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それはステキなリアプライ -「ソアリン:ファンタスティック・フライト」がもたらしたもの

こんにちはこんばんは。じはんきです。
今日もスポーツネタから離れてこんな記事を。

はじめに

東京ディズニーシーの最も新しいアトラクション、「ソアリン:ファンタスティック・フライト」。連日大人気ですね!
導入前のあれやこれやが嘘のよう、蓋を開けてみれば「トイ・ストーリー・マニア!」と双璧をなす人気に。
とは言っても、もともと海外で「10年前に、すでに」1番人気級だったアトラクション。プレスリリース当初は「なぜ今」、という声も多く挙がっていました。

そもそもどんなアトラクション?

このアトラクションを表す言葉はたった一つ。「五感で感じる世界旅行」です。音、におい、風、「ソラトブノリモノ」の浮遊感。そこに加わる世界中の映像。本当に空を飛んで世界一周するような感覚が味わえるのが、ソアリンの魅力となっています。

そしてそれらの情報は、削ぎ落とされた極めてシンプルなものです。現代にはありとあらゆる情報が溢れていますが、種類の少ない感覚の中でこれを味わうのが、一種の「クスリ」となってクセになるのです。感情はなく、ただ「要素」がやってくる。そこに私たちが感情を吹き込むことで、このアトラクションは初めて成立するのです。

リアプライにちょい足しのお家芸

東京ソアリンは上で触れた通り、技術的には20年前に世に出たものです。知っている方にとっては目新しさはなく、疑問符すら浮かばれることもありました。

そこに加わったちょい足しが「カメリア・ファルコ」及び「ドリームフライヤー」の存在です。ただの「ソラトブノリモノ」から、私たちのイマジネーションで命を吹き込む「ドリームフライヤー」へ。この進化は只者ではありません。

昨今のアトラクション、特にリニューアル物に関しては「ゲストが想像力を発揮できない」という、あいまいな表現の指摘がよく聞かれました。メタ的なことを言えばドリームフライヤーはそれに対する答えだと私は思います。もっと言うと、これまでパークの中でよく(ショーも含めて)語られてきた「夢を“叶えた”者の物語」からのちょっとした脱却も含んで、と。

多くの方が言う通り、「カメリアはドリームフライヤーで空を飛んだのか」という事実はうやむやにされています。このアトラクションにおいて、カメリアの夢と願いは、過去に実際叶えられたかそうでないかは関係なく、私たちが確かに叶えていくという構成になっています。

そして実はこういうところにも「吹き込む」という要素が関わっていて、命を吹き込んでいくことで夢を叶えていく体験は、ディズニーをはじめとするアニメーションにも似通ったものがあると思っているのです。夢と願いは誰かによって叶えられる時代は終わり、自分自身の手で歩んでいく必要がある。厳しい時代に直面し、過去を省みたディズニーからのメッセージである、と私は考えているのです。

もう一つの成功理由「初物」

このアトラクションがここまで大成功したもう一つの理由に「多くの日本人が、こうしたタイプのアトラクションが初物だったから」だと私は思います。

確かに富士急ハイランドにある「富士飛行社」などで体験する機会などはあったとは思いますが…15年前から海外へソアリンに乗りにいくのが国民の間でメジャーか、というと多くはそうじゃないという「バクチ」のもと、私はソアリンを東京に持ってきたのだと思ってます。

リアプライは核心だけ取り出さないとリアプライにならないのは、P&Gマフィアでお馴染み森岡毅神も言っていたこと。「空を飛べる感覚がある」「五感で世界旅行を感じる」こうした核心がしっかり持っていて、それが初物だったからこそウケたのである、と思います。

語り出すとキリなくなるのでこれくらいにまとめました。旅行が難しくなったこの時代だからこそ、ディズニーのハイパーリアルは活きてくると思うのです。戦略ミスじゃなくてね。

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