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『鳩の撃退法』は鳩の生態を記した本ではなかった

連休を使って何を読もうかと、「未読の本棚」から何冊か引っ張り出した。どれにしようかと、さわりだけいくつか読んでみたところ、そのまま止まらなくなったのがこの本。

めちゃめちゃおもしろかった。長時間の読書で肩はこったが、大満足。

小説とはなにか、ということを存分に生かしたフィクション。娯楽小説。

上下巻、1000ページ超、時系列が行きつ戻りつ、現実(といっても小説の中だが)と作り話が交錯し、最初の方の伏線が最後に回収されたりと、何日もかけて途切れながら読むとわからなくなりそうで、連休をつかって一気に読む作戦は正しかった。そして、ずっと頭がフル回転だった。

Web上では「つまらなかった」という感想も一定程度あるようで、そういう気持ちになる人がいるのはわかる気がする。

そもそも、どういうジャンルの本なのか、題名や装丁ではさっぱりわからない。そして、場面や時系列がコロコロ変わるのと、誰がしゃべっている会話なのか、余計な言葉もたくさん入っているので、そこに面白さを感じないと、「冗長でつまらない」と感じてしまうのかもしれない。

逆に、そこにフィーリングがあうと、俄然おもしろいのだ。ただしこれには、時間がたっぷりとれて、ゆっくり楽しめる環境が不可欠だ。短時間で必要な情報だけ得たい、必要な文章だけで効率的に楽しみたいという属性の方には、おすすめしない。


暇な人はしっかり楽しめます! いやさ、時間を確保して読むべし。



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