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【ためし読み版】世界一楽しい決算書の読み方 〜損益計算書編(P/L)〜



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はじめましての人も、既にお知り合いの方も

こんにちは!

普段Twitterで「日本人全員が財務諸表を読める世界をつくる」を目標に、
#会計クイズを発信している大手町のランダムウォーカーです。

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2020年3月28日(土)に、KADOKAWAさんから初の書籍を出版しました!

(皆さんいつもお付き合い頂き本当にありがとうございます!)


発売開始14週目でなんと6万部突破!
本当にありがとうございます!!!!!!!!

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さて、

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この記事は書籍の内容の一部を公開したものです。

従来の会計、決算書の本と全く異なります。

ぜひ、その世界観を知っていただけると幸いです!!



今回は、本の Chapter 2 から

・損益計算書ってどんなもの?
・損益計算書の会計クイズ(本番)

の部分を公開しようと思います!

特に後半の会計クイズの部分がこの本のメインパートになるので、ぜひ挑戦してみてください!

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ーーーーーー以下、本文ーーーーーー

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書籍「世界一楽しい決算書の読み方」に掲載されている

Chapter2「損益計算書パート」についての内容紹介です!

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構成は大きく分けて

①損益計算書の基本紹介(Theme 0)

②損益計算書の会計クイズ(Theme 1~3)


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既に損益計算書について知識のある方は、いきなりTheme 1以降の会計クイズに飛んでください!


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様々なバックグラウンドの参加者達が、それぞれ異なる視点で会計クイズを考えていくので、一緒に考えてみてください!


0.Theme 0 損益計算書ってなんだろう

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この章では損益計算書(P/L)を説明します。

まずは問題から見ていきましょう!


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 答えは、このテーマ0の最後で紹介しましょう。

 このテーマを読み終えた人ならわかる問題になっていますので、最後に答え合わせをする際には、最初にこの問題を見たときの、自分の考えと照らし合わせてみると面白いかもしれません。

では、損益計算書(P/L)を見ていきましょう!


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 そもそも、損益計算書とは何なのでしょうか。


① 簡単に言うとどんなもの?

「企業の1年間の活動の中で、いくら売り上げて、いくら費用がかかったのか、そしてその結果、いくら利益が出たのかを記録したもの」

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 P/Lとは何かと問われれば、ずばりこれです。

 「ぶっちゃけ今年、この企業は儲かったの?」という企業の成績表を見ることができるものです。

 こうした「儲かったかどうかに関する情報(「経営成績」といいます)」をまとめたものが、損益計算書なんです。


② 損益計算書=P/L

 損益計算書は、英語だと「プロフィット&ロス・ステートメント(Profit & Loss Statement)」といい、日本でもこの頭文字を取って「P/L」と呼ばれることが多いです。

 Profitは利益、Lossは損失、Statementは計算書。英語でもそのままの意味ですね。
 このP/Lという表現も、B/S同様多くの場面で使われます。


③ 項目によって、左右にグループを分ける

 P/Lでは、左側(借方)に「費用」をまとめ、右側(貸方)には、収益をまとめます。ここでの「収益」は、売上と置き換えて理解してください。


④ 借方と貸方は一致する

 費用の合計額と、収益の合計額には差が生じますが、この差は「利益」または「損失」になります。この利益または損失と、収益及び費用を合計することで、借方と貸方が一致するのです。

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<収益の方が大きい場合>

利益が生じているときの計算は以下のようになります。
収益(100)―費用(80)=利益(20)
(借方と貸方が一致)

<費用の方が大きい場合>

損失が生じているときの計算は以下のようになります。
収益(80)―費用(100)=損失(△20)
(借方と貸方が一致)

 これらを図解したのが、上の図ですね。
 では、なんとなくP/Lについてイメージがついたところで、より詳しく見ていきましょう。

P/Lには「費用」「利益」「収益」の3つが記載されるというお話をしました。P/Lの左側(借方)には費用と利益、右側(貸方)には収益を記載するんでしたね。


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1. 収益……企業が1年間に売り上げた金額
2. 費用……従業員の給料や、広告費用など、企業が1年間でかけた費用
3.  利益や損失……収益と費用の差で計算する。この数字を見ることで、その企業が儲かっているかどうかがわかる。

 本書では、収益を青色、費用をオレンジ色、利益を緑色(損失を赤色)で表していきます。

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 それでは、「収益」「費用」「利益」それぞれを詳しく見てみましょう。
 どのような項目が記載されるのか、まずは大まかなP/Lの構成を見てください。

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 費用側と収益側を分解すると、沢山の項目がありますが、忘れないでいただきたいのは、先ほど解説したように、「損益計算書は収益と費用を比べて利益を出しているだけ」ということです。


 損益計算書は①収益、②費用、③利益(損失)の3つの要素で構成されているのがわかりました。

 もし実際の損益計算書を見た時に難しい単語と出会ったとしても、ひるまずに一呼吸おいて「これはどの要素なのか?」を考えてみると迷わずに読み進めることができると思います。

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 もう1点だけ押さえておきたいことがあります。実際の損益計算書上では、利益という単語が沢山出てきますが、それぞれ意味が異なるため、ここからは「各利益の意味」を順に追いながら、P/Lの全体像を把握していきましょう。


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まずは、1つ目の利益「売上総利益」からです。


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 売上総利益は、売上高から原価を差し引いて算出されます。これは、粗利益や粗利と言うこともあるのですが、「その表現なら聞いたことがある!」という方も多いのではないでしょうか。

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 次に、営業利益を見ていきましょう。一般的によくいわれる「利益」という言葉は、この営業利益を指している場合が多いです。

 営業利益は、売上総利益から販管費(=販売費および一般管理費)を差し引いて算出されます。

 先ほどの売上総利益のみでは、本業そのものが儲かっているのかどうかが完全にはわかりません。なぜなら、商品の原価以外に、販売・管理活動でも一定額の費用が発生しているからです。
 そのため、この費用を含めて利益を計算することで、本業の本当の儲けである営業利益を計算できます。

 販管費は売上総利益を獲得するために、どれだけ企業が努力したのかを表示する項目です。販管費には広告宣伝に使用した費用や、従業員の給料が含まれるため、会社の経営スタンスが垣間見える科目でもあります。

 販管費は様々な種類があるので、少しまとめてみましょう。

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 販管費の中身を見てみると、同じ業種の企業でも広告宣伝費を多くかけている企業もあったり、逆に全くかけていない企業もあったりと、企業ごとの特徴がかなり出るのが、この販管費です。企業を分析する際は、販管費の中身を詳しく見てみると、いろいろな発見があるかもしれません。

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 3つ目は経常利益です。「会社の実力が一番反映される利益」ともいわれています。

 経常利益は、本業で獲得した営業利益に、本業以外で獲得した収益(営業外収益)を加算し、費用(営業外費用)を控除して算出されます。

 たとえば、本業以外で株取引を継続的に行っている会社の場合、株取引により利益を生めば、それは会社の利益に貢献しますが、本業で儲けているわけではありません。
 こういったものがこの営業外収益や費用に計上されます。

 これらは全て、継続的に行われる活動により獲得した利益なので、会社の実力が一番反映される利益といわれます。


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 4つ目は税引前当期純利益を見ていきましょう。
 税引前当期純利益は、特定の期間に発生した全ての事象を加味して算出された利益です。経常利益に、特別損益といった毎期のように発生しない事象(たとえば、火災損失や事業の売却)から発生した利益や損失を加算して算出されます。
 また、この税引前当期純利益から、法人税等の税金コストを控除することで、5つ目の「当期純利益」が算定されます。


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 売上高から、各種の発生した費用を引いていき、最後に当期純利益が残るというイメージです。

 また、各段階で商品の利益(売上総利益)、本業の利益(営業利益)、本業の利益に本業以外の収益や費用を加味した利益(経常利益)、当期に起きた特別な事象も含めた全体の利益(税引前当期純利益)、税金支払い後に純資産に返っていく利益(当期純利益)が見えてくるのです。

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 ここまでの話をまとめてみましょう。

<P/Lとは?>
・収益は、企業が事業を行って生み出した成果が記載される。
・費用は、収益を生み出すために要した努力が記載される。
・利益は、収益―費用で算出される。
・P/Lは、「収益」「費用」「利益」の3つから構成される。
・P/Lは、特定期間における会社の経営成績を表す。また、その成績表から、会社が利益を獲得するために、どのような努力をしたのかを読み取ることができる。

 では、冒頭で出した問題を解いてみましょう。これはどの業種のP/Lでしょうか?

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<ヒント>
・それぞれのビジネスで、どのような原価と販管費が発生するかを考えてみましょう。
・損益計算書の費用は「企業の戦略」が反映されます。たとえば、同じ原価の商品でも単価が高い商品の場合、原価率は下がります。一方、単価が低い場合は原価率が上がります。このように、値付けの仕方によっても原価率は変わります。
・販管費の大きさにも、企業の戦略が反映されます。たとえば、営業を多く雇って販売する戦略を取る企業は「人件費」が大きくなりますし、テレビCMを沢山打つ企業は「広告宣伝費」の項目が大きくなります。




 正解は、②化粧品業です。これは化粧品メーカーの資生堂のP/Lでした(※2017年12月期における資生堂のP/L数値を使用)。

 化粧品は原材料の大部分が水なので、かなり原価が安い一方、新商品が頻繁に出たり、競合商品が多かったりと、広告・マーケティングに力を入れないとなかなか売るのが難しい業種でもあり、必然的にテレビCMやWEB広告にお金をかける企業が多くなります。


 そのため、原価が少なく、販管費が大きくなるという特徴があるのです。




※いよいよ本番!ここから、会計クイズを題材に、実際の損益計算書を見ていきましょう!

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それでは損益計算書の基本を押さえたところでいよいよ本番です。

これから損益計算書の会計クイズを出題するので、ぜひ登場人物と一緒に考えてみてください!
※難易度はどんどん上がっていきます

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1.Theme 1 原価率の数字マジックに騙されるな

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 P/L1問目は、誰もが知る大手小売チェーン3社です。ただ、ここが落とし穴でもあるというのが、今回のテーマです。

 みなさんが普段持っている「企業のイメージ」と「実際のP/L」は、きちんと中身を見てみると全く異なることがあるのです。

 では、見てみましょう!

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<商品から考えてみる>

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<販管費から考える>

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 そう。つまりセブン-イレブンは、モノの販売がメインの収益源ではないんです。セブン-イレブンの収益構造については、次の図をご確認ください。

 正解が②であり、セブン-イレブンの原価率がたった7.7%だということに驚いた方もいるかもしれません。

 損益計算書においては7.7%と表示されますが、もちろん、実際はもっと高い原価率になります。

 なぜこうなるのかというと、セブン-イレブンの売上高には「フランチャイズ(FC)」と「直営店」両方の収入が表示される一方で、原価ついては直営店分しか表示されないからなんです。

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しれっと「フランチャイズ方式」という言葉が出てきましたが、ここでフランチャイズ方式の仕組みを見てください。

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フランチャイズという仕組み自体は、コンビニなどのビジネスでよく見られるものですね。フランチャイズ本部は、加盟店に対して商標や経営のサポートを提供し、その代わりに、加盟店はロイヤリティとして、利益の一部をフランチャイズ本部へ支払います。

 つまり、「加盟店の収益は本部の財務諸表に反映されるが、負担したコストについては反映されない」という形になるのです。

 その結果、コンビニ事業の損益計算書では、利益率は高く(原価率は低く)表示される傾向があるのです。

 では、セブン-イレブンを「直営店のみ」で見た場合の原価率を出し、先ほどの小売業3社で比較してみると、どうなるでしょうか。次図をご覧ください。

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今回出題した3社の原価率を比べると、今度はセブン-イレブンが一番高くなったのがわかります。

「プライベートブランドなどを開発しているし、原価は低くなるんじゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、セブン-イレブンの直営店は来店客に対する販売の機会を増やすため、常におでんやお弁当を満杯にすることが多く、その結果、廃棄品も多く出てしまい、原価がそこまで低くなりません。


 ここで、実際のセブン-イレブンの損益計算書を見てみましょう。

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 お話しした通り、直営店は原価が計上されていますが、フランチャイズは収入のみの表示ですね。

 さらに、直営店の売上高に対して、フランチャイズの収入が7倍程度と大きな差があります。こうなると、直営店とフランチャイズを合算した場合の原価率が低く出るのも頷けます。

 このように、表面的な数字だけを見ると低い原価率で表示されていますが、実際に店舗で販売されている商品の原価が低いかというと、そうではありません。企業のビジネスまで理解しないと、財務諸表を読み切ることができないため、ビジネス面での理解が非常に重要になります。

ちなみに、上場企業で100円均一を営む企業の原価率はどこも60%前後になっていることが多いです。業種ごとに目安となる基準値を覚えておくと、異常な数値が表れた時にすぐに異変に気づくことができるので、意識して覚えておくといいかもしれませんね。



2.Theme 2 P/Lから企業の販売先を特定できる?

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 2問目に見ていくのは喫茶店です。

 同じカフェという業態でも、それぞれ原価も違えば利益の出方も違う……というのがポイントです。

 1問目のセブン-イレブンは、実際にP/Lを見ると、全く小売っぽくないP/Lの形をしていましたが……果たして今回の3社はどうなっているのでしょうか。

 それでは見ていきましょう。

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 今回のテーマは、「消費者として利用しているだけでは見えてこないビジネスモデル」です。コーヒーの価格帯や出店形式を考えることで答えが導き出せる問題でした。

 そして、真のテーマが、「損益計算書から企業の販売先を特定する」でした。会話でも、投資家さんが「①はP/Lの形が変だ」「飲食店で販管費がこんなに小さくなるなんて」と言っていたように、実は①のコメダHDだけ、ドトールやルノアールとは大きく違うビジネスモデルを取っています。

 ドトールとルノアールは、顧客に商品を販売するBtoCビジネスですが、一方のコメダHD、実は「フランチャイズに対する卸売で儲けるBtoBビジネス」なのです。

 というわけで、まずはコメダHDの出店形式を見てください。

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主要ブランドである「コメダ珈琲店」は全860店のうち835店がフランチャイズであり、私たちが利用しているコメダ珈琲店の97%がフランチャイズということになるのです。

 前問のセブン-イレブンの問題でも述べましたが、フランチャイズ方式は本部であるフランチャイザーが、加盟店であるフランチャイジーに商標の提供や出店サポートをすることでフランチャイジーからロイヤリティを徴収するビジネス形態が一般的です。

 セブン-イレブンの場合は、P/Lにおける収益の大半がフランチャイジーからの加盟店収入(ロイヤリティ収入)でしたのは記憶に新しいでしょう。

 では、フランチャイズ出店がほとんどのコメダHDも、セブン-イレブンと同様にフランチャイズロイヤリティが収益の大半を占めるのでしょうか。

 これを確認するため、コメダHDの売上高の内訳を見てみます。

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 売上高の内訳を見ると、メイン収入は卸売収入です。次いで、リース収入となっています。ここにロイヤリティ収入という項目は見当たりません。この売上高の内訳に、コメダHDのビジネスの秘密が隠されています。

 コメダHDのビジネスは、フランチャイズにコーヒー豆などの商品を卸売することがメインの収入源です。つまり、原価率が高く・販管費が相対的に小さくなる「卸売業に近い」形の損益計算書の形になります。コメダのFCはロイヤリティをほとんど取らない共存共栄モデルなので、売上高内訳にはロイヤリティの項目がないのです。

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 銀座ルノアールとドトールコーヒーは、一般消費者を対象とした喫茶店ビジネスであるのに対して、コメダHDはフランチャイズを販売対象としたBtoBビジネスです。

 そのため、あらかじめ販売先も決まっており、新規開拓営業に充てる人件費もかからず、また店舗の水道光熱費なども特にかからないため、他の2社に比べて販管費がかなり小さくなります。

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3.Theme 3 企業の成長ドライバーを見抜け

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 3問目は、「激安の殿堂」でおなじみのドン・キホーテと、売上高が世界第2位の小売の雄・コストコを取り上げます。

 この問題は、これまでの2問と比べると、サクッと解けるものになっています。

 では、見ていきましょう。

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<ビジネスモデルからP/L構造を考えてみる>

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 コストコが会員制であることをご存知ない方もいたかもしれませんね。コストコは、仕入先から直接安価で仕入れて販売するというモデルです。

 顧客は、毎年会員費を払うことで商品を原価に近い価格で購入することができる仕組みになっています。

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 そんなコストコの営業利益の内訳を見てみると、営業利益のうち70%は会員収入から得られたものです。だから、この会員収入がなくなると利益が上がらなくなってしまいます(図「コストコのビジネスモデル③」参照)。

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 そのため、「会員を増やすこと」が「利益を出すこと」にそのまま直結するため、「いかに会員を増やすか」がコストコのビジネスのカギになります。

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 ちなみに、巷には「原価BAR」というバーがありますが、こちらもコストコに似たモデルになっています。

 原価BARは、入場料さえ払えば、お酒を原価で飲むことができるというシステムのバーです。これも入場料で儲けるビジネスのため、商品がどれだけ販売できたかではなく、「何人入場したか」が成功のカギになります。



続いてドン・キホーテです。ドン・キホーテのお家芸といえば、店内に積み上げられた圧縮陳列でしょう。店舗内で掘り出し物を探す楽しさを演出しつつ、顧客と商品の接触回数を増やすレイアウトで売上につなげるというものです。

「ロレックスからトイレットペーパーまで」といわれるほど、ドン・キホーテに来店すれば大半の商品が揃うほどの品ぞろえで、まさにフルラインディスカウントストアとなっています。

 ドン・キホーテの売上構成は食品34.5%、非食品65.5%となっており、特に食品に関しては、「激安の殿堂」の名に恥じない安さで販売しています。

 そして、激安で販売していることもあり、食品は83.1%と非常に高い原価率になっています。

 では、どのようにして利益を出しているのでしょうか。答えは、「激安を訴求する基本循環」です。

 食品の値下げから、客単価は下落するが、「激安」という安さから客数が増加する。そして、客数に応じて商品の販売数が増える。そこで得た利益を食品の値下げに使用する……という、基本循環があるのです。

 原価率の高い食品と合わせて非食品を顧客に買わせることで、非食品で出した利益を食品の安さの追求に回し、主婦層に訴求しているというわけです。

 実際にドン・キホーテの各経営指標の推移を見てみると、客数の増加に伴い、商品販売数は増加していますが、原価率は一定の水準に保たれ、客単価は下落傾向にあります(下図参照)。

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 コストコは、商品販売+会員収入で利益を確保できるので、商品をほぼ原価で売り、そのため原価率が高くなります。どれだけ商品が売れたかよりも、どれだけ会員が増えたかの方が重要です。

 対するドン・キホーテは商品販売のみですが、激安を追求することで顧客の来店数を増やし、得た利益をまた激安の追求に回すという経営方針です。

 P/Lからは、各企業がどのような成長ドライバーを持っているかも読み取ることができるのです。



ーーーーーーここまでーーーーーーー


以上、いかがでしたか?

企業分析や企業の財務諸表を読む面白さが少しでも伝えられることができましたら幸いです!

書籍の本編には全部で16問の会計クイズが掲載されています
今回は損益計算書が中心でしたが、その他にも、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、複数の計算書を組み合わせた複合問題と豊富に用意しています。

クイズを通して問題を解き進めていくと、自然に決算書への苦手意識がなくなり、気づいたら決算書が読めるようになっているという構成で本を制作しました。


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難しいと思っている会計も、図解していけばスラスラと頭に入るのではないでしょうか。


気になった方は、ぜひ実物の本も覗いてみてくださいね😊


※一部のプラットフォームでは予約の段階で既に在庫切れになっているようなので注意してくださいm(__)m


以上、お付き合い頂きありがとうございます!

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