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凪々て電信棒や水田の死
爪先に天道(てんとう)の尻右ひだり
水田行くパラソルひとつ息を呑む
信号は瞬くもなく霹靂神(はたたがみ)
羽蟻を曳摺る前途夏の蟻
灯見る深山の鍬やじいと見る あかりみるみやまのくわやじいとみる
日煩く箇条縺れり5時の汗
汗の谷すべゆる指や蛹肌
ああなんかいい薬でも夏の空
盤目より撥ねてと金や夏畳
鈴虫や灯籠の裡(り)の玉響に
藤色の朝や薬の色にして
服従の美徳の果てや薔薇赤く
汝らと呼ぶは控えの蓮の花