議長挨拶:山田涼華

こんにちは!
京論壇2020の分科会議長を務めさせていただきます、山田涼華と申します。
4月から後期教養学部地域文化研究科アジア・日本研究コースの3年生になります。中国研究?と思いきや、パレスチナやアフガニスタンも好きなので中東地域を専攻する予定です。
 京論壇に参加して一ヶ月。右も左もわからない状態でしたが、先日北京大学メンバーとのミーティングを終え、いよいよ始まるぞ!と身が引き締まる思いです。

そんな京論壇初心者の私が、この記事で何を話せるのかちょっと悩みました。そこで今日は、分科会の議論の一端をのぞいてみたいと思います。
私が担当する分科会のテーマは「医療技術と死生観」です。臓器移植、出生前診断、人工妊娠中絶、尊厳死など賛否両論ある事例を取り上げ、それらにまつわる倫理観や社会問題を議論します。
京論壇のウェブサイトをチェックされた方はご覧になったかと思いますが、トップページに「価値観がぶつかり合う議論を通して」とあります。この言葉からまず想像されるのは「他人同士の価値観のぶつかり合い」ですね。

でも、自分の中の価値観って本当に一つでしょうか?
私たちは、一貫した倫理観に基づいて日々考えているでしょうか?

私は、京論壇での議論を通じて「自分の中での価値観のぶつかり合い」も生まれると信じています。平たく言えば「価値観の自己矛盾」です。
これは、尊厳死や中絶の問題を考える中で私自身いつも突き当たってきた壁です。
中絶は女性の自己決定権として認められるべき?だけど、性別・障害者差別につながる可能性のある出生前診断には反対だって思うよね?いやいや、でも実際に自分が子供を持つことになったら、診断を受けたいという不安に駆られないかといえば…。こんな風に、実は自分の中にダブル、トリプル、何重にも倫理観のスタンダードがあることに気づかされます。
こうした自己矛盾を解消することはおそらく不可能だし、解消しようとする必要もないのかもしれません。重要なのは、他者の意見を聞いて、誰かに指摘されて、もしくは発言の最中に矛盾したことを言っていることに気づいて…議論を通して自分の価値観と対峙することです。
「自己矛盾はあって当たり前、発見することが面白い!」
自分の頭の中の矛盾を恐れずに、考え、発言し、聞く。そんな議論を通して、今まで見えてこなかった自分の考え・価値観を発見できたら素敵だな、と思います。

京論壇に参加してまだ一ヶ月、私自身これからどんな半年間を過ごせるのか想像もつかず、とってもワクワクしています。アットホームに、かつためらいなく自分をオープンにして議論できる、そんな温かく熱い分科会を皆さんとつくっていきたいです。

少しでも興味を持ってくださったら、ぜひ一度新歓イベントに足を運んでいただけると嬉しいです。皆さんのご参加をお待ちしております!
最後までお読みくださりありがとうございました。


京論壇2020分科会議長 後期教養学部3年 山田涼華

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?