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(全訳) PAPER MAG:BTS特集

191120『PAPER MAGAZINE』掲載
「Break the Internet:BTS」特集記事/インタビュー全訳

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2018年6月、世界で最も有名な音楽グループのデビュー5周年を祝う巨大な看板が、タイムズ・スクエアに掲げられた。そびえ立つ複数のLEDスクリーンには、何日間にもわたってグループを宣伝するビデオや画像が映し出され、世界で最も人通りの多いニューヨーク市の観光の中心地で、毎日50万人近くの通行人の目に触れた。しかし、この看板は、グループのレコード会社が購入したものでも、大規模な企業製品の広告キャンペーンのために設置されたものでもなかった。ニューヨーク市内の同規模の広告スペース同様、掲載に1万ドルから3万ドルもの費用がかかると言われるその看板は、むしろ、そこに映し出されているK-POPアイドル─BTS─ が、自分たちにとってどれほど意味のある存在なのかを世界に示そうとする少数のファンたちによって、提供されていたのだ。

韓国のアーティスト史上初となった2018年の国連での熱烈なスピーチ、2019年のグラミー賞での魅力的なプレゼンテーション(同じく韓国初)、2019年4月のSaturday Night Liveのゲストパフォーマンス… 今日、BTSの活躍はあらゆる分野でめざましい。彼らの音楽を1曲も聞いたことがない人でも、彼らが21世紀の音楽業界へもたらしている影響(と、ポップカルチャーのグローバル化の加速)から目を背けることはできないであろう。

過去5年間、BTSはSpotify、YouTube、iTunes、Twitter、Guinness World Records、Billboardチャート、そして韓国のGaonチャートで記録を樹立し、大成功を収めてきた。中でも、アルバム『Love Yourself: Tear』で韓国アーティスト史上初めてビルボード200の1位を獲得した2018年の5月と、米国レコード協会からプラチナ認定を受けたシングル『Boy with Luv』のミュージックビデオがリリース日のうちに7460万回再生され、「24時間で最も視聴されたビデオ」、「最も視聴されたミュージックビデオ」、「最も視聴されたK-POPミュージックビデオ」のYouTube記録を破った2019年の4月は、特に重要な点だったと言える。2019年のMTV VMAでの「最優秀グループ賞」のように、韓国国内で初めて獲得した賞も多い。

BTSは、2005年にレコードプロデューサー兼実業家のパン・シヒョク氏(別名「ヒットマン」パン)が設立したビックヒットエンタテインメントで2010年に結成されてから、わずか3年後の2013年6月にデビューした。グループが正式にお披露目された時点では、ビッグヒットはまだ比較的若い会社であった──少なくとも、韓国国内で長年「ビッグ3」として確固たる地位を築いていたSM、YG、およびJYPと比較すると。

しかし、まだ立ち上がって日の浅い会社であったにも関わらず、パンPDはBTSのメンバーたちと共にその名を轟かせることに成功した。RMはもともとアンダーグラウンドで活躍していたヒップホップスターで、友人からパンPDを紹介され、最初にグループへ参加したメンバーだ。ヒップホッププロデューサーのSUGAはオーディションを受けた後、2010年にBTSへの参加を決意し、練習生となった。J-hopeはビッグヒットに見出される以前に別の会社のオーディションを受けたこともある、新進のダンススターだった。ソウルの大学に向かう途中の道端でスカウトされたことで有名なジン。数多くの芸能プロダクションからスカウトされたが、RMの技量に感動し、ビッグヒットを選んだジョングク。友人のトライアウトに参加した後、偶然その場でオーディションを受けたV。ジミンはダンスの先生にオーディションを勧められたことが参加のきっかけだった。

ダンスとボーカルのレッスンをはじめ、標準的なK-POPグループがみな修得すると言われる英語やメディアトレーニングなどを、彼らも数年間活発にこなした。その後デビューしたBTSは、キャリアの初期を非常にハードなスケジュールをこなしながら過ごしていた。2014年の西ハリウッド・トルバドールでの無料公演や、同年のKCON LAでのミドルラインアップなど、今よりもずっと小さな会場で熱演を続けた。彼らは細やかな交流や挨拶を怠ることなく、ソーシャルメディアを徹底的に活用し、また、若者が直面している複雑な問題を捉えたエネルギッシュで質の高い楽曲(2013年シングル「2 Cool 4 Skool」、EP O!RUL8,2?)を通じて、多様なファンベースを一から育てた。

Hyundai Research Institute(現代経済研究院)によると、ビッグヒットは現在、10〜20億ドルの価値があると考えられている(つまり、企業価値という点では、当初の「ビッグ3」よりも上位にランクする可能性があるということだ)。BTSは、韓国の国内総生産(GDP)のうち46億5000万ドルを占めると推定されており、その中には観光客、輸出品、ブランドキャンペーンなどが含まれるという。(BTSはマテルやFILAとコラボするなど、欧米でも需要の高いブランド価値を誇っている。)しかし、彼らが業界をリードするずっと前から、BTSがK-POPの超競争業界の“負け犬”だったことは周知の事実だ。

現代の数十億ドル規模のK-POP産業の基礎は、90年初めから半ばにかけて、ソテジ・ワ・アイドゥル(Seo Taiji and Boys)やH.O.T.などの韓国の先駆者たちが、国際的な音楽要素(彼らの場合は、ラップやヒップホップ)を取り入れ、ジャンルの実験と多様化を特徴とする新たな音楽の境地を開拓したことに始まる。2000年初頭には、海外移住した韓国人の影響や、国際的に成功した企業の魅力が高まったこともあり、K-POPは音楽メディアや文化を形成するだけでなく、韓国の経済そのものを形成する力を確固たるものにし、韓国の重要な「ソフトパワー」を世界中に広めることとなった。(韓国政府でさえ、K-popは自動車、医療機器、コンピューター製品などに次いで、韓国の最も収益性の高い輸出品の一つであると指摘している。)

BTSは当初、伝統的なK-POPアイドルグループの枠組みの中で結成されたが、2000年後半に始まった第二の韓流 「韓流2.0」 の熱狂的な盛り上がりの中で、才能あるK-POPスターを抜き、業界内での地位を超越してきた。彼らは少女時代のようなグループの海外での成功に触発され、メディアが様々な制約を越えて世界中で広まっていくYoutubeなどの技術的発展の下支えを得て、そうした成功を収めたのだ。「韓流2.0」がポップカルチャーの主流を支配したことは、近年ますます顕著になった。現在K-POPは、世界中で交わされる文化的会話のトピックの先頭に位置付けられている。

しかし、BTSがこれまでに類を見ないほど安定した成長ぶりを見せ、世界的なポップミュージックグループとしての名声を手にしたことを考えると、彼らをK-POPの一幕と定義することが、もはや正確なのかどうかという議論に火がついた。少なくとも欧米では、彼らの存在自体が、非白人、非英語系の音楽に対する人々の時代遅れな認識に挑んでいる。(BTS自身にとっても、ラベルはさほど重要ではないようだ。RMが2018年のシングル『IDOL』で「You can call me artist/ You can call me idol/ No matter what you call me/ I don't care!」(お前は俺をアーティストと呼んでもいいし、アイドルと呼んでもいい。俺は何と呼ばれようが気にしない)とラップしているように)。

BTSの各メンバーは、各々が独自性を持ったアーティストだ。機敏なラッパーでヒップホップの神童であるRM(キム・ナムジュン、25歳)は、グループの賢明なリーダーだ。英語に長けているため、海外の活動ではしばしばメンバーの翻訳者として振る舞うこともある。思慮深く獰猛なSUGA(ミン・ユンギ、26歳)は、Epik HighやHeizeをはじめとしたK-POPアーティストたちに、これまで様々な楽曲提供を行った、実力派の謙虚なレコードプロデューサー兼作詞家だ。天使の声を持つジン(キム・ソクジン、26歳)、またの名を「ワールドワイド・ハンサム」と名乗る彼は、感傷的な作詞に長けている。ジミン(パク・ジミン、24歳)は、優美なダンサー・作詞家で、その繊細なボーカルスタイルは聴き手に癒しをもたらしてくれる。V(キム・テヒョン、23歳)は才能に溢れた俳優であり、非常に魂のこもった声楽家でもある。恥ずかしがり屋でありながらグループの「金色マンネ」であるJungkook(チョン・ジョングク、22歳)は、印象的な作詞の才能と、グループの旅のようすを記録した洞察的なショートドキュメンタリーで高く評価されている。遊び心のあるJ-Hope(チョン・ホソク、25歳)は、強烈なラップとダンススキルを誇る。彼が2019年にメキシコ系アメリカ人ポップアーティストBecky G.と共同で制作した『Chicken Noodle Soup』にも、そのスキルが顕著に表れている。客観的に見て、歌唱力、振り付け、映像のクオリティからも、彼らが才能に溢れていること、そして彼らが強い仲間意識で結ばれていることは否定できないであろう。(彼らのビデオブログからは、お互いにいたずらをしたり、インタビューや舞台裏でストレスを和らげようと互いに慰め合ったりする様子が見て取れる)。また、彼らは慈善活動にも熱心で、有意義な目的のために時間とお金をつぎ込むことを惜しまない。(現在、BTSはユニセフの大使を務めており、子どもへの暴力に反対する活動を行っている。「暴力にさらされている子供や10代の若者に援助の手を差し伸べる」ことを目的としたUNICEFのLOVE MYSELFキャンペーンは、2017年の立ち上げ以来、200万ドル以上の募金を集めている。)

BTSはグループ単独としての力も非常に強力ではあるが、個々のミックステープ、作詞作曲プロジェクト、他のアーティストとのコラボレーションなど、自主的な活動でも力を発揮している。Lil Nas XからFall Out Boy、Nicki Minaj、Charli XCXまで、BTSのメンバーは、グループでもソロでも、ラップ、ロック、ポップ、EDMと多様な分野に取り組んできた。Becky G.は、J-Hopeと『Chicken Noodle Soup』の制作に取り組んだことを「光栄だった」と話す。「私はいつも、音楽は普遍的だと言い続けてきたわ。だから、J-Hopeと私がそれぞれ子供時代に触れた美しい文化を一つの歌に融合させることができたとき、すごく嬉しかったの。彼はとても友好的で、ダンスのシーンのたびに完璧で圧倒的なパフォーマンスを披露してくれたわ。これまで、Twitterで色々な人からJ-hopeとあなたは似ていると言われてきたし、実際彼と出会ったとき、私も確かにそう感じた。」

BTSがこれまで発表してきた多くの楽曲は、古くから保守的な韓国社会でタブー視される話題に関連した、複雑な歌詞で溢れている。例えば『N.O.』では若者が押しつぶされるような社会的圧力が、SUGAがAgust Dという芸名でリリースしたトラック『The Last』では、不安と抑うつ等の精神衛生について議論することの重要性が、投げかけられている。本来、このグループの名称である「BTS」は、社会の批判・抑圧から若者を守るという彼らの使命を象徴した「방탄소년단」(BangTan Sonyeondan)という韓国語の略称なのだ。(2017年、ビッグヒットは、「BTS」の新たなブランドイメージとして「若者たちが自らの未来を意欲的に掴もうと奮闘し続ける」との意図を表した「Beyond The Scene」を加えて発表している。)BTSが発するメッセージの土台となる、こうした「自己愛」は、彼らが多くの人の中に眠るビートルマニア的*1 な情熱をかき立てた理由の一つだ。もしBTSが稲妻だとするならば、ファンはそれに共鳴する轟音といえるだろう。

BTSのファンたちで構成される数百万人規模の国際コミュニティーは、 「Adorable Representative MC for Youth」 の頭文字を取って「BTS ARMY」と呼ばれている。BTSのメッセージ(および、グループの表現と可視性)を広めることに特化したARMYは、特にTwitter上で最も活発なファンダムの一つだ。BTSのツイッターアカウントは2019年10月時点で2220万人のフォロワーを誇り、ツイート当たり25万回以上のリツイートで、最もエンゲージメントの高い記録も持っている。毎日何千ものBTS関連のハッシュタグがTwitter上を行き交い、BTSのこれまでの活動と業績を年代順に記録した無数のファンサイトが稼働し、市や地下鉄の駅にはファンの自己資金で掲載された宣伝広告板が踊る。また、ARMYたちは、BTSのソーシャルメディア賞の受賞やその他のデジタル部門での勝利に向けて投票を行うことに関しても、とても熱心だ。

おそらくBTSが最もファンを熱狂させた勝利の1つは、彼らの登場によって世界的なスーパースターの顔ぶれに本質的な変化が起きたことと、白人中心の西洋音楽業界の潮流から除外されることが多いアーティストの認知度が向上したことである。(2019年3月1日、BTSはロンドンの9万人収容のウェンブリー・スタジアムを90分足らずで完売したことで知られている。)彼らが歌う韓国語の歌は、言語や文化の壁を越えて、米国やブラジルなど、韓国語を話さない無数の国で受け入れられてきた。DJ兼プロデューサーのスティーブ・アオキ氏によると、夢を叶えることは決して手の届かないことではないと歌詞で断言するBTSの未来志向の姿勢は、東アジアから出発した彼らが「世界で最も傑出した音楽グループ」になったことを深く自己予言しているという。

「(彼らは)業界全体に変革をもたらしたんです」とアオキ氏は続けた。彼は2017年の『MIC Drop』や2018年『The Truth Untold』、RM、Jimin、Jung kookによる英語ボーカルをフィーチャーしたFuture-bassコラボレーション『Waste It on Me』のリミックスなど、彼らと数々の作品を作り上げてきた。「こんなにも大きな現象はビートルズ以来でしょう。私たちアジア人にとって、彼らの存在はブルース・リーのようなものです。アジア人の顔を、再び力強いイメージに変えてくれています。」

BTSによると、曲の聴き手に対して彼らがアピールしているメッセージの背景理論は非常に単純だ。「僕たちは、曲の背景にあるメッセージをファンと共有したいんです」。「僕たちが伝えようとしているメッセージは、誰にでも関係しうるものです。つまり、自分たちの世代が共有する感情について、話そうとしているんです。僕たちの音楽は、地域、言語、人の間の障壁を取り払っているのかもしれません。」

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Q. グループとしてこれまでに直面した最大の課題は何ですか。また、それをどのように克服しましたか?
RM:7人の成人男性が常に一緒にいて仕事と生活を共にしているので、これまで多くの矛盾や相違に直面してきました。時間をかけてお互いを理解し、思いやりを持つことで、それを克服したと思います。

SUGA:違った価値観を持つ人が7人も生活を共にするのは、容易ではありませんでした。全員で一つのことに集中することにはとても苦労しました。いま振り返ってみると良い思い出です。

J-Hope:僕たちはみんな違うバックグラウンドを持っていて、性格もすごく違っていたので、お互いによく喧嘩した時期がありました。でも、何度も話し合って、長い間一緒に暮らしてきて、それを乗り越えることができました。今ではお互いを見ているだけで相手が何を考えているのか分かります。

Jimin:メンバーがそれぞれまったく違う性格なので、みんながお互いを理解するのは難しかったと思います。でも僕たちは諦めずに向き合って、今ではそれぞれのメンバーがかけがえのないチームになりました。

Jungkook:自分の言ったこと、したことが問題になって、誰かを失望させてしまった時です。どんな状況でも自分の立場を忘れずに、何かをする前によく考えなければならないと思いました。

Q. もしメンバーと24時間だけ才能を交換することができたら、誰を選びますか?また、その理由は?
RM:1日だけ、J-Hopeのように踊れるようになりたいです。あんな風に踊れたら、どんな感じがするんだろう?

Jin:Vの振付記憶力がほしいです。RMに言いたい。「(動きを)もう忘れたのか?」

SUGA:RMになりたいです。英語をペラペラ喋ってみたいので。

J-Hope:SUGAさんの制作力がほしい!

JIMIN:J-Hopeさんの笑顔。彼が笑った顔をみていると、彼の笑顔ってとても可愛いなと思うんです。

V:RMさんの頭脳を借りて、たくさんの曲を作りたいです。

Jungkook:RMさん。素敵な歌詞を書いたり、もっと深く物事を考えたいです。

Q. 世界的な名声に直面して、自分自身を世界に示すことにプレッシャーを感じたことがありますか?「完璧」 であることを負担に感じるとき、あなたは何をしますか?
RM:プレッシャーがないと言ったら嘘になります。それでも、ステージでは本当にうまくやりたいです。

Jin:常に正しい方を選ぶよう、心がけています。

SUGA:本音を言えば負担がないと言えませんが、だからといって、何ができるわけでもありません。プレッシャーも僕の人生の一部です。

J-Hope:負担がないとは言えません。最近は使命感を持って生きているような気がします。完璧でなければならない、と考えるよりも、本当に重要で根本的なことを忘れないように、結果が出ることを信じて、ただやるべきことをやっていきます。

Jimin:負担を感じるかという話はさておいて、僕は、僕たちのパフォーマンスを見に来てくださるすべての人に、少なくとも完璧に近いパフォーマンスを見せなければならないといつも思っています。

V:完璧に近いパフォーマンスを見せなければならないプレッシャーは感じますが、自然でいることも大切だと思います。

Jungkook:プレッシャーは常にあります。でも、上達している僕もファンの方々には見ていただきたいです。

Q. 若い頃の自分たちに、何かアドバイスはありますか? 
RM:行くか行かないか迷っているなら、行け!

Jin:ジン、英語を勉強しなさい!

SUGA:英語を勉強してください。

J-Hope:苦しくなったら、あなたのことを愛してくれる人たちを見て。きっとエネルギーをもらえるから。

Jimin:沈黙は金。時間を無駄にしないで。

V:頑張ったね!(背中をトントンしながら)

Jungkook:自分のミスや過ちで、身近な人を失うな。お前の人生を最大限に生きろ。

Q. BTSは最近、長きに渡るリリースやプロモーションの休息期間として、長期休暇を取りましたね。休暇中はどのように過ごしましたか?
RM:よく寝て、運動して、美術館に行きました。済州島、ヴェニス、ウィーン、コペンハーゲンへ旅行もしました。

Jin:家でゲームをしていました。SUGAと釣りにも行きましたね。

SUGA:休むことに集中して、いくつか曲を作ってみました。自分を振り返る良い機会になりました。

J-Hope:Chicken Noodle Soupのミュージックビデオを撮影して、たくさんのことを感じ、学びました!休息とは言えないかもしれませんが、有意義な時間でした。撮影後は家でおいしいものを食べたり、犬と遊んだりしてよく休みました。

Jimin:いろいろなところに行きました。グループのこれまでと、将来について考える良いきっかけになりました。

V:とてもよく休めました。食べて、遊んで、寝て、の繰り返しでした。

Jungkook:楽曲制作をしていました。

Q. グループとしてまだチャレンジしたことのない音楽スタイルで、将来楽しみにしているものはありますか?
RM:時が経つ(年齢を重ねる)に連れて、僕たちの感情や感性を反映する様々な側面を見せられたらと思います。

Jin:ロックを試してみたいです。メンバーたちはとてもカリスマ的なので、きっと素晴らしいものができるだろうと思います。

SUGA:いろいろやってみたくて、選べません。見どころがたくさんあるので、楽しみにしていてください。

J-Hope:BTSはBTSです。どんなスタイルを取り入れても、BTSスタイルになります。

Jimin:やってみたいことはたくさんありますが、あまり具体的には言いたくありません。

V:Conan Grayや"All tinted" のようなスタイルの音楽をやってみたいです。

Jungkook:やりたいことは時によって違います。僕はただ、それが何であれ、自分の声のスペクトルを広げることができればと願うだけです。

Q. あなたたちのファン、ARMYは、特にソーシャルメディア上で、世界で最も情熱的で動的な音楽ファンベースの1つです。何があなたたちのファンベースを、これほど特別なものにしていると思いますか?
BTS:世界中の人々がこうして僕たちの音楽とメッセージを愛してくれることをとても光栄に思うと同時に、音楽に言葉の壁はないのだということを感じます。ARMYは、僕たちの音楽を世界中に広めてくれました。いま僕たちに起こっていることは、ARMYがいなければすべて不可能だったと思います。

Q. BTSの音楽のテーマのひとつに「夢」がありますね。さまざまな困難が横たわる今の不確かな世界で、「夢」は人々が前進する糧になると思いますか?
RM:お役に立てることを願っています。僕たちは過去に「夢を見る必要はない」と言ったこともありましたが、夢や希望のない人生を送るのって、すごく暗い気がしませんか?皆、動くためにはモチベーションとマイルストーンが必要だと思うんです。それが何であれ、僕たちは少しでも人々が前進するための力に、助けになりたいのです。

Q. アルバムで世界1位を獲得し、スタジアムツアーは売り切れ、グラミー賞、米国のアワードショーSNLでパフォーマンスした初の韓国の音楽グループになるなど、デビュー以来、多くの夢が実現しました。これらの成果がリストから消え去った今、皆さん一人一人にどんな新しい夢がひらめいたでしょうか。
RM:今感じていることを見失わずに、まっすぐ進みたいです。情熱を輝かせて、まっすぐ歩きます。

Jin:パンPDと、幸せな人生を送るためにはどうすればいいか、よく話すんです。幸せに生きるためには……。よくそう考えます。

SUGA:いままで趣味がなかったので、何か新しい趣味を持ちたいです。一生を通して楽しめるような趣味。

J-Hope:健康でいたいです!僕たちが今やっていることをこれからも続けられるように!

Jimin:たくさんの人が僕たちを応援してくれています。僕たちの新しい、より良い音楽とパフォーマンスを、ファンの方々がどのように楽しんでくれるだろうかと考えるんです。僕が言いたいのは、僕の夢は、より多くのパフォーマンスとより良い音楽を、ファンの方々に長く、長くお見せしたいということです。

V:新しい夢はありません。僕たちが想像もしなかった夢が叶いました。今やっていることを、続けたいです。

Jungkook:今のように音楽やパフォーマンスを続けていくこと以上のものは求めていません。

Q. 上達したいこと、改善したいことはありますか?
RM:ダンス!それから自分のことをもっとよく知りたいです。

Jin:チームがいつも仲良く、みんなが幸せでいられればと願っています。

SUGA:間違いなく英語。

J-Hope:健康と幸せ!それが成長への道だからです!

Jimin:今やっていることを、もっとうまくできるようになりたいです。

V:自分の領域を広げて、多様な才能を持つアーティストになりたいです。

Jungkook:改善する機会があれば、それが僕のどんな一面であろうと、ただぼんやりせずに、実現のために努力します。

Q. 今どんな音楽にはまっていますか?あなたのプレイリストには何が入っていますか?
RM:Post Malone の最新アルバムを聴いています。

Jin:Taylor Swiftの『ME!』。明るいエネルギーのある歌で、聴くと気分が高揚します。僕もこんな音楽をやってみたいです。

SUGA:Post Maloneの『Circles.』

J-Hope:最近はよく昔の曲を聴いています。The Fugeesの『Killing Me Softly』やCheryl Lynnの『Got to be Real.』とか。

JIMIN:僕は感情を満たすような歌が好きです。最近は僕たちの歌『Jamais Vu』を聴きます。

V:DaBabyの新しいアルバムを聴いています。

Jungkook:最近Jang Beom Juneの歌を聴いています。

Q. BTSのアルバムが2019年グラミー賞最優秀レコーディング・パッケージ賞にノミネートされたことには、どんな意味がありましたか?
BTS:本当に光栄でした。偉大なミュージシャンたちとともに、あのような大きなショーのプレゼンターとして招待していただけて、とてもうれしかったです。今年はレコーディングアカデミーの会員にもなりました。来年もショーに招待していただけたらと願っています。

Q. 「自分を愛する(Love Yourself)」ことの重要性と力は、歌詞、スピーチ、ミュージックビデオなどで、BTSが発するメッセージの土台となっていますね。みなさんは、この「自分を愛する」という考え方に、いつ、どのようにして、これほど熱を注ぐようになったのでしょうか。
BTS:僕たちのLOVE YOURSELFシリーズには、「自分を愛することが真の愛の始まりだ」というメッセージがこめられています。僕たちが伝えようとしている「愛」は、個人の体験であると同時に、社会へのメッセージでもあります。以前、「愛することができることも能力である」「自分を愛さなければ、他の人を愛することもできないのだ」という言葉をどこかで見たことがあるんです。人々がどのようにして自己愛(Love Yourself)を実現しているかを考えたとき、この言葉は多くの側面に答えを与えてくれると思いました。僕たちはそのプロセスに焦点を当てて、答えを見つけ出したかったのです。
僕たちは、自分自身を愛すること=LOVE YOURSELFすることが、自分に良い影響を与えてくれると思っているし、だからこそ自問し続けます。「僕は本当に自分のことを愛しているのだろうか?」と。今一度振り返って、その考えを歌詞に取り入れました。

Q. 国内と海外、それぞれでパフォーマンスをする際の心構えに違いは?
 BTS:世界中のファンが僕たちを応援してくれています。僕たちはいつも最高のパフォーマンスを提供するというマインドセットでステージに立ちますから、ファンに会う機会はいつも全てが大切で、意味のあるものです。

Q. ソーシャルメディアとインターネットは、BTSがリスナーと触れ合う場面において、どのような影響を与えているのでしょうか?
BTS:僕たち、ファンとコミュニケーションをとるのが好きなんです。オンラインでのコミュニケーションはデビュー前から取り続けてきて、ファンも僕たちも、それを楽しんでいます。最近ローンチしたWeverseアプリは、ファンと僕たちのプラットフォームになっていて、僕たちはファンのメッセージを見て、そこにコメントを残すことができるんです。ソーシャルメディアを通して、世界がひとつになってつながっていると感じています。言葉はもはや大きな障壁ではなく、良い音楽、誠実なメッセージ、そしてコミュニケーションの努力によって、世界中のファンが愛情を示すことができると考えています。

Q. 今後の新しい音楽について、何か情報はありますか?
BTS:いまちょうど新しい曲の練習と制作に取り組んでいます。きっと良い姿をお見せすることができると思います。楽しみにしていてください。

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原文:Break the Internet: BTS

*1 ビートルマニア:ビートルズの熱狂的なファンのこと。BTSが21世紀のビートルズと呼ばれているのに擬えて、ARMYにこの比喩を対応させている(んだと思う)

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