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「ファクトチェック」ブームは保守メディア、保守論壇の責任でもある!

このところマスメディアによる「ファクトチェック」がSNS上でブームです。特に毎日新聞は専用のロゴとアカウントを作成し力を入れています。個人的には「いけ好かない記事の揚げ足取り」にしか見えませんが、一応定義があるようで毎日新聞の説明を見ると

国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)が掲げる「非党派性・公正性」などの国際的な原則のもと、社会に広がっている情報が事実かどうかを調べ、正確な情報を読者に伝えるのが目的です。

と書かれています。しかしこの説明は不誠実です。チェック対象は「ただし保守政治家、文化人、保守論壇、ネット言説に限る」のではないでしょうか。2ちゃんねるが隆盛の頃、ソースとして記事が投稿されると一斉にネット民からツッコミが入ったものです。これに対して大手メディア側は「記者を萎縮させる」「ネットが報道を歪曲させる」と反発していました。しかし今度はまるで2ちゃんねるのような真似を毎日、ハフポスト、BuzzFeed Japanといったメディアがやるわけです。しかし現状、勇んでファクトチェックといったものの返って失笑されるケースも散見されます。

他メディアに対して「チェック」という以上、自社報道も正確でなければなりません。しかし上記のメディアが「チェック役」に資するとは到底思えません。

なぜ彼らは自身も報じる側なのに「ファクトチェック」という第三者が如くのポジションを取ろうとするのでしょうか。まず取材が不要で経費削減できます。そもそも多かれ少なかれ記事の細部を突き詰めればツッコミどころはあるものです。特に「日本学術会議問題」など立場、解釈で意見が分かれる現象は「判定留保」の部分が多く、揚げ足取りにはピッタリでしょう。

新聞も取材経費が潤沢ではなく、経費は事前申告という社もあります。取材経費は記者のモチベーションですから、この部分をカットされては大胆な活動はできないでしょう。そんな中でネット一つあればできる「ファクトチェック」は低コストでいかにも「社会正義」と「ジャーナリズム」めいたものを演じられます。

ただネットメディアは除いて、毎日新聞の場合、本紙の購読者が「ファクトチェック」を求めているでしょうか。新聞の購読層は高齢者が中心ですが、おそらくは「ファクトチェック? 新しい健康診断かい?」という程度では? 毎日のファクトチェックは明らかにSNS上でのアクセス、フォロワー狙いのはずです。これが購読者像につながるとは到底思えません。スクープの毎日と言われたのは遠い昔。今では2ちゃんまがいのことを記者が堂々とやっているのです。

SNSユーザーの方ならお分かりだろうけど、とにかくこのところマスコミ、特に新聞社のネット依存、SNS頼みが異常です。そんな時代にあって現状の新聞社と「ファクトチェック」という現象は親和性があると思われます。おそらくですが、今後、大手メディアに限らずこのファクトチェックはブームになるのではないでしょうか。ただ悲しいかな部数増に貢献しないと断言できます!

活動の左派と論の右派

こういう風潮を生み出したのも保守論壇、文化人側に責任があると思います。保守派の場合、ある事実を追及するというよりか、タレント性重視で「よーし今日もガツンと言っちゃうぞー」という辛口論評系が大部分ではないでしょうか。毎日やハフポあたりがSNS上のネット住民を強烈に意識しているのに対して、ガツン系たちも明らかにネット受けを狙っているようにしか見えません。要は同じ穴のムジナ。

それにガツン系はついつい暴走しがち。またネット上のデマを真に受けるというケースも散見されます。

個人的には毎日やハフポのファクトチェックなど片腹痛いという思いもあります。ただ保守系の言論から伝わる「みんなで集まってパヨクに言ったれー」という有り様も疑問を感じています。こういう特徴はかえって左派のエネルギー、カンフル剤になりかねません。そこでいっそ左派メディアが掲げるファクトチェックの洗礼を受けましょう。そして情報の精度を高めればいい。そうすればほとんどリベラルのものだった「ジャーナリズム」の軸を修正できるのではないでしょうか。

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