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5/13 ニュースなスペイン語 Archivado:捜査打切り

やっぱりな、と思った。

前国王であり、現上皇(Rey Emérito)であるフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)のスキャンダルに関わる最後の捜査(última investigación)の打切りを検察が発表した。

ただの検察ではない。政治家の汚職を専門とする「汚職撲滅検察(Fiscalía Anticorrupción)」が動いていたのだか、ダメだった。

今年3月にも、フアン・カルロス1世に対する他の2件の捜査も打切ったので、これで、フアン・カルロス1世は、法的には、まっさらな状態になる。

かねてから、国王の在位中のいろいろな不都合は、不逮捕特権(inviolabilidad)の壁が立ちはだかり、なかなか、その訴追は難しいと言われてきた。

まぁ、残念ながら、そのとおりになってしまったということだろう。

サウジアラビアにスペイン高速鉄道(Alta Velocidad Española(=AVE))を導入する際の入札の競り落し(adjudicación)時に、何らかの便宜を図るための手数料(comisión)、つまり、不透明なカネが動いたか否か、そして、そのカネがフアン・カルロス1世の個人口座に入ったか否か、入ったとすれば、そのカネの全額か一部か、ということなどが今回の捜査の争点となっていたのだが、結局、時効(prescrito)の壁にも阻まれ、真相究明には至らなかった。

そもそも、どうしてこのようなウラの話が表にでてきたかというと、ドイツ人企業家であり、フアン・カルロス1世の愛人とも目されている女性コリナ・ラルセン(Corinna Larsen(写真))が、8000万ユーロ(約10億円)ちかい額のカネの支払いがあったということを、知り合いの企業家(ホセ・マヌエル・ビジャレホ(José Manuel Villarejo))に漏らしたとされる会話がどこかからかリークされたからだった(まぁ、企業家にしては口が軽い)。

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このカネがスペインの企業連合から、入札の便宜を図るために、サウジ側に渡り、その内の半分が、今度はスペイン人の企業家に渡り、そこから、一部ないし全額がフアン・カルロス1世の口座に渡った、というシナリオを検察は描いていたようだった。

しかし、結局分からずじまいで、真相は闇の中。

写真は、サウジアラビアのメッカとメディナをつなぐハラマイン高速鉄道。スペインの技術が使われている。ちなみ、この鉄道建築計画の仲介手数料だけでも、ざっと、1億ユーロ(約130憶円)だそうだ。なので、もし、仮に、10億円の手数料が動いていたとしても、実は、法定範囲なので、問題はないらしい。額が大きすぎて、正直、よく分からない。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220512/fiscalia-archiva-investigacion-empresarios-comisiones-ave-meca/2347869.shtml