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ただの『いい人』でいることのデメリット

誰しも何かしらの組織に属し、その中で人間関係を構築し維持しながら生活を送ることと思います。

人間とは、そのような習性が身についている生き物なので、組織のなかで『いい人』でいることには多くのメリットが存在します。

『いい人』と周囲が認めてくれれば、人間関係は良好になり、自分が必要とするときには人の手助けを借りやすくなる。
また、組織に所属し活動する上で感じるストレスが現象し、日々の生活がラクになる。
まさにいい事ずくしです。。。。


そのため、本能的に、人間は『いい人』に思われようと、無意識のうちに打算的な行動を取ってしまうものです。

このように『いい人』であることには、多くのメリットが存在しますが、同時に多くのデメリットも存在する事を知っておく必要があります。

いい人であるデメリットを全部紹介していると、数万字の記事になってしまうので、今回はとりわけ重要な2点を中心に解説をしていこうと思います。


成長が止まる

相手を思いやり、他人の幸せを自分の幸せとして感じ喜べることはとても大切なことです。
しかし、他人への思いやりを持ちすぎるあまり、衝突を避け、無難な人間関係を築いていると自分自身も相手も成長する事が難しくなる。という側面があります。

まず、無難な人間関係を築くという事は、相手の気持ちを推し量り、自分の意見や欲求を押し殺すことです。

基本的に、人間が二人いれば意見の衝突は確実に発生するものですが、意見の衝突が発生すれば少なからず気分を害すことになるし、機嫌を損ねることに繋がります。

その点だけを気にして、自分の気持ちに蓋をし、相手の意見を否定せず賛同ばかりしていると、そのうち自分のやる気にまで蓋をしてしまうことになってしまいます。

自分のやる気に蓋をしてしまうのは、自己成長にとってマズい状態というのは今でもありません。
やる気がないという事は、成長する機会を逃すことにも繋がるし、何より生きていく上でのモチベーションにまで影響します。

今日も明日の明後日も、何も変わらない日常で、自分の意見に蓋をして相手の顔色だけを伺いながら生きていく。
そんな生き方をしていると人生自体に意味を見いだせなくなってくることでしょう。

とはいえ、実際にそのような生き方を選んでいる人もいるし、それなりに経済が回っているのだから、最終的には個々人の価値観に任せるしか無いのでしょう。

しかし、そのような人が多くなりすぎたせいで、個々人の成長スピードが鈍化し組織としての能力も低下しました。

結果、日本企業の能力が落ち、国際的な競争力が弱くなってしまった。ということも言えるでしょう。

無意味に、我を突き通して人間関係をこじらせるのはナンセンスですが、常日頃から人の顔色を伺ってばかりいるのも考えもの。

人との良好な関係を築き維持するのは非常に大切ではあるものの、今の状況を維持することだけに注力しているだけでは何も成長できない。ということだけは理解しておく必要があります。

良好な人間関係が築けない

先述した『人の顔色伺い』には、成長スピード低下というデメリットの他にも、もう一つの大きなデメリットが存在する。

それは、『良好な人間関係が築けない』というものです。

こんなことをいうと、『良好な人間関係を築きたいから、自分の主張を弱くして相手の意見を尊重しているのだ。』という反論が出てきそうですが、それはちょっと違います。

もし、相手の意見内容に賛同し、理解できているのであれば、自分の意見は取り下げるべきでしょう。
しかし、反射的に相手の意見を尊重してしまうのは、何のメリットもありません。

意見のぶつけ合いというのは、個人の価値観の主張であり、個人で蓄積した経験や知識のぶつけ合いです。

必ずしも、相手が正論をいうこともないし、相手の意見やアイデアが正解とも限らない。(またその逆も然り)
お互いの意見をぶつけ合い、自分では気づけなかったポイントに新たな気付きを得ることによって、自分の意見でも相手の意見でもない第3の意見が出ることもあります。
※そのような、生産的な活動の末にできた意見というのは、往往にして最初の意見よりも出来が良かったりするもの。

相手に嫌われることに強い恐怖を抱いたり、コミュニケーションを取ることを面倒に思って、問題点に真正面から向き合わなかったりすると、結果的にすごく遠回りしなくてはいけないことも出てきます。

目の前の問題にだけ取り組むのであれば、相手の機嫌を損ねないようにして、その場だけ取り繕っていれば何ら問題はないでしょう。
しかし、長期間所属するような組織にいるのであれば、自分の意見というのをしっかりと主張し、『ここだけは譲れない』という軸を自分の中につくっておくべきでしょう。

そのような軸があるもの同士がお互いを認めつつ、自分の中の軸を主張しあうことで、建設的な組織運営を行う事ができるのです。

まとめ

『いい人』であることには多くのメリットがあることは先述した通りです。

しかし、反面デメリットも存在するし、その影響は決して見過ごす事はできないような物ばかり。

人間は本能的に相手の機嫌を取ろうと、ついつい自己犠牲の精神で物事を考えてしまいがちですが、一度その『優しさ』について『誰の役にたつのか?』と考え直したほうが良いかもしれません。

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