Jiro Shimaya
選挙マニフェスト輪講のやり方

選挙マニフェスト輪講のやり方

Jiro Shimaya

はじめに

理系の大学院生です。マニフェストがわかりにくすぎて読むのが苦痛すぎるという思いから、院生仲間と「選挙マニフェスト輪講」というワークショップを企画、実施してみました。次回以降、同じことをやりたいと思った人がいたときのために、運営目線でやったことをまとめておきたいと思います。

マニフェスト輪講とは

任意の政党を選んで、マニフェストを読み、内容をわかりやすく伝えるスライドを作成、プレゼンし合う企画です。

なぜやろうと思ったか

選挙のたびに思うのですが、マニフェストってなぜかめちゃくちゃわかりにくいです(理系の人にとっては特に)。一方で、普段、難解な論文を読み込んでいる大学院生が本気を出せば読めないことはないはずだし、そのうえ日々の研究活動で培ってきたプレゼン能力を駆使すれば、より分かりやすく伝え直すことができるのではと思いました。そこで、論文発表会をするノリで政策についてプレゼンし合えば、情報収集も効率化するし、自分の考えも整理する機会になって良いだろうと考えました。

また、政治の仕組みへの個人的な興味もありました。普段あまり意識しませんが、日本という1億人超の集団が、国家としてそれなりにまとまりつつ存続できていることって、すごいことだと思います。僕は、100人規模のイベントを主催するのでも大変に感じてしまうので、1億人は想像も付きません。あまりに離れ業なので、どうやってるのか普通に興味がわきます。きっと頭のいい人がめちゃくちゃ工夫をこらしてようやく実現できているに違いありません(煽っているわけではなく)。いったいどんな工夫がこなされているのか、政治家のアイデアが詰まったマニフェストをきちんと読めば分かるのでは?と思ったことが個人的な動機です。

開催までの流れ

以下では同じようなことをやりたいと思った人向けに運営目線でやったことをまとめておきます。2019年7月21日の参議院選挙での事例です。

スケジュール感は下記のような感じでした。

7月8日(月):朝に院生仲間slackに呼びかけ、夜に専用チャンネルを作成し日程、担当政党希望のアンケート
7月11日(木):アンケート締切&日程、担当政党決定
7月17日(水):発表会

参加者の呼びかけ

企画要旨、動機、開催予定時期、参加するメリット・デメリットなどをまとめた文章を院生仲間が集まっているチャットアプリ(slack)に投稿し、参加者を呼びかけました。こちらのツイートに添付している画像の文章をほぼそのまま投稿した感じです。

参加者が5人くらい集まった段階で専用のチャンネル(LINEでいうグループ的なもの)を作って、以降はそこで情報共有をしていきました。

日程および担当政党ぎめ

参加希望者に参加可能な日程と担当したい政党のアンケートを取りました。聴講のみの参加も可としました。アンケートには調整さんを使いました。担当政党は特に希望がない人も多いと思ったので、「どれでもいい」の項目を設けておきました。実際、一人を除いてみんな「どれでもいい」でした。3日間くらいでアンケートを締め切り、日程と政党を決定しました。

政党を割り振るときの優先度は、特定の政党を希望した人にはその政党を、希望なしの人には主要政党7つの中から1つか2つ割り振りました。確認団体(れいわ新選組とかNHKとか)は、個人的に興味があったので、1人担当者を指名してまとめて発表してもらいました。

マニフェストはこのページからたどって参照してもらうようにしました。

発表内容について

発表内容については、基本は担当者にお任せとしました。どうまとめたらよいかわからない人には、このページの表に倣って「増税・経済」「年金」「憲法」「外交・安保」の4つの観点でまとめればよいと伝えました。また、取っ掛かりとして、同表をみて営者が疑問に感じたことをスプレッドシートにまとめて共有しておきました。発表時間は1つの政党につき、10分程度を目安としました。

発表会までの情報共有

発表会当日までに1人で学べるところは学んどいてもらうため、専用チャンネルに有益そうな情報を見つけるたび、共有しました。例えば質問に答えるだけで自分に合う政党を提案してくれる政党診断政見放送のyoutubeリンク日程表国の支出に関する統計表などを共有しました。また院生仲間のひとりが政治情報を分かりやすくまとめているサービスを教えてくれました。

発表会

参加者8名(全員理系)、うち発表者5人、聴講のみが3人でした。かかった時間は2時間半くらいでした。

運営から企画要旨について改めて3分くらいで説明し、その後、各担当者から発表を行いました。ビデオ撮影は、撮られたくないという方が複数いたので、しませんでした。

発表のしかたは人によって違ったのですが、参考に僕のスライドを載せておきます。クオリティは低いのですが、このくらいでもまあそれなりに議論にはなったということでハードルを下げるためのものだと思って見てください。政治については素人なので、正しさは一切保証できません。

やりおわったあとに思ったことですが、聴衆がある程度予習済みで、質問能力のある人たちであれば、スライドは各政党につき1枚とかでもよかった気がします。準備も楽ですし、発表は短めにして議論に時間を回したほうが、効率がいいです。

やった感想

費やした労力との費用対効果で考えて、やってよかったと思えました。普通に10個近くある政党のマニフェスト全てに目を通すのは大変なので、その情報収集が効率化するだけでもやった価値がありましたし、議論を通じて自分以外の政策に関する視点やマニフェストの背景にある政党の思想などについて考えを深めることもできました。他の参加者も勉強になってよかったと言っていました。

背景知識がないと答えようのない疑問が頻発するので、深い議論をしようと思ったら、政治に詳しい人を1人は参加させたほうがよいかもしれません。ただ、そういう人がいなくても、少なくとも情報収集の効率化にはなります。

対象とする参加者層・発表者層は今回は大学院生でしたが学部生や高校生でも問題なくできると思います。小中学生だと難易度は上がりますが、大人がサポートしつつでもやってみたらいろいろ学びがある気がします。

おわりに

思いつきのわりには、参加者に恵まれたこともあって、悪くない企画になったと感じています。特に普段あまり政治の話をする機会に恵まれていないと思う人は、次回の選挙のときにでも仲間を誘ってやってみたらいかがでしょうか?


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Jiro Shimaya
コミュニケーションロボットの研究をしている大学院生です