久しぶりに観てみたいマンガ原作もの映画「ヒメアノ〜ル」を読んでみた。
僕は、自転車のことを「チャリンコ」というのが嫌いなんです。
同じく「原チャリ」という言葉に不快感を覚え、ちゃんと「原動機付自転車、もしくはスクーター」と言いたいんです。
つまり、「チャリンコ」とか「原チャリ」にまとわりつく「ちょっと下品な雰囲気」がとても嫌で、そういう理由で、連載当時の「稲中卓球部」は読みたくもありませんでした(その後、大人になってしっかり読了)。
その稲中の作者である古谷実氏。
いつからか、ナンセンスギャグマンガから本格的な心理サスペンス、ノワール、倫理・哲学的要素も入ったシリアスな作品を次々と発表し始め、すっかり「そういう作家」として認知されるようになりました。
「ヒミズ」や「シガテラ」、「わにとかげぎす」など、すべて読了していますが、ありふれた日常に中にじわりと入り込んでくる恐怖や狂気を描く手法は、実に個性的で魅力的だと感じています。
笑いという光と人元社会の闇を同時に、同じマンガ作品の中で表現しているからこその「カフェラテ感」(ミルクとコーヒーがいい具合に混ざり合っていておいしー)を生み出しているのでしょう。
で、このヒメアノ〜ルですが。
映画化されまして。殺人鬼・森田を演じたV6森田くんの鬼気迫る演技や、作品のタイトルバックを挟んだ演出の手法など、非常に評判が良いようで。マンガ原作ものの映画としては珍しい人気ぶりです。
Yahoo!映画のレビューで4.37ってこれはかなりの高評価でしょう。
久しぶりに映画みたいな~と思いました。
ついでに言うと、7月公開のインデペンデンス・デイの続編もみたいな~と思ってます。
最後に「ヒメノア〜ル」ももちろんなのですが、古谷実作品の共通点として「絶対にもてそうもない、特段取り柄のない普通の男子が、なぜか気になっているかわいい女の子に逆告白されてつきあうようになる」という展開が出てきます。
たいていの読者が「んな、阿呆な」と思いつつ、それを「まあ、いいか」と思ってしまうのは、それが「男のロマン」だからに他なりません。
「あの娘、俺のこと好きかも。もしかしたら、向こうから告白してくるかも」なんて妄想を抱くのが男という阿呆なイキモノなのです。
その妄想に起因した願望を叶えれてくるのが古谷漫画なのです。
だから女子諸君、「んな阿呆な」と思わずに、面白いから最後まで読みましょう。阿呆な男を手玉に取る方法を勉強すると思って。
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