フォローしませんか?
シェア
梅雨空を林檎を背中に減込せ __つゆそらをりんごをせなにめりこませ 赤くしてりんごの無罪…
向日葵の首かたくして花の影 私す私の名前発つ烏
露草やすべらす舌と余すもの 露草や忍びの猫の鳴き処 露草や漕ひでいつかの膝枕 露草や重ね…
はたらいて、はたらいてんのに、 なんにもはたらいていないよね 春にくすむ食堂から聞こえて…
桜咲くはじまってもまだいないのに 桜散る写真に撮られた人の今 雲雀鳴くたくさん読んだ午後…
静かにたへてラムネの栓は透けてなほ
割ってしまえばふたつはふたつ落花生 落花生揉まれるだけで剥ける皮 落花生つぶやいてなほ消せぬ実は 落花生味のせぬ実は殻ばかり 落花生摘む手のうちの労働歌 落花生歯軋りと変へらぬ味に
次の咳こらえてひとり除夜の鐘
一を知り二を知らぬ人春となり
そうとのばす手にジと告げて夏の空
むらさきに篠突き薮の紫陽花や
春の夜の爪にならすみ独琴
燕跳ね空に水面の気配かな
ひぐらしや長い廊下に黙す影 ひぐらしや管の底ひの暗みまで