プロフェッショナルの条件を読み直した

元々出不精ではあったのだが、なるべくCOVID-19感染リスクを低減する必要があると考え、生活が家と職場の往復に固定されつつある。積極的な外出もし難いので、ヘルシオウォーターオーブンの使い方を研究したり蔵書を点検したりしているのだが、これはと思った本があったので紹介しておく。


プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編)) P・F. ドラッカー https://www.amazon.co.jp/dp/4478300593/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_pYbNEbXE25NMD


有名な本である。社会の変革に伴いこれからの労働者は知識労働者となり、いかにして成果を上げ、貢献し、自らと組織をマネジメントするのか、要諦が語られている。

学生時代から何度か読み返していて、これまでのところ、読むたびに発見があった。ドラッカーが経営学の研究の対象から外れつつあったとしても、単なるドラッカー入門以上の意味で未来の人に読み継がれるのではと思う。


何年も前に読んだ時のメモが残っていて、例えば、知識労働の生産性を上げるには目的への集中が必要というところの欄外には、

 看護師の仕事を医者がやり、

 事務職員の仕事を看護師がやり、

 看護助手の仕事を研修医がやり、

と書き込んである。今では懐かしく恥ずかしくもあるが、過去の自分との対話も貴重である。われわれは、どのように時間を過ごしたかを、記憶に頼って知ることはできない。


年を措いて読み返すと、より理解がクリアになってきた記述も多くある。細部の仕事を神々が見ている、という言葉の重さはまかりなりにも手術を手掛けるようになってから、手触りを伴って迫るようになってきた。何によって知られたいか自問することも、人生の年限がちょっとだけ近くなったことで切実さが入り込んでくるようになった。

一方、日々の仕事を片付けていく中で、どう貢献しているのかについて踏み込んで考える意識は希薄になっていたし、まとまった時間を確保することの重要性も、理解はしていたけれどもうまく活かせてなかったと省みることができた。


かつてないほど急速に変化する世の中に生きていて、次に読み直す時には世界がどうなっているのか、そして自分がどうなっているのか。

どちらかというとちょっと怖い気持ちが勝っているが、淡々とやっていくほかあるまい。

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