音声認識と文章化は別物

会話で一言一句ちゃんと正確に聞き取りができているかというと、そうでもない。多少抜け落ちていても、前後関係から補完して、文章として理解する。

文章として理解するには、文章を構成する単語を判別する必要があるが、
単語がわからなければ文章として組み立てるのが難しくなる。

例えばこんな時

システム開発していると、お客さんの業務で耳慣れない単語が多々ある。
耳慣れない単語は、単語として識別できず、一文字にしかならない。

在庫管理をするシステムに初めて携わった時、
「建屋と倉庫ごとの在庫管理」と説明された。
音声としては「た」「て」「や」という一言一句は聞き取りしたものの、
脳内で漢字に変換できず「たてやと倉庫ごとの在庫管理」となっていた。

たてやってどんな漢字?
もしかして「縦やと」とかだったりするんだろうか。
いや、そんなことはないよな。。。
倉庫って言ってるから関連するのは間違いなさそうだけど。
どんな意味だろうか?

と、戸惑う。
しかし、説明は進む。
頻繁に登場する「たてや」がわからないまま。

また、プログラミングを教えていた時に、
stringを見て、「この、えすてぃーあーるあいえぬじー、ってなんですか?」と問われたことがあった。
stringはその変数が文字型だということを表すのだけど、
初見の人にはどんな意味かもわからないし、読み方もわからない。

音声認識と文章化は別物

↑の事例は、ちゃんと聞けてはいるが、頭の中で意味の通る言葉に変換できていないということ。
対応としては、「ちゃんと聞け」ではなく「その場で使う単語の辞書化」である。
システム開発で用語集を作るケースが多いが、その目的は「その場で使う単語の辞書化」である。
「このシステムにおいては、たてや→建屋である」、ということがわかっていれば、「建屋」の文字を見て、「あぁ、なんか建築物っぽい」との類推はできる。

自分が当たり前のように使っている単語は、果たして相手も理解している単語でしょうか?
「ちゃんと話しているのに、理解してもらえない」と思う前に、
相手の知っている言葉で話せているか?を考えてみてもいいかもしれません。

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