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DEAR FRIENDS_自叙伝1991年_02_「MOVE」レコーディング

1991年スケジュール

01月18日 グリ-ンホール相模大野

01月21日 ライブビデオ『PERSONZ in武道館~Dreamers Only Special~リリース

01月23日 山梨県民文化ホール

01月28日 宇都宮市文化会館

01月30日 名古屋市民会館

01月31日 名古屋市民会館

02月02日 神戸国際会館

02月04日 松山市民会館

02月05日 高知県民文化ホール

02月07日 香川県民ホール

02月08日 徳島市文化センター

02月13日 新潟県民会館

02月14日 新潟県民会館

02月19日 横須賀市文化会館

02月24日 仙台イズミティー21

02月25日 喜多方プラザ文化センター

02月27日 茨城県民文化センター

03月05日 八戸市公会堂

03月06日 秋田県民会館

03月08日 鶴岡市文化センター

03月11日 宮崎市民会館

03月12日 鹿児島市民文化会館(第1)

03月14日 長崎市公会堂

03月18日 大阪厚生年金会館

03月19日 大阪厚生年金会館

03月26日 千葉県文化会館

03月28日 大宮ソニックシティ

03月30日 福井フェニックスプラザ

04月01日 石川県厚生年金会館

04月02日 富山市公会堂

04月06日 郡山市文化センター

04月07日 山形県民会館

04月09日 青森市文化会館

04月10日 岩手県民会館

04月12日 札幌厚生年金会館

04月14日 帯広市民文化ホール

04月15日 北見市民会館

04月21日 徳山市文化会館

04月22日 岡山市民会館

04月24日 メルパルクホール広島

04月26日 福岡サンパレス

04月28日 長野県民文化会館

04月30日 群馬県民会館

05月01日 長岡市立劇場

05月05日 京都会館第1ホール

05月07日 静岡市民文化会館

05月08日 名古屋センチュリーホール

05月10日 ドキュメンタリービデオ『MOMENTS DOCUMENTARY FILM '90~'91』リリース

“PRECIOUS?”ツアーファイナル_日本武道館2DAYS
05月14日 日本武道館 

05月15日 日本武道館  


(この間に「MOVE」の制作準備とレコーディングがあります)

10月23日 7thシングル『TRUE LOVE(涙にぬれて・・・)』リリース
10月27日 YAMAHA【BAND EXPLOSION ’91 世界大会】
                 ゲストPERSONZ藤田病欠

12月04日 6thアルバム『MOVE』リリース

「MOVE」レコーディング

6枚目の「MOVE」のレコーディングはPRECIOUS?ツアーの武道館終了後にスタート。5枚目のアルバム「PRECIOUS?」がPOPで華やかで、曲数も13曲だったことへの反動か、この6枚目はいきなりシックな彩り。
ジャケットも私ひとりのアップ写真になりました。

01. TRUE LOVE(涙にぬれて)
02. CELEBRATE SONG(祝福の歌)
03. FIND MYSELF
04. 1%の夢
05. 誰かがあなたを愛してる
06. LET’S GET TOGETHER
07. 恋をしよう
08. WILD FLOWERS
09. MY VALENTINE
10. NEVER SAY NEVER BE YOURSELF!
11. BOLERO

レコーディングはリズム録りはビクタースタジオ。
ダビングは渋谷のBunkamuraスタジオ。
今や、遠い記憶。

特に渋谷のBunkamuraスタジオは、奇しくも、この2023年4月からBunkamuraのオーチャードホールを除いて4月10日より長期休館に伴い営業終了となるとのこと。
隣接する東急本店も1月30日で閉館。
時代は変わるのね。

ビクタースタジオも老舗でトップクラスのスタジオだけど、Bunkamuraスタジオは当時、1989年にできたばかりで最新の高級スタジオでした。
いったいこの時代のレコーディングがいったいどれくらいのバジェットだったかを思うと、これまた気が遠くなります。

あ、あと、「MOVE」は再度、NYのTDだったので、このあと渡米もしております。

まだまだバブリーな時代。
ひゃぁ。

「MOVE」のレコーディングとNYのTDの写真は後半でご紹介しますね。

さて、前作の「PRECIOUS?」がアルバム直球で、シングル曲をカットしなかった反動か、この「MOVE」では「TRUE LOVE(涙にぬれて)」が早々にシングルカットされました。

TRUE LOVE(涙にぬれて)のMVは今も印象に残るけど、私ひとりの出演でワンカメで撮影!となり、かなり大変だった記憶があります。撮影スタッフさんたちは気軽に最後に涙が流れるといいねぇ〜とか言ってたんだけど、私、女優さんでもないし、そんなに感情をコントロール出来るわけないよね、と思ってMV撮影してたら、なんと、最後に涙が流れました。
自分でも驚いた。

この「TRUE LOVE(涙にぬれて)」は、それまでのPERSONZのビート曲とは違う雰囲気だったので、PERSONZファンは最初は少し戸惑ったかもしれませんね。

「TRUE LOVE(涙にぬれて)」ラジオ企画…(皆さん、協力してください〜)

久々のシングル「TRUE LOVE(涙にぬれて)」は、深夜放送のラジオの協力のもと、ファンに向けて、それぞれのパートをカバーして貰うという斬新な企画があって、たくさんの応募を頂きました。

時代的にはカセットテープでのやり取りの時代ですよ。

確か….応募する方々にパートが抜けた音源のカセットテープを送り、パート毎に応募したような。
携帯などない時代。
応募者に電話をすると留守だったり、夜なので家の人が出て、話が通じずになかなか説明がつかなかったりというエピソードが印象的で覚えてるんだけど、企画自体はところどころ記憶が薄れて不明。メンバーも同じく覚えてません。

だからお願い〜で〜す。

この「TRUE LOVE(涙にぬれて)」の企画のことを詳しく覚えているPERSONZマニアの方、コメント欄にてご協力をお願いします。
皆様からのコメントでこの企画のことを思い出したら上書きします〜

1991年の時代背景

兎にも角にも、この「MOVE」の時の時代背景はバブル景気の終焉と、失われた10年の始まりとなった年。
証券、金融不祥事が続発。徐々にバブル崩壊は表面化するも、のちの平成不況の足音はまだ遠く、今後の景気をまだまだ楽観的に捉える者が大勢。

湾岸戦争ぼっ発、バルト3国独立、相撲「若貴」ブーム、ユーゴスラビア紛争、「ジュリアナ東京」オープン、千代の富士が引退、雲仙普賢岳で火砕流発生、ピナツボ火山大噴火、長野で五輪開催決定、りんご台風、ソビエト連邦崩壊。今のロシアの在り方などにつながる1991年。

音楽シーンも徐々にバンドブームもひと段落で、また新たな形態のグループやソロアーティストやSMAPやZARDがデビューした時代でした。

PERSONZも、この時は気づいていないけれど、その先、数十年間にわたり続いていくバンド運営の困難さを体現する始まりの年となったのかな。

【BAND EXPLOSION ’91 世界大会】藤田病欠!アクシデントだぁ!

レコーディングを終えて、ツアーに進む前にアクシデントが起きました。

10月にヤマハの【BAND EXPLOSION ’91 世界大会】があり、PERSONZがゲストで出演だったのですが、前日、藤田から連絡があり肺気胸で急遽入院。

ゲストですからキャンセルするわけにもいかず、セッションプレイヤーとしても有名な渡邉と藤田の同郷の後輩でもある鶴谷智生さんにトラ(代役のこと)を依頼。前日リハを強行。だけど、さすが鶴谷くん、譜面を見ながら7曲を完コピ。翌日の本番に臨んだのですが、なんと、1曲目で譜面が全部吹っ飛んでしまうと出来事がありました。が、ほとんど生ぶっつけ即興ドラミングでPERSONZの危機を救ってくれました。

しかし、武道館の当日、ドラムが藤田ではないということがわからなかったというファン続出…

今のようにネットが普及している時ではないので、本番で伝えるしかない状態。途中のMCで藤田の病欠を告げるまで「ふじたさぁ〜ん」とかの声援も飛んでたよなぁ〜という….今では笑い話になっておりますが、鶴谷くんもPERSONZ3人も、その時はかなり緊張したステージだったと思います。

しかも、この【BAND EXPLOSION ’91 世界大会】のデータを今改めて見ると凄いのよ〜!!!!
28カ国17エントリーバンド(国内2バンド、海外15バンド)
司会マイケル富岡、早見 優
そして審査員には、
スティーヴィー・サラス(Stevie Salas)「Stevie Salas Colorcode」リーダー、ギタリスト!ひゃぁ〜〜〜
マーク・スローター(Mark Slaughter)「Slaughter」リーダー、ボーカル&ギタリスト
トム・ズータウ(Tom Zutaut)プロデューサー
ブルース・フェアバーン(Bruce Fairbairn)プロデューサー
ネーザン・イースト(Nathan East)ベーシスト
ディナ・ストラム(Dana Strum)「Slaughter」ベーシスト
松任谷 正隆・プロデューサー
笹路 正徳・プロデューサー
船山 基紀・アレンジャー
白井 良明・プロデューサー
山里 剛・プロデューサー
山本 恭司・「WILD FLAG」ボーカル&ギタリスト
(当時のデータそのままです)

グランドプライズになったバンドはデンマークのPAPADOXさんで、Over and overという曲名だったらしい。ドイツ、スペイン、インドネシア、アルゼンチン、カナダ、メキシコ、オーストラリア、フランス、モンゴル、オランダ、アメリカ、台湾、イタリア、イギリスからもバンドが出場とな。
ゴールドプライズでは日本のバンドもいたらしく、Lime LightというバンドでBlue Moonという曲。その後デビューしたのかなぁ…

私たちはとにかく自分達の演奏のことで頭がいっぱいで、出演者やら審査員が誰だとか全然気にする間もなかったのでした。

実は、お宝として。
このイベントのVHSでの動画あるんですよ〜
画質悪いけどね。

「MOVE」の制作時の思いは?

「MOVE」のレコーディングは大学ノートのダイアリーもないし、記録フィルムもないので、なかなかどんな状況だったかは自分でもよくわからなかったので、下記に当時のレビューやインタビューを引用して、その上で書き進めたいと思います。

まず、私たちの「MOVE」のパンフレットから…

 しかし、どこの世界に「感動」なんていうものをアルバムにテーマんすえるミュージシャンがいるものか。そんなあたり前すぎるものは誰も面と向かっては言わないものだ。だいいち、アルバムのテーマは「感動」ですといわれて、それきいて本当に感動してしまったらなさけないじゃないか。意地でもかんどうしてやるもんかという気にさせるマジで。
 ところがパーソンズがこの6作目に至ってやろうとしていることは、こういうヒネクレた野郎も含めて、全国民、全人民に対して逃げも隠れもしない大マジの感動提供なのである。それこそ田舎のじいちゃんばあちゃんからスノッブなガキ共にまで。ミュージシャン最下の使命「感動」を与えんとしているのだ。このパーソンズに限ってそういうことは許されるのだ。
 そもそもパーソンズは、そのデビュー段階からしてすでに他の新人バンドを圧倒する完成度を誇っていた。基本的なマテリアルがまず抜群だったし、テクニックも十分、アンサンブルも完璧といえた。何よりもジルと3人の関係が最初からはっきりしていたことが大きい。強力な精神的支柱を一丸となって盛り上げる構図がドトウの完成度を生んだ。一方、サウンド的には日本人的な情緒をくすぐる高揚感と、なんだか儲かったような気にさせるこれまた日本的なスピード感に満ちあふれていた。
 そして、こうしたパーソンズの特徴は、その後、全く揺るがないまま、ただただ強化されてきたのだ。キャラクター・ビジネスに頼るとか、話題性をあおるとか、ほとんど一切の付加価値とは無縁に、ただ音楽だけで人々を唸らせてきた。いわゆる王道の中のまた王道という音楽姿勢を一度たりとも崩していないのだ。速い話が「いい曲とは何か!」という普遍的なテーマしか追ってないのだ。彼らは。もちろんそうしたテーマを現実にするにはドラマが嘘臭くあってはならないし、職業意識で向かうわけにもいかない。少数の人間に高い評価を得れば満足という閉塞も絶対に避けなければならない。そういったことを全てひっくるめた上で、パーソンズのアルバム連続40万以上セールス現象は起こっているわけである。
 だからパーソンズが、表現する人の普遍的なテーマである「感動」に至るのはしごく自然であり、同時に「感動」などと堂々とつけてしまえる資格を有しているということなのだ。ロッキン・オン 増井 修

PERSONZ[move]パンフレットから〜原文のまま

とてもロッキン・オン的な書かれ方ですね〜
増井さんには随分お世話になりました。

今、読むと、言い当てているようでズレてる部分もあるかなという感じ。
そもそもライターさんという職業がバンドブームと共に盛り上がっていく時代。なにかあればライターさんにという。とても雑誌という媒体が強かった時からね。取材して貰うにも広告費も含めてお金がかかる時代でした。

そうゆう意味ではライターさんではなく、純粋な音楽評論家というポジションは、今や皆無。昔はプレイヤーとか音楽専科とかにアルバム批評が載るのを楽しみにしていたんですが、今はもうそうゆう文化はないわね。

そして、他には雑誌のインタビューがあります。
さぁ、記憶を辿ってみよう…

「PRECIOUS?」に伴うツアーが5月中旬に終わると、6月初旬から新しいアルバムの作品作りに取り組み始めたPERSONZ。発売予定は12月4日。

インタビュアー
「PRECIOUS?ツアーの後半、取材で北海道に行った時、特にJILL以外のメンバー3人が相当疲れてたみたいだったんで、その後すぐにレコーディングに入ると聞いて驚いたんですが…」

私…
「うん、去年は1ヶ月休みを取って結局負けたからねぇ。
休みが休みにならなくて、全然よくなかった。4人とも一気にやっちゃわないと気が済まないタイプの人たちで、休み中でも、その先にレコーディングがあるとねぇ…休めないよねぇということですぐやろうと。」

8月上旬。渋谷のスタジオにて行われたインタビュー。

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