自分と他人を切り離す
他人との間に壁をつくれるようになったな、と思う。最近。
人との間に壁をつくることや、一線を引くことは、あまり良い文脈で語られないと思うのだけど、わたしは自分が心地よく生きるための正当な手段だと思っていて。
というのも…
これまでわたしは、他人にだいぶ過剰な期待を寄せて生きてきた気がするんです。
やってくれるはず、わかってくれるはず、知っているはず、できるはず。
当然ながら他人は他人の都合で人生を生きているので、わたしの寄せる期待には応えてもらえなかったり、一部だけ応えてもらえたり、まったく違う形で返ってきたりします。
そのたびに、どうしてわかってくれないの?なぜやってくれないの?と憤慨し、落胆し、生きづらいと嘆いてきました。
そうやって何度も繰り返してわかったこと。これは、自分が他人に寄りかかりすぎているから起きることなのだ、と。
あるべき壁が、ない。自分と他人の間にあるべき線引きがない。
そのために、逆の事象も起こります。
相手の期待が、自分に直接刺さる。自分が「やってくれるはず、わかってくれるはず、できるはず」と思う分、自分も「やらねば、理解せねば、成し遂げねば」となっていく。
あまりにも自分が苦しいんですよね、この距離感は。
だから最近は、あえて壁をつくることにしています。もう少しわかりやすく言うと、他人に期待をしないことにした。
とはいっても、他人をまったく信頼していないとか、そういうことじゃないんです。ポジティブな意味で、あきらめたという感じかなあ。
わたしはわたしの人生で生きて、他人は他人の人生で生きている。壁があることで、うまくそう思えるようになった気がします。
まだまだ、いつの間にか勝手に壁を飛び越えて「なんで!どうして!」と思ってしまうこともあるし、逆に「期待に応えねば…!」とすり減ることもあるのだけど、以前に比べれば。
やってくれなくて当然。だから、わたしはわたしで好きに生きる。
わかってくれなくて当然。だって、わたしとあなたは違うから。
そうやって、ちゃんと自分の道を歩いているうちに、誰かの道が自分と交わったときは、手を取り合って、お互いのことを知ろうとすれば良い。
その道がずっと同じ方向に続く人もいるだろうし、途中で別れる人もいるかもしれない。そういうものだと思っておく。
他人を拒絶するための壁ではなくて、他人と建設的にかかわるための壁なら、どんどん立てて良いんじゃないかな。
自分と、大切な誰かを守るためにも。
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