理科の雑学㉔【お風呂で手がふやけるのはなぜ?】

 お風呂に浸かっていると手がふやけてくる。


 これは浸透圧が関わっている。

 浸透圧とは、半透膜を境にしておくと、溶媒分子(水分子)が濃度の低い方から高い方へ半透膜を通って移動し、濃度の高い溶液側の液面が高くなり水面の高さの差によって半透膜に生じる圧力のこと。
(半透膜:溶液中のある成分(小さい物質)は通すが他の成分(大きい物質)は通さない膜)

 お風呂の水より体液の方が濃度が高いので、濃度の低いお風呂の水が皮膚の中に染みこむ(皮膚が半透膜の役割)。この結果、手がふやけるのである。


 この浸透膜が使われた現象は様々ある。

・コンタクトレンズ
 水の中につけてしまうと、水がレンズの中に入ってしまい、レンズが変形する。これを防ぐため、レンズと濃度が等しい専用の液に保存するのである。

・果実酒(梅酒など)
 果実をアルコール(外液)に漬けることで濃度の高い果肉の中にアルコールが染み入る。しばらくするとアルコールの中に入れていた氷砂糖が溶けだして外液の濃度の方が高くなると、果実の熟成された成分が外液に染み出ることでコクのある美味しい果実酒になる。

・千切りキャベツ
 千切りキャベツを水に浸すと、キャベツの中に水が吸収される。これによってシャキシャキしたキャベツになる。

 浸透圧は漬物の製造などにも使われている。

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