「似合う」と「好き」と「なりたい」は全然違っていいのです。

2020年5月8日 02:02

皆さんは、自分に「何が似合っていて、何が好きで、何になりたいか」分かっていますか？

ファッションの話であり、実は、生き方の話でもあります。

私はファッションを「突き詰めている」のですが、みんなが思い描くファッション好きな人のイメージとはちょっと違うかもしれません。

例えば「自分がとてもおしゃれで毎日違う服を着てパーティに行く」タイプではありません。「プチプラの服をいろいろ買ってうまく組み合わせを楽しんでいる」タイプでもありません。「トレンド最先端を論理的に語る」タイプでもありません。ただひたすら「人の人生にぴったりな服を突き詰めていく」タイプのかなりマニアックなファッションスタイリストなのです。

まずは自分が何なのか、何に悩んでいるのか「知る」こと。

少しずつでもいいので知ることが大切です。「ファッションにコンプレックスがある」と一言に言っても、色々なタイプの悩みがあります。例えば「自分が好きなものはわかるけど、似合うものはわからない」とか。「似合うものはわかるけど、自分らしくなくて迷っている」とか、「ずっと夢や目標がぼんやりしかないけど何になりたいのか分からない」とかそういうことです。

物質的な悩みもある

先ほどのは心理的な悩みですが、実際として「収納が少なくて服が入らない」とか、「なかなか合うサイズがない」とか「そんなに高い服を買う余裕がない」とか「こういう服を持っているけど合う服がない」とか、物質的な悩みも、もちろんあります。心理的な悩みと物質的な悩み、それらがごっちゃになって「ファッションに苦悩する」という大きなモヤモヤが襲ってきます。

物質的な悩みの問題解決は割と簡単

私は物理的な悩みは割とすぐ解決できると思っています。収納が少なければ、服の数を減らせばいいし、合うサイズがなかなかなければ、少ないけれど似合う同じ服を着ればいいし、高い服を買えなければ着なければいいし、合う服がなければそれを着なければいいのです。「諦め」というよりは「悟った」というほうが早いことがあります。

私はパンツを履かない

例えば、私はパンツを1着も持っていません。理由は「似合うパンツがない」「好きじゃない」「なりたい姿でもない」からです。それでもパンツを履かなければと何百本と試着をし、購入をし、手放してきました。「ない、これはもう多分ない！」と自分で悟った瞬間、解脱して満足しました。人に「え〜似合うじゃん」って言われても、無理です。自分で悟り、満足するしかありません。

考え方の根本を変える

なぜこんなにドライなのかというと、考え方の根本を変えなければ「絶対にまた悩むから」です。「家の収納が少ない」人にうまい収納方法を教えてもまたものを溜め込み足りなくなるだけですよね。

一時的な解決より一生使える考え方を

お腹が空いている人に1食分のご飯を渡しても、悩みの解決は一時的なことです。それよりも「一生ご飯が食べられるようになる働き方」を教えたほうが良いでしょう。私は一人で問題解決ができるようになる方法を教えたいのです。

「似合う」と「好き」と「なりたい」の悩みを解決するほうが、実は長い目で見てスッキリするのです。

「なりたい」が分からなくて悩む

例えば、私の友人のモデルちゃんは、可愛くって、スタイルがよくって、服を買う余裕もあります。センスだってあります。でもファッションに全然自信がないのです。流行の最先端の服をばっちり着ることができても本人は全く幸せじゃないのです。「だって、私はどうなりたいか全然分からないんだもん。みんな私の外見を褒めるだけ、他にもかわいいこなんてたくさんいるし、誰も私の中身をみてくれないのよ。」と嘆きます。

「似合う」が分からなくて悩む

「似合う」が分からなくて悩む友達は、「友達はこれが似合うっていうし、彼ははこれを着て欲しいっていうし、カラー診断ではこうだし、骨格診断ではこうだし、でも私が好きな服は違うんだよね。」と嘆きます。

「好き」が分からなくて悩む

似合う服はわかっているし、なりたい姿が分かっていても、「本当の自分は何が好きなんだろう」と悩む方もいらっしゃいます。このテイストも好きだし、こんな風を着たい時もあるし、自分の個性がなんなのかよく分からないし。好きってなんなの？という悩みは実はとても深いのです。

悩んでいい、全然いい

人はかわいいとかかっこいいとかだけになりたい訳ではないのです。それはもうめっちゃ複雑です。私はこれを読みながらうんうんと首がもげるくらいに頷いてくださる読者さんの顔が浮かびます。何百人も浮かびます。悩んでいて、実はいいのです。しかし、「自分が何に悩んでいるか知る。そしてその解決方法を掴む。」というのが大切です。そのための「自問自答」なのです。

「似合う」「好き」「なりたい」は違う、全然違っていいのです。

私はこれを一生のテーマとして掲げています。これを理解せずに服を選ぶことはできないと言っても過言ではないからです。服に悩んでいるという方は、ぜひ一つ一つを紐解いて考えてみてくださいね。

おまけ：そして、実際服じゃない場合もありえる

私のところにいらっしゃるクライアントさんたちにお話を聞くと、結構「あれ、服装めっちゃ完璧だ〜」と思う方もいます。じっくりじっくりお話を聞くと、本当に悩んでいるのは「髪型」だったり「メイク」だったり、「体型」だったり。

単純に恋愛のパートナーと趣味が合わないということだってありますし、お母さんがそんな服着るなっていうんです。という対人関係や、ただ単純に「自分の服について考えたことが1分もなかった」という方も。

お家にいる時間が長いこの機会、ぜひいろんな方向からファッションを考えてみてくださいね。

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