」であることを存分に伝えること。それが私たちがやらないといけないことだと思う。

好きすぎて思わず製品へのこだわりを話しすぎたりだとか、ジーンズの歴史を話してしまうだとか、どんな人々がこの一本のジーンズを作るために集まっているだとか。そういった、誰かに言ってしまいたくなる「好き」な話を、私個人としてもCASSIN RIDGE MAGAZINEで伝えていきたい。

数字だけで見ると、若者はジーンズから離れている。もちろん、市場が追い風になってくれるに越したことはない。ただ一ブランドとして今できることは、もっとシンプルなことだ。それは、お客様一人一人と直接会い、その人たちに自分たちの「好き」を伝えることだ。そして、お客様と手触り感のある接点を持ち、少しでもジーンズやブランドのことを「好き」になってもらうことだ。

前途多難だろうか。

私は自分が変わってしまったからこそ、誰でもそうなってしまうチャンスがあるようにしか思えない。

この記事は国産ジーンズブランドRockwell Japanのブログ、CASSIN RIDGE MAGAZINEに掲載されています。

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Story Teller of Rockwell Japan. (rockwelljapan.com)

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