おかねのはなし

時間堂プロデューサー(P)大森晴香です。こんばんは。
私は今、リノベーション真っ盛りのスタジオに毎日通いながらも、一切破壊活動に参加せずに奥の部屋に引きこもっています。そこで何をしてるのか、というと、いろいろです、いろいろ。本当にいろいろ過ぎてひとことで言えない。

時間堂は今、スタジオづくり以外に、「センチメンタル・ジャーニィ」(仮)の準備(オーディションとか)やら、外部への営業活動準備やら、同時平行で進めているわけです。

その同時平行の中には、未知なる生物である「法人化」というオオモノがいます。

昨日5月2日は、北区の産業振興課で、事業計画や補助金、融資についての情報をいただきました。やはりプロのアドバイザーに聞くと、素人ではわからないコツとかポイントがわかって、次の活動が明確になりますね。

本題に入る前に。

「プロデューサーって何する人ですか」という質問を今まで幾度となくいただいて、「そうだよねー、わかりにくいよねー」とお茶を濁してきた私ですが、プロデューサーの大事な仕事には「お金の管理」、もっと言えば「資金調達」というものがあります。

今までの時間堂は、公演の入場料収入やワークショップの受講料、グッズ販売収入、外部演出・制作、講師派遣なんかが主な収入源でした。そして、入ってくるお金と出ていくお金がだいたい同じか、ときとして出ていく方が多い感じ。

自分たちで稼げるようになるか、外からお金をひっぱってくるかをしないと、劇団活動は続かない。劇団員を安定的に雇用する、という理想も、夢のままで終わってしまう。

去年あたりから助成金申請に力を入れて、採択いただくことも増えてきてはいます。が、芸術活動の助成金のほとんどは「赤字助成」です。つまり、「赤字補てん分だけ助成するので儲かった場合はその分カット」というもの。芸術団体にお金はたまりません。

これからは「芸術団体向け助成」以外の資金調達を考えていかなくては。
そこで黒澤世莉が見つけてきたのが、北区の「経営相談」サービスでした。

さて、本題。

さまざまな補助金や融資の制度があるけれど、私たちに向いているのはどれなのか。素人にはさっぱりです。前回の面談でたくさん資料をいただいたけど、それも読むのが精いっぱいで、読みこなすのはなかなか。それでも四苦八苦しながら「自分たちが何をやろうとしているのか」を説明する資料を作って、「事業計画」らしきものを自力で用意して向かいました。

で、今回はこれに挑戦します。

【創業補助金】

国がやってる上限200万・開業費用の3分の2まで出してくれる補助金です。
補助金だから返さなくてイイ。赤字助成じゃないから儲けてもイイ。うしし。

もちろん厳正な選考があるし、「認定支援機関」というところで経営アドバイスをもらった上でないと出せません。採択率は3割くらい。教育・文化の業種だけを見るとさらに下がるらしい…。そりゃ、ただでお金いただくわけですから、そんな簡単にはいかないですよね、うむ。

ここからは、実際に書類を書く場合のテクニック的なことや、私が覚えておきたいことをシェア。

◆いただいた貴重なアドバイス

・対象期間は短く、対象費用はわかりやすく

補助金をいただく際には、すべて証拠書類(領収書とか引き落としの明細とか)の提出が必要です。期間が長いとそれだけ書類を揃えるのが大変になるし、支給されるのも先になってしまう。また、同じ理由で、使途の証明が簡単な費用だけを対象にしておくのもポイント。たとえば口座引き落としの家賃・水道光熱費、毎月必ずかかる人件費、単価の高い買い物など。細かい消耗品とかを含めてしまうと、証明が煩雑になります。

ただし。対象期間中に使うものだけを対象とするので、その後も使える「財産」は対象になりません。パソコンやプリンタはリースなら対象になるけど買い取りだったら対象外、ということ。

・認定支援機関は銀行を選択するが吉

認定支援機関というのは本当にたくさんあって、銀行もあれば個人の●●士とかもやっていて、さぁどこにいったらいいの?となります。でもね、どこに行っても結局は「代表機関」と呼ばれるところがOKしないとダメで、その「代表機関」は銀行が兼ねることが多いのです。だったら初めから銀行に行った方が、二度手間にならなくてよいわけです。いずれ融資を受けることも視野に入れているならなおさら。

赤羽近辺だと「城北」「瀧野川」「巣鴨」などの信用金庫がよさそうです。
メガよりも地元の方が手厚い傾向があるし、公庫よりも近くて便利。頼りになる。これまでの情報収集から、そんな印象を持っています。

・「こんなことまで書くの?!」ってくらい書類はびっしり細かく書く

創業補助金はお国がやっているものです。事細かに丁寧に書類を作ることが大事。私が持って行ったものは「書きすぎたかなぁ…」と思うような分量でしたが、むしろそれがいいんだそうです。ほ。

・事業ごとの収支予想がわかる資料を添付する

読んで字のごとくです。文章は書けてるから、あとは数字をそろえていくといいよ、とのこと。特にこれは補助金審査のためというより、銀行の覚えをめでたくする効果があるそうです。ふむふむ。

・最終手段として「貸しスタジオ」という奥の手も書いておいた方がいい

補助金にせよ、融資にせよ、「収益性」が認められないと出ません。

スタジオを使って稼ぐ手段として「レンタルスタジオ」が挙げられます。これ、割と収益性が高いです。ただ、時間堂は「24時間自分たちで使える場所を持つ」という考えでスタジオを持ったので、この方法はできれば、できることなら、採りたくないなぁと思っています。

そうはいっても、お金を出してくれる人にとっての安心材料が多いに越したことはない。いろんな稼ぎ方を想定していて、最終的にスタジオを貸せば採算が取れるのだ、というプレゼンをすることは、補助金や融資の獲得につながる確率を上げてくれそうです。

・北区あっせん融資に経営者のバイトはNG

これ、うっすら覚悟してたけどやっぱりかー、うーん、という感じ。
創業補助金は問題ないのですが、北区があっせんする創業融資に申し込みをする場合は、副業NGなんだそうです。

創業補助金は、お金を使った後に支給されるシステムです。
つまり、支給されるまでの間は、借金するなり自己資金を投入するなりして乗り越えなければならない。
で、「融資」という選択肢が浮上するわけですが、「本気でやってるやつにしか出さねぇ」みたいな論法みたい。
そりゃそうかー、うーん、生活のためでもあるけど今のバイトが結構好きなんだよなぁ…とか思ったPでした。

今日はこの辺で。
次回あたりに「そもそもなんでまた急に法人化なの?」みたいな話を書こうかな。

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