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ペレニアルガーデン講座 第5回(9月12日)


前回8月に「来月は涼しくなってますように!」と最後にあいさつしましたが、
期待も虚しく、9月の講座の日も気温35度の予報で、朝から蒸し暑さ全開の気候でスタートしました。

今回も熱中症から身を守るため、「なるべく気温が上がらない午前中の早い時間帯にガーデン作業をやりましょう」ということで、参加者が集合すると、
前半は、お手入れの説明(座学)とお手入れ(実践)からスタート。

9月中旬なのに、太陽ギラギラで5分の移動で汗だくです

今回のお手入れのポイントは、「切りすぎないこと」。
先月までは、高くなりすぎて、暴れてしまった植物は、半分ぐらいの高さまで
切り戻す、植物によっては高さの下から1/3程度まで切り戻してましたが、
これから秋に向かい、植物の成長もゆっくりになってくるので、次のことを念頭におきながらお手入れしましょう、と。

*あまり切りすぎない
*倒れている植物は、茶色い部分を取り除きながら、美しく見えるように切り戻す
*シードヘッド(植物のタネ)も美しいものは残しておく(秋の景色を楽しむ)
 (しかし、あまりにもカリカリに枯れて、美しくないものは摘む)

振り返れば、今年は5月から30度超えの真夏日が続いている東京。
5ヶ月間のほとんどが真夏日で、植物も人間も夏バテでぐったりしてますが、宿根草園の草花たちはどうなっているのでしょう?とドキドキしながらガーデンへ移動。今年は植え付け後に一度も水やりをしていないのですが、ほとんどの植物がスクスクと成長していて、特にペニセタム’カシアン’などのグラス類は、風にゆられて太陽の光を背景に、キラキラと輝いている景色をみて、皆さん安堵。

まずは各自水分補給をしてから、現状把握のためのガーデンツアー。

エリア毎に解説

前回との違いやエリア毎のお手入れについて解説していきます。

「ミソハギは、場所(環境)によって元気なところと、枯れているものがありましたが、枯れてみえるものも、根っこは生きている可能性もあるので、抜かずに地際近くから切ってみて、様子をみてみましょう」

シードヘッドも可愛いガイラルディア こちらは花がらつみはしません

「アキレアは7月に地際近くまで切り戻しましたが、復活して二番花を咲かせてます。切り戻し後の観察も大切です」

「ペニセタム’カシアン’はスクスク成長しているけれど、隣の植物に覆い被さっている部分は、切り戻した方が、風通しも良くなるし、お互いの植物が綺麗に見えますよ」

キャットミントに覆い被さっている部分の穂は切り戻し

などなど 前回までの切り戻した結果を確認しながら、今日のお手入れのポイントを説明し、各班 担当エリアを決めてお手入れ。

今回で5回目のお手入れ。受講生の皆さんの何かが変わってきたのが感じられます。ハサミで切り戻す、茶色くなった植物を切り戻す作業に迷いがなくなったのか、班に分かれてから、サクサクと作業が進んでいきます。以前は作業を始めてすぐに、
「センセー これはどこから切れば良いですか?」とか「これは抜いても良いですよね?」という質問があちらこちらから飛んで来ましたが、今回はほとんど質問もなく、班のメンバーで考えながら、作業が進んでいます。
受講生みなさんが自信を持って自分たちで作業に取り組んでいる雰囲気が伝わり、さらに、丁寧で美しい形の切り戻しを行なっており、講師陣も喜びの声をあげていました。

テキパキ サクサク お手入れ

もう少し作業はしたいものの、35度近くの気温は身体にも堪えます。
お手入れ作業をパパっと終えた後は、今咲いている花の名札付け。
そして、自分が気になっている植物「推し植物」の観察をしていきます。

班のメンバーで本日の作業の確認

毎月 自分の「推し植物」の草丈、葉張り、花や実の様子など観察していき、
今後これらのデータを集約して、図鑑作りをしていく予定です。

外に出てから1時間が経過したところで、お手入れ作業を終了して、室内へ戻りました。なんと今回は、講師お手製の「ローゼルスカッシュ」が用意されていて、赤く美しいビタミンCたっぷりの冷たい飲み物に、ホッと一息。

ローゼルスカッシュ

後半は、前回の振り返りとアンケートの質疑応答からスタート。

はるばる大阪から来てくれた学生さんやメディアの方の見学もありました。

アンケートへの回答は、毎回、講師陣だけでなく、内容によっては主催である東京都公園協会からも返答をいただいてます。講座は短い時間の中で多くのこと詰め込んでいる内容なので、参加者が内容を理解できるように、ちょっとした疑問の「はて?」「なぜ?」を取りこぼさないように、そして講座自体もよりよく改善していくために、アンケートに記載された疑問質問へのキャッチボールはとても重要な時間なのです。

アンケートに回答をする主催者

そして、レクチャーは「宿根草園全体のデザイン構成の説明」と「植栽デザイン」。

JINDAIペレニアルガーデンは16のエリアに分かれていて、昨年は8エリアを植栽。昨年植栽したエリアはピンクゾーンから黄色紫ゾーンに色分けされ、季節毎に花がリレーのように開花するような植栽デザインで、植物の配置としてはマスプランティングという同じ植物を1箇所あたり3−6個程度固めて配置する手法であること。

全体ゾーニングの説明

そして、残りのアジサイ園に向けて植栽は、マスプランティングのエリアと草原のような風景になるミックスプランティングという配置手法のエリアの予定である、と宿根草園全体の構成についての説明がありました。

次に「多年草のデザイン」について。
前回8月は一年草の植物使いながら、園芸知識の差がバラバラでも、だれでも発言することができて、絵を書くことが難しくても簡単に花壇デザインを作ることができる手法を学びましたが、今回はその手法を使って多年草バージョンでガーデンデザインを作ります。3−4名に分かれ、グループ毎に多年草ガーデンを、マスプランティングの手法を用いてデザインを考えていきます。

これとこの植物の組み合わせはどう?などグループ毎にワイワイ意見を出し合います

草花の高さ、葉張り、葉の形、季節などを考えながら、グループで色んな意見を出し合いながらデザインをまとめていきます。

なんとか時間内にまとめ上げ、出来上がったデザインがこちら

デザインの一例

出来上がったデザインをみなさんに紹介する時間が取れなかったのが残念だったのですが、それぞれグループで話し合うこと大切で、誰もが発言できて、それをまとめるという過程が大切な作業なのです。
このデザイン案のどれかが、11月の植栽のどこかに採用されるかも!?
乞うご期待です!!!

【おまけ】(虫注意!)JINDAIペレニアルガーデンでは様々な虫も観察できます




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