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軍手の甲灼けて舗装路蝉時雨
作業着の袖拭い電信の蝉
耳聡き蝉横歩き倹々(つまづま)に
背の割れて夜目あらわれり蝉の羽化
蟬声の遠くガラスは白めいて
寝返れば落蟬の腹指の腹
古参道箒目揺れて蟬屍 こさんどう ほうきめゆれて せみかばね
逝く蟬の脱け殻掃いて秋の風
蟬は止みものはものにと鎮みけり
蟬の鳴くはやく大人になる必要
蟬どもはひととしらでや夏木立
足痺れ数珠まわす子や蟬の声
肘かいて蟬聴く夕餉の出来るまで
蟬無常何かをしてしまった顔隠す