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物理屋になりたい李徴の夏休み(2日目)

ヘッダーはRichard Feynman。アメリカの理論物理学者。1965年にノーベル物理学賞受賞。業績はQuantum ElectroDynamicsの貢献。朝永振一郎教授やFeynmanの指導教官のシュウィンガー教授とともに受賞した。

自分は今学部2年生なのですが後期課程は進学選択で理学部物理学科にいくつもりで、この夏休みは数学と物理のお勉強をしています。1年の時は工学か化学かで悩んでたぐらいでこの方面に進むつもりは全くなかったので結構穴が多い。というわけで、冒頭で紹介したFeynman教授の『Feynman Lectures on Physics』を読み進めています。この本は一度教養程度の物理学をやってから読むといいと人に言われていて、ちょうど2年の夏がその時期に該当するので読み始めました。力学/特殊相対論/振動波動/熱力学/電磁気学(固体中も含む)/量子力学。と、初等的な内容が全て網羅されています。さすがに三巻全部英語で読破するのは2ヶ月では厳しいので2巻まで終わればいいかな。量子力学はちょうど春からJ.J.サクライの『現代の量子力学』を読み進めているのでFeynmanの3巻はまたいつかの機会に読みたいと思います。

今日は一巻の2章を読みました。多分2時間ちょいで読んだかな?

テーマは物理学の概観というもの。我々が普段住んでいる世界はNewtonの三法則に基づいた規則でおおよそ計算することができる。これは十分凄いことで、天体の運動なんていうのはだいたいこれでなんとか計算できてしまう。しかし、例えば物体の移動速度が光速に近づいた時、Newtonの第二法則は破れることが知られている。というのも、質量というのは止まっているときに測った静止質量と観測者に対して運動をしている物質の質量は違うのだ。特殊相対性原理から自然に導かれる帰結で、重要な概念でもある。他にも、考察対象の物質のスケールが極端に小さい時はNewtonの法則は破綻している。というのも今まで粒子だと思っていたものが波としての性質も発揮するようになるのだ。このように物理学というのは我々の日常から見て極端な方向では旧来の法則が破綻していることがある。詳しい理論は後続の章で語られるが、相対論/量子論/素粒子物理の紹介が行われた。

この章を読んでいて高校時代に持っていた疑問を思い出した。それは、「電子というものは波動的に振る舞っている(つまり位置が確定していない)が、絶対零度まで冷やした場合どうなるのか」というものだ。絶対零度というのは全ての熱振動が止まった状態だと思っていたので当時の自分は疑問に思ったわけだ。これにはミクロな世界で顕になる量子力学が回答する。調和振動子の例を考える。調和振動子はHamiltonianに値してエネルギー固有ケットが存在する。その固有状態には最低エネルギー固有状態が存在するが、計算すればすぐわかるとおり、このときのエネルギー固有値はゼロではない値をとる。つまり、最低エネルギー状態でも運動のエネルギーを持ちうるのだ。よって高校時代の自分への回答としては、絶対零度になっても電子の運動量がゼロになるとは限らない、ということになる。

Feynman物理学は最初の3章はじっくり物理学の導入をするのだが、読んでいてい非常に面白い。今後の章も楽しみながら読みたいと思う。

明日は大学図書館に行くので早めに寝ます。今日は物理の話しかしなかったし時間も遅くて一気に書いたけど、明日はのんびりした話を書こうかな。

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