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11/21 ニュースなスペイン語 Despedida de soltero:独身最後のパーティー

飲み会やパーティーは参加する側と、そのための場所を提供する側とでは大違い。

商いとしてパーティーや宴会に会場を貸し出すのであれば、まぁ、良い。汚い床や食べ残し、飲み残しを後片付けるにしても、その対価をもらっているなら、ある程度の我慢はできる。儲けが出るなら、尚更。

しかし、もし、どこの誰かも分からない連中が自分たちの街に押し寄せて、朝まで、呑めや歌えやされて、何の後片付けもせずに帰られてしまったら……。

しかも、そんな横暴がハロウィンとかクリスマスなどの期間限定のイベントではなく、毎週末、繰り広げられることになったら……。

アンダルシア州のマラガ(Málaga)やアルメリア(Almería)、カタルーニャ州のジローナ(Girona)などの住民たちは、独身最後の夜を楽しむ若者たちの振る舞いに「我慢ならない(insoportables)」とうんざり。

アルメリアにあるモハカル(Mojácar)という都市では、2016年に「人の尊厳や宗教感を傷つけたり、外国人ヘイトや性的なコンテンツを含むような衣装(vestimentas que puedan atentar contra la dignidad de las personas, los sentimientos religiosos o que tengan un contenido xenófobo o sexual)」を公共の場で身に着けた場合、100ユーロ(約1万4000円)から300ユーロ(約4万3000円)の罰金を貸す条例を施行している。

未成年が多い場所や人の往来が激しい場所で上記のような服を着た場合、最大、1000ユーロ(約14万4000円)にまで罰金は膨れ上がる。

ジローナのトッサ・デ・マル(Tossa de Mar)という都市では、2015年から、独身パーティーそのものを禁止している。そして、この規定に違反すると、201ユーロ(2万9000円)から400ユーロ(5万7000円)の罰金を貸している。同様に口笛(silbidos)、叫び声(gritos)、歌(cánticos)などで近隣住民に迷惑をかけた場合も罰金だ。

アンダルシア州のコルドバの歴史地区(Casco Histórico)の住民たちは、「週末が来ると、震えだす(Cuando llega el viernes echamos a temblar)」という。休みの日にゆっくりすることは難しい(difícilmente pueden descansar en los días no laborables)状況だそうだ。

そんな住民たちによる、独身パーティの惨状の一部を列挙すると・・・

・朝五時までどんちゃん騒ぎ
・叫び声、喧嘩、破壊行為(gritos, peleas y destrozos)

これはまだましな方。市の担当者は言う:

・住民らは吐しゃ物や使用済みのコンドームの中を歩くのはもう慣れた(están acostumbrados a caminar entre vómitos y callejones llenos de condones usados)
・住民たちは物陰をラブホ代わりにしている多くの若者を捕まえた(han "pillado" a muchos jóvenes usando los portales de los edificios "como moteles")

もうげんなり。

また、

メスキータのすぐわきに落書きを見る気分を想像してみてください(Imagina ver ciertas estampas al lado de la Mezquita-Catedral)

担当者は言う。文化観光(turismo cultural)が台無し。とても、子供連れの家族なんかに見せられたものではない。

若者たちによるこうしたパーティーは、地元の住民によれば、より大きな問題の症状のひとつ(un síntoma de un problema mayor)に過ぎないという。

より大きな問題とは、観光用マンション(apartamentos turísticos )の空き部屋だ。以前住んでいた人が引っ越すと、街の不動産屋は、通常価格の10倍の金額で買い取る。

そして、独身パーティーがホテルやバルなどによって締め出されているところに目を付け、場所を探し求めてたどり着く、独身観光貴族たちに保証金400ユーロ(約5万7000)を上乗せして貸す。捨てる者あれば拾う者ありが商売だ。かくして「泥酔観光(turismo de borrachera)」はいつまでも続くことになる(perpetúa)。

独身パーティーがらみでもうひとつ。10月に、スペイン高速鉄道(AVE)の中で独身パーティーを開催した11名の若者たちが7676(約101万円)ユーロの罰金を支払わされた事件もあった。

若気の至りの代償はデカい。 

写真は独身パーティーで仮装した若者たち(disfrazados)。

ところで、若気の至りと言えば、10月8日〜10日の記事で、マドリード市内の男子寮の学生が、向かいの女子寮に対して、品のない言葉を発し、検察がヘイトクライムの疑いがあるとして動き始めたという事件を紹介した。

その中で、colegio mayorを「高校生」とか「附属校」と訳していたが、これは「大学生」の誤り。該当箇所は既に修正した。

お詫びして訂正します。間違いを指摘して下さった川上さん、Gracias。